東大英語リスニングの対策は?問題形式・時間から勉強法まで徹底解説

東京大学の二次試験では、英語の試験中に約30分のリスニングが行われます。長い英語を聞き続けながら必要な情報をつかむ必要があり、「途中から話についていけなくなる」「単語は聞き取れるのに内容が分からない」と悩む人もいるのではないでしょうか。

この記事では、東大英語リスニングの問題形式や特徴を押さえたうえで、本番での解き方、聞き取れない原因の見つけ方や効果的な勉強法を解説します。
東大英語リスニング対策の参考書「新 キムタツの東大英語リスニング」シリーズで紹介されている攻略法も取り上げながら、具体的な対策を見ていきましょう。

東大英語リスニングの問題形式と特徴

東京大学の二次試験の英語は、試験時間が120分です。
その中でリスニングは第3問として出題され、試験開始から約45分後に放送が始まります。放送時間は約30分です。

東大英語のリスニングで特徴的なのは、一つ一つの英文が長いことです。
単語や短い会話を聞き取るだけでなく、まとまった長さの英語を聞きながら、話の展開を追い、必要な情報をつかむ力が求められます。

リスニングは試験開始から約45分後に始まる

東大英語では、試験が始まってすぐにリスニングが行われるわけではありません。
試験開始から約45分後に放送が始まります。
リスニングの問題は問題冊子に掲載されているため、放送が始まる前に設問を確認することができます。

また、設問は放送文の流れに沿った順序になっていることがほとんどです。
これまでのところ、各セクションは2回ずつ放送されています。
1回目は問題用紙の設問を目で追いながら放送を聞いて解き、2回目では自信のない設問について集中して聞くという目安をつけておくとよいでしょう。

リスニングは3つのセクションで構成される

東大英語のリスニングは、A・B・Cの3つのセクションで構成されます。

会話形式だけでなく、講義や説明のように一人の話者がまとまった内容を話す問題も出題されます。
モノローグのテーマは、科学から芸術まで幅広く、聞き慣れない用語や固有名詞が登場することもあるため、集中力と理解力が問われます。

長い英語を聞き続ける力が必要

東大のリスニングでは、各セクションにつき500語程度の英文が放送されると考えておくとよいでしょう。

英文を一文ずつなら聞き取れる人でも、音声が長くなると、途中から内容を追えなくなることがあります。
そのため、東大英語のリスニング対策では、発音や単語を聞き取る練習だけでなく、ある程度の長さの英語を集中して聞き続け、内容を理解する練習も必要です。

また、聞いた英語をすばやく理解するには、英文を頭から語順どおりに処理する力も欠かせません。
リスニングの問題だからといって、「聞く力」だけを鍛えればよいわけではなく、英文を速く正確に読む力も土台になります。

アメリカ英語以外のアクセントにも注意

東大英語のリスニングでは、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語など他地域の英語が放送されることもあります。
一般的なアメリカ英語だけでなく、さまざまなアクセントの英語を聞いておくことが大切です。

同じ英単語でも、話者によって発音やイントネーションの特徴は異なります。
普段聞き慣れている発音と違っただけで内容を追えなくならないよう、日頃から複数の英語の発音に触れておくとよいでしょう。

東大英語リスニングを解くコツ

東大英語のリスニングでは、音声が流れる前に設問を確認できることを生かして、「何を聞くのか」をあらかじめ意識しておくことが重要です。

ここでは、「新 キムタツの東大英語リスニング」シリーズで紹介されているコツの一部を紹介します。

試験開始直後に設問を先読みする

東大英語では、試験開始からリスニングの放送が始まるまでに時間があります。
しかし、だからといって放送直前になって初めて問題を見るのではなく、試験が始まったら早い段階で設問に目を通しておくのがポイントです。

