共通テスト英語リーディング対策|「読む型」「解く型」で時間内に解き切る勉強法

「共通テストの英語リーディング、時間が足りずに最後まで解き切れない」と悩む受験生は多くいます。限られた時間で得点を伸ばすには、「読む型」と「解く型」を身につけることが重要です。本記事では、それぞれの型について例題を通して丁寧に解説します。

この記事は、アルク刊『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』の内容をもとに、Web記事向けに再構成したものです。共通テストの英語リーディングで高得点を狙うための「読む型」と「解く型」を、記事用に補足しながら紹介します。

共通テスト英語リーディングの基本情報

【試験概要

項目内容
試験時間80分
配点100点
大問数8問

平均点の推移】

年度平均点
令和6年度51.54点
令和7年度57.69点
令和8年度62.81点

参考:令和8年度大学入学共通テストの出題教科・科目の出題方法等|大学入試センター
共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)|大学入試センター

共通テストが難しい理由

2021年、センター試験から共通テストへと進化したことで、英語の試験も大きな転換点を迎えました。中でも「英語リーディング」は、これまでの発音・アクセント、文法・語法といった知識問題が姿を消し、読解一本勝負へと劇的に変貌を遂げました。知識偏重型から総合的な読解力重視へ――もはや“読み切る力”が合否を左右する時代です。

英語上級者には有利になった一方、多くの受験生が直面するのは「膨大な分量を読み切れない」「情報処理問題の対策がわからない」「どこにヒントがあるのか迷い、時間だけが過ぎていく」といった新たな壁。加えて、過去問の少なさや2025年度からの形式変更が不安に拍車をかけています。

監修者・森田鉄也氏(『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)

リーディング対策の「読む型」と「解く型」

共通テスト英語リーディングは、複数の文書や図表・グラフを含む個性的な問題が多く出題されます。また分量も多いため、対策なしでは時間内に解き終えること自体が難しいです。

そこで重要になるのが、「読む型」と「解く型」の2つです。

「読む型」とは、問題文をムダなく・迷わず読み進めるための型です。たとえば、いきなり本文を頭から読み始めるのか、それとも先に問いを確認してから本文に戻るのか、こうした視線の動かし方や考える順番を決めておくのが「読む型」です。

問題文と設問を何度も行ったり来たりしてムダに時間を使うのではなく、最短ルートで正解にたどり着くための「目と頭の働かせ方」だと考えてください。

「解く型」とは、本文から読み取った情報を正解の選択肢にすばやく結びつけるための型です。「解く型」にはいくつかパターンがあり、設問のタイプごとに最適な型があります。それぞれに合った型を身につけておくことで、迷わず最短で正解にたどり着けるようになります。

次に、「読む型」と「解く型」を使って例題を解いてみましょう。

「読む型」を実践

例題を通して「読む型」を実践してみましょう。ここでの型が他の問題にも応用できる基本形になるので、しっかり習得しましょう。

※この章で使用する画像、文章は、『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用したものです。

①リード文から場面・状況を、英文タイトルや小見出しから全体像を把握する

問題にあたる前に、最初の状況の説明(リード文)を読み、場面や状況をイメージしましょう。英文がスーッと頭に入ってくるようになります。英文のタイトルや小見出しも先にしっかり読み、英文のタイプや内容の全体像をつかみましょう。

「あなたのアメリカのホストファミリーが小さいアクアリウムを買おうと計画していて、あなたは役立ちそうなパンフレットを見つけた」ということですね。パンフレットのタイトルと小見出しを確認し、「アクアリウムの装飾に関する初心者向けの広告」だと把握します。このように、先に全体像をつかんでイメージし、「自分事」として設定場面に没入しましょう

②設問を先読みする

本文を読む前に、まず設問を把握します。ただし、設問を読んでもその意味が正しく理解できていないと意味がありません。必ず丁寧に精読してください。主語と動詞が離れている、など文法的に複雑な文は特に時間をかけて、正確に理解するように努めましょう!ここで問われているキーワードにチェックを入れておくと、視覚的に見直しがしやすいのでオススメです。

The customers most likely to benefit from this pamphlet are( ). とありますが、主語と動詞が離れているのに気づいたでしょうか?このように文法的に複雑な場合は、以下のように英文にSVをつけたり修飾語を( )でくくるなどして読みましょう。

このように分析できるといいでしょう。most likely to benefit from this pamphletは「このパンフレットから恩恵を受ける可能性が最も高い」という形容詞のかたまりで主語The customers を修飾していると考え、「このパンフレットから恩恵を受ける可能性が最も高い顧客は( )だ」と解釈しましょう。

