
「今聴いてほしいアーティスト」と関連する楽曲を音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと合わせて高橋芳朗さんが解説します。
今月の一曲
ゲイルの「abcdefu」を紹介します。
2021年にメジャーデビューした、17歳の女性シンガー・ソングライター、GAYLE(ゲイル)。デビューシングル「abcdefu」がSNS上で拡散され、ヨーロッパをはじめ世界中のチャートで1位を記録する大ヒットに。リスナーに「感情の自由を与えるような音楽を作りたい」という思いで、現在デビュー・プロジェクトを制作中。
強烈な失恋ソングで共感を呼ぶ、Z世代の新歌姫

写真:USA TODAY NETWORK via Reuters Connect
2022年の年明け早々、若き女性シンガー・ソングライターが欧米のポップミュージックシーンを大いににぎわしている。その名はGAYLE(ゲイル)、アメリカはテキサス州ダラス出身の17歳。彼女は2020年にシングル「Z」でデビューした後、人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」の 審査 員を務めていたカーラ・ディオガルドに見いだされてアトランティック・レコードと 契約 。翌年8月にリリースしたメジャーデビューシングル「abcdefu」がTikTokでバズると、じわじわと浸透して2022年に入ってから全英チャートで1位を獲得。続いて全米チャートでも最高3位をマークする世界的な大ヒットになった。
こうして「abcdefu」が注目を集めた背景としては、シンガロング(sing along :アーティストと聴衆が一緒に歌うこと)向きの曲自体のキャッチーさはもちろん、ティーンのリアルを赤裸々につづった歌詞の存在が大きい。「abcdeFuckYou」を意味する言葉遊びをタイトルに冠したその中身は、自分をぞんざいに扱った元彼を罵倒する新感覚の失恋ソングなのだ。
A-B-C-D-E, Fuck you / And your mom and your sister and your job / And your broke -ass car and that shit you call art / Fuck you and your friends that I’ll never see again / Everybody but your dog, you can all fuck off2013年のロード、2019年のビリー・アイリッシュ、そして2021年のオリヴィア・ロドリゴ。ここ10年のポップミュージックを振り返ると10代の女性シンガー・ソングライターの活躍が際立っているが、果たしてゲイルは彼女たちに続いてトップアーティストの地位を確立することができるだろうか。早くも投下された新曲「ur just horny」も含め、 今後の 動向を注視したい。あんたの母親も、あんたの妹も、あんたの仕事も/それからあんたのダサい車も、あんたがアートだとか言っちゃってるものも/ぜんぶクソくらえ。あんたの友達とも二度と会うことはないだろうね/あんたの犬以外は全員私の前から消え失せて
2022年期待の新人アーティスト楽曲5選
今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。2022年、ブレークが期待される新人アーティストの楽曲を聴いてみよう!
ゲイルのアルバム
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ロックスターたちの生インタビューで英語を学ぼう!
※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2022年5月号に掲載した記事を再編集したものです。高橋芳朗 音楽ジャーナリスト、ラジオパーソナリティ、選曲家。TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」にレギュラー出演中。著書に『ディス・イズ・アメリカ「トランプ時代」のポップミュージック』(スモール出版)、『生活が踊る歌』(駒草出版)など。
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