イディオムは、日常生活の中で鮮やかに感情や状況を表現します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回取り上げる表現は「burn the midnight oil」です。
真夜中の油を燃やす⁉burn the midnight oilの本当の意味は?
「burn the midnight oil」というフレーズは、文字通りには「真夜中の油を燃やす」という意味です。しかし、イディオムとしては「夜遅くまで勉強する」、「夜更かしして仕事をする」、「深夜まで何かに取り組む」という意味で使われます。
この表現は、電灯が普及する以前、人々がオイルランプやろうそくの明かりを頼りに、夜遅くまで作業していたことに由来するとされています。“midnight oil”は17世紀には「夜遅くの仕事や勉強」を象徴する言葉として使われており、そこから現在の“burn the midnight oil”という表現へとつながっていきました。
現在では、試験勉強や締め切り前の仕事など、集中して何かに取り組んでいる状況を表すときによく使われます。努力や勤勉さを感じさせる表現ですが、場合によっては「無理をしている」、「寝不足になっている」といったニュアンスを含むこともあります。
burn the midnight oilが使われる場面
burn the midnight oilは、仕事や勉強などで夜遅くまで作業をしている場面で使われます。特に、締め切りが迫っているときや、試験勉強に集中しているときなどによく使われる表現です。
例えば、学生が試験前に徹夜で勉強している場合や、会社員がプレゼン資料を完成させるために残業している場合などに自然に使えます。また、「最近ずっと忙しくて寝不足だ」という状況を表すときにも使われることがあります。
例文紹介
では、burn the midnight oilの用例を見てみましょう。
She has been burning the midnight oil to prepare for her final exams.
彼女は期末試験に向けて夜遅くまで勉強している。
We had to burn the midnight oil to finish the project on time.
私たちはプロジェクトを期限までに終わらせるため、夜遅くまで作業しなければならなかった。
oil を使った慣用表現
burn the midnight oil のように、oilを含む英語表現はいくつかあります。ここでは、日常会話でも比較的見かけるイディオムを紹介します。それぞれ意味や使われ方が少し異なります。
oil the wheels(物事を円滑に進める)
もともとは機械の車輪に油を差して動きを滑らかにするイメージから、「人間関係や手続きをスムーズに進める」という意味で使われます。場合によっては、「便宜を図る」「裏で手回しをする」といったニュアンスを含むこともあります。pour oil on the fire(火に油を注ぐ、事態をさらに悪化させる)
直訳すると「火に油を注ぐ」となり、燃えている火をさらに勢いづけるイメージから、「怒りや対立、混乱をいっそう激しくする」という意味で使われます。すでに悪くなっている状況で、余計な発言や行動によって相手をさらに怒らせたり、問題をこじらせたりする場面でよく用いられる表現です。pour oil on troubled waters(争いを鎮める、場を落ち着かせる)
直訳すると「荒れた水面に油を注ぐ」となり、波立った状況を静めるイメージから、「対立や緊張を和らげる」という意味で使われます。口論やトラブルの仲裁をする場面でよく用いられる表現です。like oil and water(水と油のように合わない)
油と水が混ざり合わないことから、「性格や考え方がまったく合わない」という意味で使われます。人間関係だけでなく、相性の悪い物事について表現する場合にも使われます。
まとめ
burn the midnight oilは、「夜遅くまで勉強や仕事をする」という意味で使われる表現です。オイルランプを使っていた時代の生活が背景にあり、深夜まで明かりをともして作業する様子が由来になっています。
努力や集中を感じさせる表現であり、勉強や仕事に打ち込む場面でよく使われます。一方で、「無理をして頑張っている」というニュアンスを含むこともあるため、文脈によって響きが少し変わる点にも注目してみましょう。例文とあわせて覚えることで、自然な使い方がつかみやすくなります。
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