先日、TOEICで680点を取りました。やはりテストは毎回受けるべきですか?

TOEIC(R) L&R対策のカリスマ指導者・ヒロ前田さんが、学習者の「TOEICテストあるある」疑問や質問、悩みなどの相談にスッキリ、バッサリ答える連載「TOEICお悩み相談室」。今回は、公開テストを毎回受けるべき かどうか を悩んでいる方をバッサリ!

今回のご相談

先日、680点を取りました。やはりテストは毎回受験したほうがいいのでしょうか?

――会社員(20代・男性)/TOEICスコア 680点

ヒロ前田の回答:

好きにしてください。

バッサリ辛口の解決策

あなたに必要なのは「運」ではありません。

受験目的を言わずに、「毎回受験するべきか?」と質問するとは、一体どういうつもりでしょう。あなたは何のためにTOEICを受験しているのですか。それが一番大事なことです。

例えば、特定のスコアを取る必要があるのですか?会社で730点 取得 を義務付けられているならば、あと50点必要ですよね。であれば、そのための努力をしてください。毎回受験しても、 力が伸びていなければ結果はついてこない ですよ。

まさか「マーク式だから運よく50点アップするかも」なんていうことを考えているんじゃないでしょうね。

あなたに必要なのは運ではなく実力です。リスニング力も語彙力もまだまだでしょうから、しっかりと勉強してください。

ただ単に受験しまくっても無意味 です。

結果を見てあれこれ言い訳するくらいなら、半年から1年は受験せずに、ひたすら英語を勉強するべきです。

ただ測定を続けることに意味はありません。

やるのは英語の勉強ですよ。「どうしようもないサラリーマンの私が3週間で200点UPを達成した7つの方法」のような「日本語の本」を読みまくっても、意味がありません。あなたのスコアは下がるだけです。

いいですか。テストは体力測定みたいなものです。丈夫で健康な体がほしいと思ったら、そのためのトレーニングが必要ですよね。 トレーニングをせずに体力を測定しまくっても良い結果は出ない のです。

TOEICのスコアを上げたいのであれば、上げるためのトレーニングを積んでください。受験回数は関係ありません。

もし、趣味としてTOEICを受験しているのであれば、毎回受けるのもよいでしょう。公開テストだけで年10回も 実施 されていますから、楽しみ方はいくらでもあります。

47都道府県で受験するのも馬鹿馬鹿しくて楽しそうですし、そんなことをやった人はこの世にいないはずです。または、韓に行って受験するのもありです。

要は、「楽しければ何でもあり」です。

趣味で受験するのであれば、好き勝手にやるべきです。人に質問している場合ではありません。

スッキリ優しい解決策

積極的な姿勢は称賛に値します。

TOEICを毎回受けることを検討しているのですね。素晴らしいことです。

多くの受験者は、年に1回か2回しかTOEICを受けません。しかも、仕方なく受験しているだけです。そのような消極的な人とは違い、あなたは毎回受験することを考えているのですから、それだけでも称賛に値します。

あなたが知りたいことは「頻繁に受験することはスコアアップに役立つ かどうか 」ですよね。

TOEICはあくまでもテストですから、受験するだけで自動的に実力が伸びるわけではありません。そうではなく、 伸ばした実力を数字で証明してくれるのがテスト です。

ですから、まず、実力を伸ばすことを考えることが大切なのです。つまり、 英語力を高めるトレーニングを積む のです。

その 前提 があれば、受験する頻度は重要ではありません。毎回受験しても構いませんし、半年に1度だけでも全く問題ありません。

自分の行動の振り返りとして活用しましょう。

もし、毎回受験する場合は1つお勧めしたいことがあります。それは、 具体的な テーマを設定し、調査する ことです。

例えば、リスニングのパート3とパート4の練習に力を入れている時期に受験したのなら、その2つのパートの正答率を確認しましょう。そうすれば、あなたの努力に対する成果を知ることができます。 スコアではなく「項目別正答率」を見る のです。