設問を読めば、これから聞く英文についてさまざまな情報を得られます。

例えば、

  • 何についての話なのか
  • どんなことが問われるのか
  • どのような話の展開になりそうか
  • どんな単語や表現が出てきそうか

といったことを、音声を聞く前にある程度予測できます。

設問から内容を予測し、「答えを待ち構える」

設問の先読みは、単に「一度読んでおく」だけではありません。設問や選択肢から得られる情報を使って、これから聞く内容を予測します。

音声をすべて聞き終わってから「さて、答えは何だっただろう」と考えるのではなく、設問をあらかじめ確認して、答えになりそうな情報が出てくるのを待ちながら聞くという考え方です。
東大のリスニングでは、設問の順番と音声で情報が出てくる順番がおおむね対応しているため、設問そのものが話の流れを予測する手掛かりにもなります。

例えば、ある設問では過去の出来事について、次の設問では現代の状況について尋ねられているなら、音声も「過去の話から現在の話へ」と展開する可能性があります。
設問だけで答えを決めるのではなく、設問から仮説を立て、その答えを音声の中で確認するイメージで聞いてみましょう。

メモは必要な情報だけに絞る

長い英語を聞くとなると、「忘れないようにできるだけたくさんメモしよう」と考える人もいるかもしれません。

しかし、必要なこと、あるいは必要だと思われることだけをメモする姿勢が重要です。
例えば、数字を使った計算が必要になりそうなら数字を書き留める、複数の人物や意見を区別する必要がありそうなら要点だけを記録する、といった具合です。
先に設問を確認していれば、「何をメモしておくべきか」も判断しやすくなります。

メモに気を取られて音声を聞けなくなるのであれば、無理に書く必要はありません。
聞くことを優先し、必要なときだけメモを使うと考えておきましょう。

話の流れを見失わないように聞く

長い音声を聞いていれば、一つの単語や一文を聞き取れないこともあります。
そんなときに、「今の単語は何だった?」「さっきの文はどういう意味だった?」と考え続けてしまうと、その間にも音声は先へ進み、さらに多くの情報を聞き逃してしまいます。

そういう時には、文の構造や「ディスコースマーカー」と呼ばれる表現に注目して、話と話の関係や、内容が切り替わるポイントを見失わないようにします。
例えば、for example が聞こえたら具体例が続く、on the other hand が聞こえたらそれまでとは対照的な内容が続く、といった具合です。

東大英語リスニングが聞き取れない原因

本番での解き方を押さえたうえで、リスニングそのものがうまく聞き取れない場合は、その原因を確認してみましょう。
やみくもに英語の音声を聞くのではなく、「自分がなぜ聞き取れなかったのか」を分析することが大切です。

「読めば理解できるか」を確認する

音声で聞き取れなかった英文があったら、まずはスクリプトを読んで、内容を理解できるか確認してみましょう。

リスニングが苦手な人の例として、最初は聞き取れていても途中でつまずくと、その後の意味を追えなくなってしまうケースや、知っている単語はぽつぽつ聞こえるのに、話の内容がつかめないケースがあります。

こうした場合、問題は必ずしも「音を聞き取る力」だけにあるとは限りません。
スクリプトを読んでも理解できない英文なら、たとえ一つ一つの単語を音として聞き取れたとしても、内容を理解することはできないからです。
分からない単語や表現があるのか、文の構造を捉えられていないのかなど、「読む力」のどこにつまずいているのかも確認する必要があります。

英語は順番どおりに理解する

「読む力」を確認するときに意識したいのが、「英語を順番どおりに理解できるか」です。

リーディングなら、分からなかったところまで戻って読み直すことができます。
しかし、リスニングでは音声は次々と流れていきます。
関係代名詞や不定詞などが出てくるたびに前へ戻って意味を取り直していると、その間にも次の英語が流れてしまいます。

普段英文を読むときから、文頭から英語の語順に沿って意味を捉える練習をしておくことが、リスニングの土台にもなります。

「3S」で聞き取れない原因を分析する

では、スクリプトを確認した後は何をすればよいのでしょうか。

『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』では、聞き取れない理由を「3S」で分析する方法を紹介しています。

3Sとは、次の3つです。

  • Structure(構造)
  • Sense(意味)
  • Sound(音)

