「英語でどう自己紹介すればいいか分からない」そんな苦手意識を抱くビジネスパーソンは少なくありません。第一印象は会って間もないうちに形づくられるため、その場の思いつきで話すと、実力や人柄が伝わらないまま終わってしまいます。逆に、何をどの順番で話すかをあらかじめ押さえておけば、誰でも落ち着いて好印象を残せます。本記事では、自己紹介の基本の型からシーン別の例文、所作のコツ、つなぎフレーズまでを解説します。読み終えれば、初対面の相手ともスムーズに関係を築けます。
なぜビジネス英語の自己紹介は「型」と「準備」で決まるのか
初対面では、限られた時間で何をどう伝えるかが印象を大きく左右します。
よくある失敗が、「名前と部署」だけを早口で伝えて終わるパターンです。相手には担当業務も伝わらないまま会話が途切れてしまいます。
落ち着いてスマートに自己紹介するためには、「型」と「準備」の二つが欠かせません。型とは、話す順番のこと。準備とは、決めた内容を声に出して練習しておくことです。型があれば迷わず話し出せ、準備しておけば本番でも言葉に詰まりません。
自己紹介の基本構成【名前→所属・役職→担当・実績→結び】
ビジネス英語の自己紹介は、次の4つの要素を順番に並べるだけで、誰が聞いても分かりやすい構成にまとまります。
- 名前・呼び名の伝え方
- 所属・役職と会社紹介
- 担当業務・実績を一言で
- 結びのひとこと(Nice to〜/I look forward to〜)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
名前・呼び名の伝え方
フルネームをはっきりと短く伝え、呼んでほしい名前を添えるだけで十分です。
基本形は "Hello, I'm Kenji Tanaka." や "My name is Kenji Tanaka." のシンプルな一文で問題ありません。
日本語名は相手にとって発音しにくい場合があるため、"Please call me Ken." のように呼んでほしい名前を伝えておくと、その後の会話がよりスムーズになることがあります。
フォーマルな場面では、"Good morning. My name is Kenji Tanaka. It's a pleasure to meet you." と丁寧に名乗ると好印象を与えます。
カジュアルな場面では、"Hi, I'm Ken. Nice to meet you." と軽やかに切り出すと自然な流れをつくれるでしょう。
所属・役職と会社紹介
基本形は "I'm a marketing manager at ABC Corporation." (ABC社でマーケティングマネージャーをしております。)のように、役職と会社名をつなげて伝えます。
勤務地や所属拠点に触れたい場合は、"I work at the Tokyo office." (東京オフィスに勤務しております。)と場所を示すと親切です。
初対面では会社概要を一言添えると、相手の理解が進みます。たとえば "We're a mid-sized company that develops educational software."(当社は教育向けソフトウェアを開発する中堅企業です)のように、業種・事業をまとめて伝えます。
勤務先を表す表現は、何を強調したいかで使い分けるとよいです。
| 表現 | 強調するポイント | 例文 |
|---|---|---|
| work for | 雇用主・組織への所属 | I work for ABC Corporation.(ABC社に勤めています) |
| work at | 働く場所・拠点 | I work at the Tokyo office.(東京オフィスで働いています) |
| work in | 部署・業界・分野 | I work in the sales department.(営業部で働いています) |
担当業務・実績を一言で
担当業務は "be in charge of" などの表現で示し、経験年数や実績を一言添えると、話に説得力が生まれます。
基本形は "I'm in charge of overseas sales. (海外営業を担当しています)" や "I'm responsible for product development. (製品開発を担当しています)" のように、担当領域を明確に伝えます。
経験を添えたいときは、"I've been working in this field for eight years. (この分野で8年間働いています)" のように年数を示すと、経験のイメージが伝わりやすくなります。
役職名だけで終わらせず、以下のように相手にとっての価値を一言足すと、あなたの強みが具体的に伝わります。
- I'm in charge of digital marketing, and I've helped increase our online sales by 30% over the past two years.
(デジタルマーケティングを担当し、過去2年でオンライン売上を30%伸ばすことに貢献しました) - I support overseas clients, helping them find the right products for their needs.(海外のお客様を担当し、ニーズに合った製品選びをお手伝いしています)
結びのひとこと(Nice to〜/I look forward to〜)
締めは「会えて嬉しい」と「今後よろしく」の2種類を押さえておけば、どんな場面でも前向きに終えられます。
"Nice to meet you."(はじめまして)や "It's a pleasure to meet you."(お会いできて光栄です)は定番表現で、特に初対面の挨拶として自然に使えます。自己紹介の最後に添えて、前向きに締めることもできます。
今後の関係に触れるなら、"I look forward to working with you."(今後ともよろしくお願いします)が便利です。
なお、look forward to の後ろは動詞の原形ではなく "-ing" が続きます。"work" ではなく "working" と覚えておきましょう。
抱負を込めて締めたいときは、"I'm excited to be part of this project and hope to contribute to our success."(このプロジェクトに関われることを嬉しく思い、成功に貢献したいと考えています)のように、意気込みを一言添えると好印象です。
【シーン別】そのまま使える自己紹介 例文集
自己紹介は場面によって最適な長さやトーンが変わるため、シーン別に型を用意しておくと安心です。
ここでは、ビジネスで頻度の高い4つの場面を取り上げます。
- 初対面・取引先(1対1)
- 会議・プレゼン冒頭(複数人の前)
- オンライン会議
- 【メール】英文での自己紹介の書き出し
それぞれ詳しく見ていきましょう。
初対面・取引先(1対1)
1対1の初対面では、相手の慣習に合わせて、握手や会釈を交えながら「挨拶→名前→所属→結び」を短くまとめるのが基本です。相手も名乗る時間を必要とするため、自分の話は簡潔にとどめ、長々と続けないよう意識しましょう。
名前と所属、そして「会えて嬉しい」の一言があれば、最初のやり取りとして十分に成立します。
会話例を挙げます。
A: "Hello, I'm Yuki Sato from Sato Trading. It's a pleasure to meet you."
