単語は知っているのに、会話になると言葉が出てこない。英文は読めるのに、いざ話そうとすると、うまく文が組み立てられない――そんな悩みを持つ人は少なくありません。そんなときに見直したいのが、「もっと難しい単語を覚えること」ではなく、「今ある文法知識を会話で使えるようにすること」です。今回は、英会話で言葉が出てこない人に試してほしい3つの視点を紹介します。
目次
単語は知っているのに話せないのはなぜ?
英会話が苦手だと感じると、「語彙が足りないのかも」と考えがちです。もちろん単語力は大切ですが、それだけでは会話は前に進みません。
例えば、レストランでメニューを指さして“This.”と言えば注文はできるかもしれません。でも、「おすすめは?」「どんな味?」「私は辛いものが苦手で……」と会話を広げようとした瞬間、必要になるのは単語の数よりも、言いたいことを英文として組み立てる力です。
つまり、「話せない」の正体は、英語力そのものが足りないからではなく、知っている単語や文法を会話の場で動かす回路が、まだ十分に育っていないことにあるのです。
英会話が止まる人に共通する3つの原因
では、なぜ文法を勉強したはずなのに話せないのでしょうか。ありがちな原因は、大きく3つあります。
1. “理解したつもり”で止まっている
文法の説明を読んで納得することと、自分でその文法を使って英文を作れることは、別の力です。ルールを理解するだけでは、実際の会話でとっさに言葉が出てくる状態にはなりません。
2. 文法を「訳すための知識」として覚えている
学校英語では、「受動態は“〜される”」「現在形は“現在のこと”」のように覚えることが多いものです。でも、会話で必要なのは訳し方よりも、「その文法がどんな場面で、何を伝えたいときに使うのか」という視点です。
3. 実際によく使う“形”でストックできていない
文法事項をバラバラに覚えても、とっさの会話ではなかなか出てきません。大切なのは、「この文法はこういう形でよく使われる」という単位で覚えることです。文法の知識だけではなく、それを使った分のあkたちで頭に入れておくと、会話で使いやすくなります。
まず試したい、“英文を組み立てる力”を鍛える3つのコツ
ここからは、今日から意識できる実践ポイントを紹介します。
1. 例文を読むだけで終わらせず、自分の話に置き換える
参考書の例文を読んで「なるほど」で終えるのではなく、自分の生活に引きつけて1文作ってみるのがおすすめです。
例えば、現在形の例文を見たら、
- I work from home on Fridays.
金曜日は在宅勤務をしています。 - I usually take a hot bath before bed.
寝る前にたいてい熱いお風呂に入ります。 - I check social media after lunch.
昼食の後にSNSをチェックします。
のように、自分の習慣で言い換えてみる。これだけでも、「知識」が少しずつ「使える形」に変わっていきます。
2. 文法を“意味”ではなく“使う場面”で覚える
例えば現在形は、「今していること」ではなく、「普段の習慣」や「繰り返し起こること」を伝えるときに使う、と捉えた方が会話で役立ちます。
同じように受動態も、「〜される」と訳す文法ではなく、「誰がしたかより、その状態や結果を前に出したいときに使う」と考えた方が実践的です。
3. 単語ではなく、文の形で覚える
英語を会話で使いたいなら、単語単体ではなく、文ごと頭に入れておくのが近道です。
例えば、
- It happens.
そういうこともあるよ。 - Life goes on.
それでも人生は続いていく。 - I’ve been there before.
私にもそういう経験があります。 - That’s the way it is.
世の中そんなものだよ。
のような便利な表現です。こうした言い回しは、まずはひとかたまりで押さえておくだけでも会話で役立ちます。そこに「なぜそういう意味になるのか」という理解が加わると、覚えた表現を少しずつ応用しやすくなります。
「現在形」を会話の道具として捉え直してみる
文法を「話す道具」として見るとき、分かりやすいのが現在形です。
現在形というと、「今のことを言う形」と覚えている人も多いかもしれません。でも実際には、「過去・現在・未来すべてにまたがって繰り返し起こること」によく使われます。だからこそ、
- I worry too much.
私は心配しすぎるタイプです。 - He laughs easily.
彼はすぐ笑います。 - It happens.
そういうこともあるよ。
のような言い方が自然に成り立ちます。
現在形は「現在のこと」ではなく、「いつもそう」「そういう傾向がある」と捉えると、文法が急に会話に近づきます。必要なのは、新しい難しい知識を増やすことよりも、すでに知っている文法の見方を少し変えることです。
こうした学び方を、1冊で続けやすくしたのが『スピブン555』
ここまで紹介してきたような、「文法を会話のために捉え直す」学び方を、1つの項目だけでなく体系的に進められるようにしたのが、『スピブン555 スピーキングのための英文法帳』です。
本書は、受験で学んだ英文法を、英会話で使える形につなげたい人に適した1冊です。英文は読めるのに自分では組み立てられない人や、文法とスピーキングが頭の中で別物になっていると感じる人には、特に相性がいいでしょう。
本書は会話で役立つ文法項目だけで構成されており、46の文法項目を5つのChapterに分けて掲載。さらに、555の例文・ダイアログを通して、理解した内容を実際に使う練習へつなげられる作りになっています。音声とINDEXも用意されているので、目で読むだけでなく、耳と口も使いながら学習を進められます。
受験英語を、“話せる英語”につなげたい人へ
この本のよいところは、「受験英語は無駄だった」と言わないところです。むしろ、これまで学んできた英文法を、ほんの少し視点を変えて捉え直せば、会話を支える強い土台になると示してくれます。
著者の桑原雅弘氏は、これまで多くの参考書・語学書の制作に携わってきました。だからこそ本書にも、学習者がつまずきやすい点を踏まえた解説が随所に見られます。
単語は知っているのに、会話になると言葉が出てこない。そんな人は、新しい知識を増やす前に、今ある知識の使い方を変えてみるのがおすすめです。『スピブン555 スピーキングのための英文法帳』は、その最初の一歩を具体的に支えてくれる1冊です。
![スピブン555[音声DL付/PDFDL付]](https://m.media-amazon.com/images/I/71VVoppUZEL._SY385_.jpg)