問題を解いて答え合わせをして終わるのではなく、「どこが聞き取れなかったのか」「なぜ聞き取れなかったのか」まで分析してみましょう。

Structure:文の構造

一つ目は、英文の構造(Structure)が理解できていないケースです。

単語の意味を知っていて、音も聞き取れている。
それなのに文全体の意味が分からないのであれば、文法や構文を正しく捉えられていない可能性があります。

聞き取れなかった英文は、スクリプトや解説を使って構造を確認しましょう。
構造を理解したらそこで終わりではなく、もう一度音声を聞いたり、自分で音読したりして、文頭から自然に意味が浮かぶところまで繰り返します。

Sense:単語や表現の意味

二つ目は、意味(Sense)の問題です。

音自体は聞こえていても、その単語や表現の意味を知らなければ、当然ながら話の内容は理解できません。

例えば、"put"・"up"・"with"のそれぞれの単語を知っていたとしても、put up with ~ が「~を我慢する」という意味になることを知らなければ、音を聞き取れても意味には結び付きません。

特に注意したいのが、複数の単語がまとまって特定の意味になる表現です。
問題演習で知らない単語や表現に出合ったら、その都度意味を確認し、自分が使える語彙や表現を増やしていきましょう。

Sound:実際の英語の音

三つ目が、音(Sound)です。

スクリプトを見れば簡単に理解できるのに、音声になると何を言っているのか分からない。
そんな場合は、自分が頭の中で想像している英語の音と、実際に発音される音にずれがあるのかもしれません。

英語は、一つ一つの単語が常に辞書に載っている発音どおり、独立して発音されるわけではありません。
前後の音がつながったり、一部の音が弱くなったり、聞こえにくくなったりします。

先ほどの put up with も、一語ずつ区切って発音されるわけではありません。
実際の音声を聞き、その音のつながりを確認したうえで、自分でもまねして発音してみることが大切です。

「スクリプトを見たら、知っている単語だった」で終わらせず、自分にはどう聞こえたのか、実際にはどう発音されていたのかまで確認しましょう。

※参考: 『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』

東大英語リスニングの勉強法

聞き取れない原因が分かったら、その弱点に合わせてトレーニングしていきましょう。

東大英語のリスニングでは、単に「英語の音に慣れる」だけではなく、長い英語を聞きながら意味を追い続ける力も必要です。
ここでは、「キムタツの東大英語リスニング」シリーズで紹介されている方法をもとに、具体的な勉強法を紹介します。

自分のレベルに合った音源から始める

東大を目指しているからといって、最初から難しい東大レベルの音声だけを聞けばよいわけではありません。

例えば、音声の最初の部分しか聞き取れない、知っている単語がところどころ聞こえるだけで全体の内容がほとんど分からない、という状態なら、その教材は今の自分には難しすぎる可能性があります。

理解できない音声をただ繰り返し聞き続けるのではなく、まずは短い英文や、少し易しい英文から始めても構いません。
一度解いた問題のスクリプトを使って音読するのも一つの方法です。

「東大対策だから難しい教材を使わなければ」と考えるよりも、自分が理解できるレベルから始め、少しずつ負荷を上げていくことを意識しましょう。

※参考: 『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』

音読・オーバーラッピング・シャドーイングで音を身に付ける

前の章で紹介したSound(音)に課題がある場合は、実際の音声をまねて、自分でも発音できるようにすることが重要です。
その場合は、音読やオーバーラッピング、シャドーイングがおすすめの学習法です。

音読
スクリプトを見ながら英文を声に出して読みます。単に文字を読み上げるのではなく、音声の発音やイントネーションをできるだけまねしてみましょう。

オーバーラッピング
スクリプトを見ながら音声を流し、聞こえてくる英語と同時に英文を読み上げます。音声と自分の発音を重ねることで、実際の英語のリズムや音のつながりを確認できます。