(こんにちは、サトウ商事の佐藤ユキです。お会いできて光栄です。)
B: "Nice to meet you, Yuki. I'm Tom Brown from Global Foods."
(はじめまして、ユキさん。グローバルフーズのトム・ブラウンです。)
A: "I'm in charge of overseas sales. I look forward to working with you."
(海外営業を担当しております。どうぞよろしくお願いいたします。)
最初のひとことで名前と会社を伝え、最後に前向きな結びを添えれば、好印象を残しながら本題へ移れます。笑顔とアイコンタクトを添えると、短い言葉でも温かい印象が相手に伝わります。
会議・プレゼン冒頭(複数人の前)
複数人の前では、まず全体へ呼びかけて注目を集め、名前と立場を伝えてから本題に入ると流れがスムーズです。
会議で発言する前には、"Good morning, everyone. For those who don't know me, I'm Yuki Sato from the marketing team."(皆さん、おはようございます。初めての方もいるかと思いますが、マーケティングチームの佐藤ユキです) と一言名乗ると、初対面の参加者にも配慮が伝わります。
プレゼンの冒頭では、感謝の言葉から入ると場が和みます。
"Thank you all for coming. My name is Yuki Sato, and today I'll be presenting our new product strategy."(本日はお集まりいただきありがとうございます。佐藤ユキと申します。本日は当社の新しい製品戦略についてご説明します) のように、名前と当日のテーマを続けて示すと、聞き手が心の準備を整えられます。
大人数を前にすると早口になりがちなので、意識してゆっくり話すと、落ち着いた印象を与えられます。
オンライン会議
オンライン会議では、接続と音声を確認してから、明るい第一声で簡潔に名乗るのが基本です。
開始直後は、"Can you hear me?"(聞こえていますか?)と音声を確かめると、トラブルを未然に防げます。相手に届いているか不安なときは、"Let me know if my audio cuts out."(音声が途切れたら教えてください)と伝えておくと安心です。
カメラ越しの第一声は、対面以上に明るさが伝わりにくいため、笑顔とはっきりした声を意識しましょう。"Hi everyone, good to see you all. I'm Yuki Sato, joining from Tokyo." (皆さん、お会いできて嬉しいです。東京から参加している佐藤ユキです)のように、名前と参加場所を短く添えると自然です。
画面越しでは情報が伝わりにくいぶん、対面よりもさらに簡潔さを重視すると、聞き手の集中を保てます。
【メール】英文での自己紹介の書き出し
英文メールの自己紹介は、件名で用件を示し、書き出しで名前と所属を名乗ってから用件へつなぐと、相手が安心して読み進められます。
件名は "Introduction – Yuki Sato, ABC Corporation"(自己紹介 ― ABC社 佐藤ユキ)のように、名前と会社を入れて一目で分かる形にしましょう。
初めて連絡する相手には、"Dear Mr. Smith, My name is Yuki Sato, and I'm a sales manager at ABC Corporation."(スミス様、ABC社で営業マネージャーを務めております佐藤ユキと申します)と丁寧に名乗ります。
続けて、"I'm writing to you regarding our new service."(このたびは弊社の新サービスの件でご連絡いたしました)のように用件へつなげると、読み手が要点を素早くつかめます。
英文メールの書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。
印象を左右するマナーと所作(握手・声・スピード・長さ)
自己紹介の印象は、話す内容だけでなく、握手・声・スピード・長さといった所作によっても大きく変わります。
握手は、相手の目を見て、適度な力でしっかり手を握るのが基本です。弱すぎても強すぎても違和感を与えるので注意しましょう。声は、少し大きめではっきりと、明るいトーンを心がけると自信が伝わります。
話すスピードは、緊張すると速くなりがちなので、意識してゆっくり話すくらいがちょうどよいです。長さは、1対1のあいさつなら20〜30秒、会議やプレゼンでの自己紹介なら1分程度が目安。要点だけを簡潔に伝えると、相手の集中が続きます。
加えて、視線は相手に向け、背筋を伸ばした姿勢を保つと堂々とした印象を残せます。
詰まってもリカバリーできる「つなぎ」フレーズ
英語に詰まっても、つなぎフレーズをいくつか覚えておけば、沈黙を防ぎながら落ち着いて話を立て直せます。場面ごとに、使えるフレーズを整理します。
【考える時間がほしいとき】
- Let me think for a moment.(少し考えさせてください)
- How should I put this?(どう言えばいいでしょうか)
【聞き取れなかったとき】
- I'm sorry, could you say that again?(すみません、もう一度おっしゃっていただけますか?)
【言い方を直したいとき】
- What I mean is ...(つまり、私が言いたいのは…)
- Let me rephrase that.(言い方を変えますね)
【質問にすぐ答えられないとき】
- That's a good question.(良いご質問ですね)
大切なのは、完璧な英語を話そうと気負わない姿勢です。多少つまずいても、笑顔で言い直せば会話は十分に伝わりますので、安心して臨みましょう。
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まとめ
ビジネス英語の自己紹介は、「名前→所属・役職→担当・実績→結び」の型と少しの準備さえあれば、英語に自信がない方でもスマートに乗り切れます。初対面、会議、オンライン、メールと場面は変わっても、基本の型は共通しています。
まずは本記事の例文を声に出し、自分だけの自己紹介を1つ完成させてみてください。

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