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ティール(teal)は色を示す言葉。ざっくり言えば「青緑」
ティール(teal)は色を示す言葉。ざっくり言えば青緑です。Googleでイメージ検索すると、こんな画像が表示されます。きれいな色ですね。
wikipediaでの説明は次のとおり。緑と青の中間、とあります。
Teal is a medium blue-green color, similar to cyan. Its name comes from that of a bird?the common teal ? which presents a similarly colored stripe on its head.
また、後半に出てくるcommon teal はこちら。コガモ、です。確かに頭の部分にきれいな青緑がありますね。
印刷ではおなじみのシアン(cyan)に近いとの説明もありますが、他には、ターコイズ(turquoise)やアクア(aqua)も近いです。
Tealはなぜ話題に?
Tealが話題になったのは今月(2018年1月)に出たばかりのビジネス書『ティール組織』がヒットしているため。
いくつかのブログを中心に、刊行前からかなり盛り上がっていた書籍なので、ビジネス書読みの間では「ついに出た!」という感じのタイトルです。
原書は発売後またたくまに世界中に広がり、12カ国語、20万部を超えるベストセラーになったそうです。日本語版もさっそく大きな反響を得ているようで、Amazonではビジネス書で1位、和書総合でも上位にランクインしています。(「発売前重版」と書かれた新聞広告も、つい最近、見かけましたよ)
で、ここでは「teal」はどういう意味?
お気付きの方もいるかもですが、原書のタイトルを直訳すると「組織を再発明する」となりそうですが、邦題は上記のとおり『ティール組織』。ベストセラーのキーワードとしてtealが選ばれているわけなので、ここでのtealには「青緑」以上の意味がありそうです。
新しい組織のあり方を象徴する色がteal
きちんとした理解は本を読んでいただくとして、 原始的なものから徐々に進化してゆく「組織のあり方」の、もっとも発展した形を象徴する色 として、tealが選ばれているため、書名にもなっています。
他の色、つまり、今までの組織とtealな組織との違いを図にすると、このようになります。下から上へと進化する、と考えればOKです。
下から順に、このように理解するとわかりやすいかもしれません。
- Redは肉や血の色:不良やヤクザの組織。衝動的な欲求が満たすための集まり。「恐怖」や「脅し」で統制。
- Amberは軍服の茶色:軍隊、教会、学校など。集団の規範に忠実であることが重視される組織。身分の上下で物事が進む。
- Orangeは果実(成果):定義された成果を目指して邁進する組織。近代的な企業。雇用関係による「アメとムチ」のマネジメント。
- Greenはスターバックス:理念によって運営される組織。多様性を重視し、権限移譲にも積極的。メンバーを「キャスト」や「パートナー」と呼んだり、合宿に積極的だったりする組織。
- Tealは生命がうまれる海の色:Greenがさらに進化したもの。ボスのいない、自律的な組織。組織の目的も、集まったメンバーにより進化する。メンバーの生きがいをサポートする/しあう組織。
ちなみに 、このような 整理 の仕方自体は、ケン・ウィルバーの「スペクトラム理論」が下敷きになっているようです。
Tealな組織は日本にもある?どうやって作れる?
Redな会社(というよりブラック?)で働くのはもちろん避けたいものですが、ガチガチで昭和的なamberな会社を魅力的と思う人は 少ない でしょうし、「アメ」は欲しくてもギスギスしそうなorangeなだけな企業も、それほど魅力的には見えないかもしれません。
Greenは、十分魅力的にも思えますが、どうでしょうか?企業の例としてはスターバックスやサウスウェスト航空があてはまりそうです。
いろいろなポイントがありますが「企業に利益をもたらす顧客満足は、従業員の満足があってこそ得られる」という前提で組み立てられるのがgreenな組織。
Greenでも十分に新鮮というか、先進的な印象がありますが、それをさらに進めたtealな組織とは、 具体的に はどんなものでしょう。
ホラクラシー(holacracy)とだいたい一緒?
ひとつの例としてわかりやすいのが、ザッポス(Zappos)。以前から、自由な働き方がニュース的にとりあげられることが多い会社ですが、階層構造を廃す「ホラクラシー」の先進的な 取り組み でも有名です。
ザッポスのホラクラシー導入は、いま全米でも注目を浴びている。ホラクラシー(holacracy)は、肩書き・役職のヒエラルキーのもと階層構造で中央集権型で意思決定する従来の組織と真逆で、上下関係はなく組織全体に権限を分散させ意思決定させ、自走する組織をつくるための手法だ。
数は少ないですが、日本にも、ホラクラシー型の組織運営を実践している例はあります。
ホラクラシー型組織で8年経営してみた。 - Kozo Takei's Blog(武井浩三のブログ) | 日本で最初のホラクラシー企業 ダイヤモンドメディア株式会社
前述したように、Tealな組織ではその目的さえも自律的にアップデートされる(べき)と捉えると、ホラクラシーではまだ足りないのかもしれません。
本もwikiもおすすめ
詳しい理解や実践の手引きとしては、書籍ももちろんですが、wikiもおすすめ。えらい充実っぷりです。
https://reinventingorganizationswiki.com/
執筆:泉 勝彦
SERIES連載
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