シャドーイング
スクリプトを見ずに、聞こえてくる英語の1~2秒後を追いかけるように発音します。聞きながら話すので、かなりの集中力を必要としますが、その分効果は抜群です。
最初からシャドーイングをしようとせずに、音読やオーバーラッピングを何度もした後でシャドーイングを始めた方がよいでしょう。

発音の思い込みをなくす

音読などのトレーニングでは、自分が思い込んでいる発音と「実際の音」とのズレにも注意しましょう。

例えば、twentyを「トゥエンティ」と発音する人は、アメリカ英語で一般的な発音の「トゥエニ」とズレがある状態です。
東京大学の入試では数字が問われることもあるので、基本的な語であっても「音の知識」に関してはじっくり学び、体得しておく必要があります。

※参考:『新 キムタツの東大英語リスニング』 『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』

ディクテーションで聞き取れない箇所を特定する

「何となく聞き取れなかった」状態から一歩進んで、どの音を聞き取れていないのかを細かく確認するのに役立つのがディクテーションです。

ディクテーションでは、音声を短い区間ごとに止めながら、聞こえた英語を書き取ります。
一度で聞き取れなければ、何度聞き直しても構いません。
何度聞いても分からない部分は、聞こえた通りにカタカナで書き留めます。

その後でスクリプトと照らし合わせてみましょう。

「知らない表現だったから聞き取れなかった」のか、「知っている単語なのに実際の発音を知らなかった」のか、「冠詞や複数形の s のような弱い音を落としていた」のかなど、聞き取れなかった理由が具体的に見えてきます。
大切なのは、正解の英文を確認して終わらせないことです。

『新 キムタツの東大英語リスニング』では具体的に英文を取り上げて、どういった点を確認するか解説しています。
あわせて参考にしてみてください。

東大英語リスニング対策に使える音源・教材

「新 キムタツの東大英語リスニング」シリーズには、レベルや目的に応じて使い分けられる3冊があります。
自分の現在のリスニング力に合わせて選びましょう。

対策の第一歩なら『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』

『新 キムタツの東大英語リスニング Basic』 は、「『東大英語リスニング』をやっても聞き取れない」という学習者の声を受けて作られた教材です。
この記事でも紹介した、「リーディングを得意にしておく」「自分の能力に合った教材を選ぶ」「聞き取れない理由を3Sで分析する」といった、リスニング学習の土台となる考え方から解説されています。

実践演習なら『新 キムタツの東大英語リスニング』

『新 キムタツの東大英語リスニング』では、東大英語のリスニング問題を解くための16の戦略(Strategy)を、具体例とともに詳しく解説しています。

負荷を上げるなら『新 キムタツの東大英語リスニング Super』

『新 キムタツの東大英語リスニング Super』も16の戦略を学びますが、音声の難易度が異なります。
3段階のスピードが用意され、後半になるほど速い音声に挑戦する構成です。
さらに後半では、室内や屋外の自然な環境音を加え、あえて英語を聞き取りにくくした音声も収録しています。

「新 キムタツの東大英語リスニング」シリーズは、どのレベルも、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語やオーストラリア英語の音声を使用しています。

boocoの音声機能をリスニング練習に活用する

「新 キムタツの東大英語リスニング」シリーズの音声は、アルクの学習アプリ「booco」で聞くことができます。

リスニングのトレーニングでは、音声を一度聞いて終わりにするのではなく、聞き取れなかった箇所を何度も確認することが重要です。

boocoの音声プレーヤーでは、巻き戻し・早送りの秒数を2秒に設定できるほか、聞きたい範囲の始点(A)と終点(B)を指定して、その区間だけを繰り返し再生する「A-Bリピート」も利用できます。

例えば、ディクテーションで一文だけ何度も確認したい場合や、オーバーラッピングでうまく発音できない箇所を繰り返したい場合には、聞きたい部分をA-Bリピートに設定すると練習しやすくなります。
再生速度も0.5~2.0倍の範囲で変更できるため、音を細かく確認したいときなど、目的に応じて調整してみてもよいでしょう。

ENGLISH JOURNAL編集部
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