形式的で意味がない!外国人部下から定例会議に不満の声が・・・

世界を相手にビジネスを行うためには、英語力だけでなく、多様な文化を受け入れるグローバルマインドセット、つまり視野の広いもののとらえ方が必要となります。本コラムでは経営コンサルタントのロッシェル・カップさんに、グローバルマインドセット獲得のヒントを教えていただきます。

会議の進め方について部下から不満が!

あなたはオーストラリアにある日系企業の駐在員です。

最近、一人のオーストラリア人がシニアマネージャーとして入社し、あなたの部下になりました。

あなたの会社では、幹部チームの会議は非常にフォーマル(形式的)で、席も決められています。通常、 事前に 決定された項目以外の話はされません。

オーストラリア人部下とともに幹部チームの会議に参加したところ、彼は会議のスタイルにいら立ちを感じたようで、 あなたに文句を言ってきました。「われわれはやらなければならないことが山積みだ。些細(ささい)なことで時間を無駄にできない」。

彼の不満に対して、どのように対応すれば良いでしょうか?

【a】日本の文化では会議がなぜフォーマルであるかを説明する 【b】会議がそれほどフォーマルである必要がある かどうか 、もう一度検討する姿勢を示す 【c】会議をもっと効率的にするための方法を 提案する よう彼に依頼する
日本企業では会議がフォーマルなのは普通のことです。幹部チームの会議なら、なおさらフォーマルであることが期待されます。

そのため日本人からすると、部下のこのような文句は 予想 外かもしれません。オーストラリア人の部下がなぜいら立ちを感じたかを理解するためには、文化的背景の違いを考える必要があります。

フォーマルであることをどう捉えるか

上記のチャートで見られるように、フォーマル度 に関して 文化間の違いが見られます。 左側の文化に属する人は、適切なエチケットと礼儀をわきまえることが重要であると思っています 。それがないと居心地悪く感じます。また、儀式的な慣行を好みます。

日本はそういった国の一つなので、前出のケースのようなフォーマル度の高い会議の慣行は珍しくありません。

一方、 右側にある文化ほど、よりカジュアルな雰囲気を好みます 。エチケットや決まった 手順 は重要ではないと思っています。リラックスした雰囲気を重視し、儀式的慣行は不必要と感じます。

こういった文化に属する人は、形式的なことより、実際にしようとしていること(ビジネスの目標など)に重点を置いた方がいい、というプラクティカルな考え方を持っています。こういった考え方が、オーストラリア人の不満の根底にあるのです。

ようするに、ただ文句を言いたかったわけではなく、 フォーマルな行動が効率的ではなく、目標達成を妨げているのではないかという疑問を持っていたから文句を言った のです。

より意味のある会議にするために

このような文化的背景を踏まえると、上記の3つの選択肢の中でどれが最も適切でしょうか? 私は、3つともすべて行うのが最適だと思います。

まず、【a】のように、オーストラリア人マネージャーになぜその会議習慣が日本人にとって重要なのか、説明する必要があります。日本人はそのような習慣を何の理由もなしで行っている訳ではなく、それを心地よく感じていることをオーストラリア人は(理解できなくても)知っておいた方がよいでしょう。

その一方、【b】のようにオーストラリ人の意見にも耳を傾け、日本で使われている会議慣行が本当にすべて必要 かどうか を再考するのは良いことかもしれません。

そして【c】のように彼に提案を求めれば、 良いアイデアが生まれる かもしれない し、彼の態度をより建設的に変えられるでしょう。彼に「日本人のフォーマル好きとオーストラリア人のフォーマル嫌いのギャップを埋める対策を考えてください」というふうに依頼すれば、彼の思考力を刺激できるはずです。

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    執筆:ロッシェル・カップ
    ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング社 社長。
    異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタントとして、日本の多国籍企業の海外進出とグローバル人材育成を支援している。イェール大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営学院卒業。日本語が堪能で、『 反省しないアメリカ人をあつかう方法34 』(アルク)、 『英語の品格』 (集英社) をはじめ、著書は多数。朝日新聞等にコラムも連載している。

    編集:GOTCHA!編集部

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