③本文を最初からしっかりと読み、 該当箇所を探す

設問で問われている該当箇所を探す姿勢で、本文を最初から読みます。飛ばし読みをすると文脈がつかめず、逆に読むスピードが落ちるので要注意。明らかに文脈が切れている、内容が分かれている、といった場合に限り、関係ないパートはまるっと飛ばして大丈夫ですが、その場合でも、該当箇所のパートは1文目からしっかり読むようにしましょう。

タイトルの1行目Beginners!「初心者の皆さん!」やタイトルの下Start your wonderful hobby of keeping fish by following these three easy steps!「魚を飼育するというすてきな趣味を、次の簡単な3ステップに沿って始めましょう!」より、初心者向けのパンフレットを読んでいるという設定だとわかりますね。

④先読みした問いに対する答えに見当をつける

該当箇所を見つけても、すぐ選択肢を見るのではなく、まずは自分で「こういう答えになるのでは」と見当をつけます。そうすると、不正解の選択肢で迷いません。

「初心者」のような選択肢がないかと選択肢を読んでいきましょう。「該当箇所と思われるところを確認したら(余計なところは読まずに)すぐに選択肢を確認する」のが正攻法です。

⑤選択肢を確認し、想定に最も近いものを選ぶ

最後に選択肢を読み、見当をつけていた答えに最も近い内容を選びます。読み間違いで落とすことのないよう、1文1文丁寧に確認しましょう

④newcomers who need to be informed about their aquarium「アクアリウムに関して情報を得る必要のある新規客」がピッタリだとわかります。④が正解です。

「解く型」を実践

本文や表の中にある解答の根拠となる表現が、選択肢ではよく「言い換え」られます。ここでは、「視線の型」を踏まえつつ「言い換えの型」をマスターし、より素早く正確に解けるようにしていきましょう。

※この章で使用する画像、文章は、『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用したものです。

① 「視線の型」を使う

「視線の型」が基本の型となります。上記の矢印を見て、読む際の目の動きを再度確認しておいてください。

② 「言い換えの型」その1:設問を「自分の言葉」にする

まず設問を読む段階で、問われている内容をしっかりと理解するようにしましょう。直訳して理解した気になるのではなく、「探す情報はつまりこういうこと」と自分の言葉で説明できる状態になっていることが大事です。

例えばOn what day was he born?とあったら、「何の日に彼は生まれたのか」と直訳した後、「つまり彼の『誕生日』を探せばいいんだな」と腹落ちする言葉にしておきましょう。選択肢を先に読む必要がある時は、選択肢も同様に自分の言葉にしておきます。

設問を読んだはずなのにすぐ内容を忘れたり、設問と本文を何度も往復したりする傾向がある人は、このわずかな工夫で劇的に時短できることがあります。試してみてください。

設問が短すぎるので選択肢をざっと見て共通点に目を向けましょう。それぞれ最初の一語は、a church「教会」、a unique football training facility「独特なフットボールの練習施設」、an art studio「芸術スタジオ」、an arts area「芸術エリア」ですべて「建物」ですね。

設問Yentonville has [3] .(イェントンビルは [3] を持っている)はつまり「イェントンビルにはどんな建物があるか」という問題だということですね。このように設問を自分の言葉にして理解しやすくしておきます

③ 「言い換えの型」その2:該当箇所を「自分の言葉」にする

本文を読み進め、該当箇所を見つけたら、これまた答えとなっている部分を自分の言葉で説明できる状態にします。例えば、return a callを、直訳の「電話を戻す」で捉えていると、言い換えの選択肢call backを選ぶのに時間がかかります。最初から、return a callを見た時点で、「電話をリターンする? あ、『かけ直す』か」と自分の言葉にしておくと、対応する英語表現と合致させやすくなります。

では、該当箇所を探していきましょう。The History Tourのところ1文目にSt. Patrick's Church「セント・パトリック教会」があるのでこの文を選択肢①と照らし合わせます。本文にはwhich was built when the city was established in the mid-1800s「1800年代半ばに当市が設立されたときに建設された」とあります。「市ができたときに作られた」とかみくだいて理解し、選択肢 ①を確認しましょう。「市が作られたとき」はよさそうですね。

「250年前に建てられた」はどうでしょうか。数字が言い換えられているときは必ず計算して合致しているか確認しましょう。問題文の一番下にJanuary, 2024とあるので、この情報は2024年のものです。1800年代半ばは約170年前となり、「250年前」とは大幅に開きがありますね。よって ①は不正解です。

④ 「言い換えの型」 その3:選択肢も「自分の言葉」でわかりやすく言い換える

序盤の問題の選択肢は、短い文やフレーズが多いです。1〜5単語程度の場合もあります。数語の短いフレーズの選択肢では文法的な誤訳はしないかもしれませんが、「わかった気になりやすい」という怖さがあります。自分の言葉でわかりやすく言い換えて、頭の中に状況が思い浮かぶくらいにしておくと、早く正解の選択肢を選ぶことができます。