仮に、前回と比べて、リスニングのスコアが350点から390点に伸びたとします。この場合、 伸びた40点をどのパートで稼いだのかを調べる ことが大事です。

もし「項目別正答率」の1番目と3番目が前回と同じで、2番目と4番目が大きく変化していれば、パート3とパート4で稼いだことになります。そのような確認ができたら 安心 できますし、何より自信につながります。

ところが、2番目と4番目が前回と変わっていないならば、努力に対する成果が出ていないと言えます。もしかすると、学習の精度が甘かったり、復習量が足りなかったりしたのかもしれません。場合によっては、教材を見直すべきタイミングが来たのかもしれません。

このように調査をすることは、結果がどうだったとしても、 自分が取った行動を振り返る良い機会になる でしょう。

確認は3カ月~半年に一度で十分です。

ただし 、注意すべきことが1つあります。毎回受験する場合、地域によっては年10回も受験することになるため、ほぼ毎月、受験結果を見ることになります。

「パート3とパート4を練習し、成果確認をする」とテーマを設定し、努力したとしても、成果を毎月確認する意義はありません。なぜなら、 英語力や得点力はそれほど頻繁に変わるものではない からです。

3カ月か半年に1度くらい確認すれば十分です。もちろん、受験することが好きになった場合は毎回受験して問題ありません。ただ、その場合は毎回の結果に一喜一憂してはいけないということです。

Test 対策セミナー」開催(T’z英語ラウンジより)">「第2回TOEIC Speaking Test 対策セミナー」開催(T’z英語ラウンジより)

大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」では、TOEIC Speaking Test の対策セミナーを 実施 します。6時間で全セクションを効率よく学べる貴重な機会です。スピーキング指導のプロである冨田三穂先生から必ず効果のあるノウハウを吸収してください。好評につき満席となっていますが、キャンセル待ち登録をすることで、次回以降の先行案内を入手可能です。

詳細は、T’z英語ラウンジ公式ウェブサイトをご覧ください。

TOEICお悩み相談室バックナンバー
ヒロ前田さんの著書
【新形式問題対応/CD-ROM付】 TOEIC(R) L&Rテスト 至高の模試600問
  • 作者: ヒロ前田,テッド寺倉,ロス・タロック
  • 出版社/メーカー: アルク
  • 発売日: 2017/07/21
  • メディア: 単行本
【新形式問題対応】TOEIC(R) L & R テスト 究極のゼミ Part 5 & 6
  • 作者: ヒロ前田
  • 出版社/メーカー: アルク
  • 発売日: 2017/02/28
  • メディア: 単行本
【新形式問題対応】TOEIC L&R テスト 究極のゼミ Part 7
  • 作者: ヒロ前田
  • 出版社/メーカー: アルク
  • 発売日: 2017/05/30
  • メディア: 単行本

ヒロ前田(ひろ まえだ)

TOEIC受験力UPトレーナー。神戸大学経営学部卒。大人のための勉強スペース「T’z英語ラウンジ」経営。2003年5月に講師として全国の企業・大学で指導を開始。2005年にはTOEICを教える指導者を養成する講座をスタートし、トレーナーを務めている。2008年グランドストリーム株式会社を設立。TOEICの受験回数は100回を超え、47都道府県で公開テストを受験する「全国制覇」を2017年5月に達成。 取得 スコアは15点から990点まで幅広い。著書に『TOEICRテスト 究極の模試600問』(アルク)、『TOEICRテスト900点。それでも英語が話せない人、話せる人』(KADOKAWA)、共著に『TOEICRテスト 新形式問題やり込みドリル』(アルク)等がある。
●TOEIC受験者必読メルマガ
https://hiromaeda.info/

【Santaアルク】3分でできる英語力診断

AIが弱点・伸びしろ・TOEICスコアを予測

  • Santaアルクを使って学習しているユーザーは世界で800万人以上!
  • 20時間の学習で平均165点のスコアアップ実績
  • AIがユーザーのTOEICスコア・弱点・伸びしろを診断し、個別最適化されたカリキュラムを提供

SERIES連載

2024 11
NEW BOOK
おすすめ新刊
名作に学ぶ人生を切り拓く教訓50
詳しく見る