他人の雷を盗む⁉「steal someone’s thunder」【英語イディオム学習帳】

英語のイディオムは、社会的な相互作用や感情を巧みに表現します。この連載では、そうした表現が「どんな意味で」「どんな場面で」使われるのかを、英語学習者の視点で整理していきます。今回取り上げる表現は「steal someone’s thunder」です。

他人の雷を奪う⁉steal someone’s thunderの本当の意味は?

「steal someone’s thunder」というフレーズは、文字通りには「他人の雷を盗む」という意味ですが、イディオムとして「人のアイデアや手柄、見せ場を横取りする」「~を出し抜く」を表します。

この表現は、18世紀初頭のイギリスの劇場で起きた出来事に由来するとされています。

1709年、英国の劇作家だったJohn Dennis(ジョン・デニス)は、自作の演劇のために、舞台上でリアルな雷の音を出す新しい音響装置を考案しました。当時としては画期的な装置でしたが、残念ながら劇そのものは成功せず、短期間で上演は終了してしまいました。ところが後日、デニスが別の劇を観るためにその劇場を訪れると、自分が発明した雷の音響装置が使われていることに気づきます。これに怒った彼は、“They will not have my play, yet steal my thunder!”(私の劇は上演しないのに、私の雷は盗むのか!)と叫んだとされています。

この出来事から、steal someone’s thunder(手柄を横取りする、出し抜く)という表現が生まれたといわれています。

steal someone’s thunderが使われる場面

steal someone’s thunder は、本来は別の人に向けられるはずだった注目や賞賛を、ほかの人が横取りする状況を表します。また、他人の成功やアイデアを、その人自身の手柄であるかのように見せる場合にも使われます。ビジネスや学術の分野では、成果の横取りを指す際にも用いられます。

例文紹介

では、steal someone’s thunderの用を見てみましょう。

  • He presented my idea as his own in the meeting, completely stealing my thunder.
    彼は会議で私のアイデアを自分のものとして提示し、完全に私を出し抜いた。

  • She was upset because her co-worker stole her thunder by taking credit for her project.
    彼女は、同僚が彼女のプロジェクトを自分の手柄にし、彼女を出し抜いたことに腹を立てていた。

  • I’m usually the one who makes people laugh, but my little brother stole my thunder at the party.
    いつもは僕がみんなを笑わせる役なのに、パーティーでは弟にお株を奪われてしまった。

似た意味を持つ表現

steal someone’s thunderと近い意味の表現をいくつか紹介します。

  • steal the spotlight(注目を奪う)
    steal the spotlight は「注目をさらう」「人の注目を奪う」という意味の表現です。本来注目されるはずだった人よりも、別の人が目立ってしまう状況で使われます。必ずしも非難を表すわけではなく、活躍が素晴らしく、結果的に注目を集めた場合にも用いられる表現です。

  • steal the show(主役を食う、圧倒的に目立つ)
    steal the show は、「主役を食う」「圧倒的な存在感で注目を集める」という意味の表現です。特に、映画などで、脇役が主役よりも印象的で、観客の注目を集めた場合に使われます。非難というよりも、素晴らしさや印象の強さを表し、肯定的な意味で用いられることが多い表現です。

  • take credit for ~(~を自分の手柄にする)
    文脈によっては「手柄を横取りする」という非難のニュアンスで使われることが多い表現です。

まとめ

steal someone’s thunderは、「人の見せ場を横取りする」、「~を出し抜く」という、ややドラマチックで印象的な響きを持つ表現です。非難の気持ちを含むこともありますが、日常会話では軽い不満や冗談としても使われます。形式張った表現ではなく、日常のくだけた会話から一般的な文章まで幅広く用いられるイディオムです。

ENGLISH JOURNAL編集部
ENGLISH JOURNAL編集部

英語を学び、英語で学ぶための語学情報ウェブサイト「ENGLISH JOURNAL」が、英語学習の「その先」にあるものをお届けします。 単なる英語の運用能力にとどまらない、知識や思考力を求め、「まだ見ぬ世界」への一歩を踏み出しましょう!

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