「英語を話せるようになりたいけど、何から始めたら・・・」そんな人に手に取ってほしい1冊『たった30メソッドで英語が好きになる!』を紹介します。TOEICなど、試験では点が取れるのに、実際に話すのは苦手という方にもおすすめです。
YouTubeで人気のレッスンを書籍化
今回紹介する本は『たった30メソッドで英語が好きになる!』。人気のYouTubeチャンネル mouchantv英会話 のレッスンがもとになっています。特徴は、文法的な説明をほとんど使わないこと。「分かりやすい解説」と「繰り返し口に出すレッスン」で、英語を話す力をアップしていきます。
そのため、英会話初心者や、文法に苦手意識がある人、TOEICのスコアはいいけれど実際に話すのは苦手な人にもぴったり。そのよいところは、本書にも存分に生かされています。
ネイティブスピーカーがよく使う単語や表現を、「30メソッド」として解説。あとは、計420問もある穴埋めクイズに挑戦します。お手本の音声はダウンロードできるので、何回も繰り返し口に出して言ってみるとよさそう。
解説が分かりやすい!
本書の特長のひとつは、解説の分かりやすさ。文法用語はほとんど使わないのですが、すんなり飲み込めます。例えば、次の2つの文。意味の違いが分かりますか?
①Nice to meet you.
➁Nice meeting you.
①は、英会話の基本のキ。「はじめまして。」という初対面のときのあいさつですね。➁は、別れ際のあいさつ。「お会いできてよかったです。」という意味になります。
とはいっても、どうしてその違いがでるのか、よく分かりませんね。本書によれば、「あいさつに使うフレーズは、文法を使っても説明しきれないものが多い」とのこと。こういうものだと割り切って、丸ごと覚えるしかないそうです。あとはもう、シチュエーションを思い浮かべながら、繰り返し口に出して身に付けるしかないですね。
もうひとつ。丁寧にお願いするときの表現に、 Could you〜?と Would you〜? がありますね。どう使い分けるのか、説明できますか?本書の解説がこちら。
①身体的・状況的にできるかどうか尋ねる
Could you〜?
→○○していただけますか?
➁気持ち的にできるかどうか尋ねる
Would you〜?
→○○をお願いしてもよろしいでしょうか?
「なるほど~」という感じがしませんか?結果として➁の方が丁寧な感じになるので、お客さまや目上の人には Would you〜?を使った方がいいそうです。
本書の解説はこんな感じで、ホントにあっさりしています。もっと文法的な知識を身に付けたい人には物足りないかもしれませんが、基本的な英会話ならこれで十分です。
穴埋めクイズで定着率アップ
よくある英会話本なら、この後はひたすら例文を音読するところですが、本書はひと味違います。
例文が、穴埋めクイズ形式になっているんです。
先ほどの、Could you〜?と Would you〜?の解説の後のクイズはこんな感じ。
今夜、私たちと夕飯をご一緒しませんか?
Would you like to ( j ) us for dinner tonight?
もう少しワインはいかがでしょうか?
Would you (c ) for some more wine?
もう少し大きな声で話してもらえませんか?
Could you (s ) a little please?
少しお金を貸してもらえないかな?
Could you (l ) me some money?
全部分かりましたか?穴埋めクイズとして出題されているのは、いずれもCould you〜?や Would you〜?と一緒に覚えておくとよいものばかり。ページをめくればすぐ答えは分かるのですが、一瞬「なんだっけ?」と考えますよね。この「考える」というステップを踏むことによって、テキストに載っている英語フレーズを目にしてそのまま音読するよりも、記憶に定着しやすくなる感じがします。
答えは上から順番に、join、care、 speak up、 lend。全部分かりましたか?
まとめ
英会話の基本は、まずスッと口から出てくるフレーズを増やすこと。そう聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にトレーニングを続けるのはなかなか大変です。文法が分からなくて挫折したり、地道なトレーニングに飽きてしまったり・・・。その点、本書なら、文法項目をサクッと理解して、穴埋めクイズで楽しくトレーニングに取り組めます。基本フレーズといっても、中には「こんな言い方をするんだ!」という意外なものもあり、初心者レベルを卒業した方にも役に立つはず。久しぶりに英会話に挑戦する方にもおすすめします。
SERIES連載
思わず笑っちゃうような英会話フレーズを、気取らず、ぬるく楽しくお届けする連載。講師は藤代あゆみさん。国際唎酒師として日本酒の魅力を広めたり、日本の漫画の海外への翻訳出版に携わったり。シンガポールでの勤務経験もある国際派の藤代さんと学びましょう!
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