イディオムは、日常生活の中で鮮やかに感情や状況を表現します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回取り上げる表現は「in hot water」です。
熱いお湯の中⁉ in hot waterの本当の意味は?
「in hot water」というフレーズは、文字通りには「熱いお湯の中にいて」という意味です。しかし、イディオムとしては「困った状況にあって」、「面倒なことになって」、「叱られそうな立場にあって」という意味で使われます。何か問題を起こし、その結果として非難や処罰を受けそうな場合によく用いられます。
なぜhot waterが「トラブル」を表すようになったのかについては、はっきりした由来が確認されているわけではありません。ただ、熱い湯の中に置かれれば苦しく危険な状態になることから、逃れにくい困難を表す比喩として理解しやすい表現です。英英辞書のMerriam-Websterでは、この意味での初出を1840年としています。
この表現は、be in hot water(厄介な状況である)、get into hot water(困った状況に陥る)という形がよく使われます。また、何が原因なのかを示すときは、in hot water for ...(・・・で困ったことになって)の形にすることができます。
in hot waterが使われる場面
in hot waterは、規則を破ったり、失敗をしたり、不適切な発言をしたりして、誰かから責任を問われそうな場面で使われます。学校や家庭で叱られる場合から、仕事上の問題で批判を受ける場合まで、幅広い状況に当てはめられます。
単に「難しい状況にある」だけでなく、自分の行動が原因で面倒なことになっている、というニュアンスを含むことが多いのが特徴です。
例文紹介
では、in hot waterの用例を見てみましょう。
I’m in hot water with my boss because I lost an important file.
重要なファイルをなくしてしまい、上司に叱られそうです。
I got in hot water at work because I sent the email to the wrong person.
メールを間違った相手に送ってしまい、職場でまずいことになりました。
waterを使った他の表現
英語には、waterを使って状況や心情を表すイディオムが数多くあります。ここでは、日常会話でも目にする機会の多い表現を紹介します。
in deep water(深刻な問題を抱えて、苦境に陥って)
in hot waterとよく似ていますが、より深刻で、簡単には抜け出せない問題を抱えているイメージがあります。keep one’s head above water(何とか持ちこたえる)
水に沈まないように頭を出しているイメージから、経済面や仕事などで、苦しいながらも何とかやっていくことを表します。water under the bridge(過ぎてしまったこと)
橋の下を流れ去った水のように、すでに終わってしまい、今さら変えられない出来事を指します。過去のことを水に流そう、と言う場面でも使われます。test the waters(様子を見る、反応を探る)
本格的に行動する前に、水の温度や深さを確かめるように、人々の反応や状況を慎重に確かめることを表します。
まとめ
in hot water は、「厄介な状況にあって」「面倒なことになって」という意味で使われる表現です。単に難しい状況に置かれているというよりも、自分の行動や発言が原因で、誰かから叱られたり、責任を問われたり、批判を受けたりしそうな状況を表すことが多いのが特徴です。
学校や家庭から、仕事上のことまで、幅広い場面で使うことができます。「ちょっとまずいことになった」「このままだと怒られそうだ」といった感覚を表したいときにぴったりの表現です。
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