「英語多読ニュース」(12月4日号)で取り上げるのは「絶景」。InstagramやFacebookに投稿された「冒険写真」が人を呼び、その人たち訪れて撮った写真がさらに人を呼ぶ。北欧の国ノルウェーの絶景の今を教えるニュースを紹介します。
インスタのおかげで観光客が激増・・・はいいこと?
その昔、カメラを首からさげる日本人が海外でからかわれた時代がありました。今は世界中どこの人も、旅行をすれば(しなくても)スマートフォンで写真をじゃんじゃん撮る、そしてSNSにアップする時代になりました。
渋谷ハチ公前の交差点で記念撮影をする外国人旅行客が多くなったことに驚いている筆者ですが、人がなかなかたどり着けなかった、いわゆる「絶景」といわれる場所でさえ、今やInstagram-worthyな(Instagramに投稿するに値する)写真を撮る人であふれかえっているそうです。
今回紹介するのは、そんなノルウェーの絶景スポットに関する記事。トップ画像にも写っているTrolltunga(トロルトゥンガ)という名所を取り上げています。
Jutting 2,300 feet above the north side of Ringedalsvatnet lake, the natural rock formation resulted from receding glaciers that broke off large, angular blocks from area mountains.リンゲダルスヴァトネット湖の北側の上空、2,300フィート(約700メートル)に突き出した天然の岩層は、一体の山々の鋭角な一角から氷河が後退して出来上がった。www.cnbc.com
その突き出した岩の上(景観を守るため、柵も設置されていないそうです)で、「冒険している!」感を出す写真をインターネット上でよく見かけます。その写真を見て、「自分もinstagrammable(映える)な絶景でselfie(自撮り写真)を撮りたい!」と多くの人が思うようになり、今や来訪者の数はうなぎ上りに増えているそうです。
A decade ago, fewer than 800 people a year traveled to Trolltunga. Next year, that figure ’s expected to hit 100,000.10年前トロルトゥンガを訪れる人は年間800人にも満たなかった。来年、その人数は10万人を超えると見込まれている。記事によれば、2019年現在、この場所に行く唯一の手段は徒歩しかありません。 拠点 の村から10~12時間かかるそうで、山歩きの装備も本格的なものが必要です。
そしてさらに目的地にたどり着いたハイカーを待ち受ける、衝撃の事実が!
Travelers who arrive from June to September should mentally prepare for an average wait of 60 to 90 minutes for a photo opp.6~9月(ハイシーズン)にやってくる旅行者は、撮影の順番を平均して60~90分待つ心構えをしておく必要がある。なんと・・・。並んで待つのが嫌いな人にはつらい(どんな様子かは紹介している 元記事 が掲載している写真をご覧ください)。( ちなみに photo oppの「opp」は opportunity が短縮された単語です。)
地元の人たちにとっては、「多くの観光客が来る=経済的にうるおう」ですから、旅行客が最低限のマナーさえ守れば歓迎・・・と言いたいところでしょうが、さすがに小さな村で年間10万人は多い――国もそう考えたようで、今は「人が 少ない 絶景」を関係機関で紹介しているそうです。
The country is actively helping to disperse crowds by promoting lesser-known gems that don’t get as much social media love. It’s enticing travelers to the “Top 11 places with less people, more space” and “10 lesser-known Instagram-worthy spots.”国は積極的に人込みを分散させようと、ソーシャルメディアではまだそれほど注目されていない、知る人ぞ知る絶景を紹介している。旅行者を「人が少なく余裕がある11の場所」や「知る人ぞ知るインスタ写真向けスポット10」などに呼び込んでいる。www.visitnorway.com www.visitnorway.com
紹介されているどの場所も雄大な自然がとても魅力的です。大自然の中、素晴らしい景観とおいしい空気。都会生まれ、都会育ちの筆者としては、そんな贅沢を人生で一度は味わってみたいです。
文:山本高裕(GOTCHA! 編集部)
高校の英語教師を経て、今は編集者として、ときに写真家として活動中。大自然を味わいたい!と思う反面、 すぐに 退屈してしまうのでは・・・と思う都会生まれです。
SERIES連載
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