次にThe Arts Tourのところです。1文目にthe Yentonville Arts District「イェントンビル芸術地区」とあるので、選択肢 ③のan art studio「芸術スタジオ」や選択肢 ④ のan arts area「芸術エリア」がこのパートに出てきそうです。ここでこの2つの選択肢をしっかり読んで自分の言葉で理解しておくといいでしょう

③はwhere visitors can create original works of art「来場者が独自の芸術作品を作ることのできる」→「来た人がそこでアート作品を作れる」のですね。 ④はwith both an art gallery and a concert hall「美術館とコンサートホールの両方を備えた」→「アートも音楽も楽しめる」エリアだということです。

2~3文目We will begin in the Art Gallery where .... After lunch, enjoy a concert across the street at the Bruton Concert Hall ....「…の美術館からスタートします。昼食後、通りの反対側のブルトン・コンサートホールでコンサートを楽しんで…」より、④が正解だとわかります。

③ は、5文目にスタジオの説明がありましたが、Watch artists at work in their studios「芸術家たちがスタジオで作業する様子を見る」、つまり「作業を見学する」としか書かれていなかったので、自分でアート作品を作る体験はできなさそうです。

なお、The Sports Tourのところで1文目にtheir open-air facility in the suburbs「郊外の屋外施設」とありますが、郊外というのは「市外」ということなので、選択肢②はin the center of the town「市の中心部」、が×です。また、unique「独特な」もおかしいですね。unique design「独特なデザイン」という言葉が使われているのは練習施設ではなくアリーナの方です。

2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』では、このような「型」を、16日間の学習で身につけられます。問題の流れをつかむ「読む型」と出題ポイントを攻略する「解く型」を繰り返し練習することで、設問に早く正確に答える得点力が養えます。最新の出題形式に全面対応し、得点直結の「言い換え表現」リストや実践模試も収録。共通テスト1カ月前からでも間に合う一冊となっていますので、ぜひ手に取ってみてください。

大問別の目標解答時間の目安

共通テスト英語リーディングの大問別の回答時間の目安は、以下のとおりです。

項目内容
第1問3分
第2問7分
第3問5分
第4問8分
第5問10分
第6問15分
第7問12分
第8問15分

共通テストの英語は分量が多く、限られた時間でいかに速く正確に処理できるかが得点を大きく左右します。情報処理のスピードを上げるには、常に時間を意識して素早く解くトレーニングを積み重ねることが欠かせません。

共通テスト対策を進める上での心構え

共通テスト対策を進める上で大事な心構えは、以下の3つです。

  • 文法・単語をおろそかにしない
  • 解説も読み込む
  • 「なぜ間違えたのか」を言語化して残す

文法・単語をおろそかにしない

まずは「時間無制限ならほぼ満点とれる」状態を目指して、英語を読む基礎となる「英文法」 と「英単語」を徹底的に身に付けてください。本書は最後の一押しとして「共通テスト力」を アップさせる位置づけの本なので、ある程度英語の素地があることを前提としています。

著者・斉藤健一氏(『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)」

解説も読み込む

共通テストのリーディングは、解いて丸つけをするだけでは力が伸びにくいものです。大切なのは、正解・不正解にかかわらず「なぜその答えになるのか」を解説で確認すること。

本文のどこが解答の根拠になるのか、なぜ他の選択肢が誤りなのかまで押さえておきましょう。刺さった説明には線を引き、何度も読み返すことをおすすめします。

「なぜ間違えたのか」を言語化して残す

解説はポイントをおさえる上で大事ですが、すぐに解説を読むのはやめましょう。間違えたとき、「なぜ間違えたのか」をまず自分の頭で徹底的に考え、分析してください。読み間違えたのは、設問なのか、選択肢なのか、本文なのか。どの部分が、なぜ読めていなかったのか。
原因を特定したらメモに残し、次に生かしていきましょう。

「著者・斉藤健一氏(『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』より引用)」

まとめ

共通テストの英語リーディングで高得点をとるには、型が重要です。問題の流れをつかむ「読む型」と、出題ポイントを攻略する「解く型」の2つの型をマスターし、早く正確に解答できる得点力を養いましょう。

『2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング』では、このような「型」を、16日間の学習で身につけられます。最新の出題形式に全面対応し、得点直結の「言い換え表現」リストや実践模試も収録。共通テスト1カ月前からでも間に合う一冊となっているため、ぜひ手に取ってみてください。

2026年版 1カ月で攻略! 大学入学共通テスト英語リーディング
森田 鉄也 監 斉藤 健一 著

構成・文:土屋なな

2026 06
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