現在形、過去形、現在完了形……。学校で一通り習ったはずなのに、実際に自分で英語を書いたり話したりしようとすると、時制をどう表せばいいのか迷ってしまうことはありませんか?この連載では、あらためてじっくり時制と向き合い、問題を解きながら、時制に対する感覚を研ぎ澄ましていきましょう!第1回では、知っているようで意外と奥深い「現在形」を取り上げます。
目次
動詞と時制
英語で文を作るときになくてはならないものの一つに「動詞」があります。
動詞は動きを表すだけでなく、物事の状態などを伝えるのにとても大切な品詞です。それに加えて動詞はその形を変化させることで「いつ」の出来事なのか、それが今も続いているのかそれとも完了しているのかなど非常に多くの情報を与えてくれます。
だからでしょうか、動詞の形を使い分けるのって結構苦労しますよね。
こういった情報は英文法では「時制」と「相(またはアスペクト)」と言われますが、わかりやすく一つにまとめて、馴染みのある「時制」という名称を使うことにしましょう。
この連載では動詞が担う「時制」をじっくりと学び直します。
知識を整理しながらいっしょに「時制神経」に磨きをかけていきましょう!
並べ替え問題に挑戦!
Q. 次の語を並べ替えて意味のとおる英文を完成させてください。
※ 文頭の文字も小文字で書かれています。comes / the / here / bus
どんな並べ方にしましたか?(答えは後ほど…)
現在形の基本をおさらいしよう
現在形:一般動詞の原形(主語が三人称単数のときはsを付ける)
be動詞のis、am、are
一般動詞であれば単語をそのままの形で使えばいいので、形自体はそこまで複雑ではありません。
(1) I study Chinese these days.
(最近は中国語を勉強しているよ)
(2) My father usually reads in bed.
(お父さんはよくベッドで読書をします)
(3) I know you are very smart.
(君が賢いっていうことは知ってるさ)
例文中のstudyもreadも今行っていること、というよりはむしろ普段から習慣的に行っていることを表しています。knowも今だけ知っているというのではなく、ずっと知っている状態が続いていることを意味しますし、「君が賢い」というのも一時的なものではありません。現在形は「習慣的」「恒常的」なことを表すのが基本だからです。
動詞そのままでも習慣を表すことはできますが、(1)、(2)にあるように時を表す副詞を使うことで頻度や時期をより明確に伝えることが多いことは忘れてはいけません。現在形と使われることが多いものとして、always(いつも)、often(よく)といった頻度を表したり、every day(毎日)、once a month(月1回)などより具体的な時を表したりする語句などがあります。
「今」目の前で起こっている出来事を表すこともある?
「現在形」という名前なので本来は当たり前なのかもしれませんが、現在形は「習慣」だけでなく、「現在の状態」や「目の前の出来事」を描写するときにも使われます。
(4) I am really happy!
(私、本当に幸せなの!)
(5) I see your point, but I don’t think it’s possible.
(おっしゃることは分かりますが、本当にできるとは思えません)
(6) Here comes the sun.
(お、太陽が出てきた)
(4)の例文は自分がいつも幸せなやつだと言っているのではなく、今のことを伝えています。(5)では相手の言っていることを「一応、今は理解していますよ」とこちらも現在のことについて述べています。(6)はhereを文頭に出して語順を倒置させることで、躍動感が出ていますね。
このように現在形は習慣的なこと以外にも「今」に焦点を当てることもできます。大学受験などでは「習慣」のことばかり強調されていますが、大事な用法の一つです。
現在形の意味の候補を絞るもの
では、現在形が「習慣」と「今」のどちらを意味しているのかをどのように見分ければいいのでしょうか。実は意味を限定させる立役者は「副詞」なのです。
(7) You look happy now. What has happened?
(幸せそうだね。何かあったの)
(8) You always look happy. I wonder what your secret is.
(いつも楽しそうだよね。何か秘訣でもあるのかい)
この2つの例文はどちらも動詞は同じ形をしていますが、(7)はnow(今)があることで、現在の状態を、(8)はalways(いつも)があることで恒常的な状態を表しています。lookが表す状態が、「今」なのか「いつも」なのかを副詞が限定してくれて、理解を助けてくれていると考えましょう。
現在形に限ったことではないのですが、「動詞の形には用法がたくさんあってどの意味で使われているのかわからない!」というのは、そもそも副詞がないちょっと不親切な文であったり、短文だけで前後のお話の流れ(文脈)がなかったりするからです。
一方で、実際の会話や物語の中では、私たちは時制を気にせずに動詞の意味を理解できます。それは、副詞や前後の文脈を手掛かりにして、自然に意味を判断しているからなのです。
並べ替え問題の正解
こういったことを踏まえて冒頭のクイズの正解を考えてみましょう。実は答えは2通りあるのですが、気づきましたか?
答え (1):The bus comes here.
(そのバスはいつもここに来ます)
答え (2):Here comes the bus.
(ほら、バスが来たよ)
バスが習慣的に来ることを想定しているなら(1)が、目の前の出来事を強調するなら(2)のようにするのが正解です。並べ方だけで伝わる意味が変わるなんて面白いですね。
英作文に挑戦!
Q.会話文中の日本語を英語にしてみましょう。
A:Why do we have to wait so long?
B:Hey, look! ナオトが来たよ!
↓
↓
↓
↓
↓
↓
答え:Hey, look! Here comes Naoto!
または Hey, look! Naoto is coming!
待ち合わせをしているのになかなか来ない人っていますよね。まだかまだかと話しているとき、ふと遠くを見ると見慣れた人影が…。「ようやく来たぞ!」という臨場感あふれる気持ちは倒置で表します。
Naoto is coming! でも正解ではありますが、「こちらに向かってきている」という動作を普通に描写しているだけなので、待ちに待った人物の登場という感じまでは表せません。
まぁ、どちらにするかは好みの問題ですね。
ちなみにこの「目の前の出来事」を表す倒置ですが、主語が代名詞(heやtheyなど)のときは、Here he comes! のように主語・動詞の語順になります。覚えておきましょう。
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