連載「絶対英文法」の5回目は、動詞にさまざまな意味を加える助動詞です。「必要性」や「推量(可能性)」のニュアンスを表す助動詞を使い分けて、気持ちを発信しましょう。
目次
聞いて答える文法音声クイズに挑戦!
まずは、 聞いて答える文法音声クイズに挑戦しましょう。英文一文を聞き、文法上(または表現として)不自然な部分があれば正しましょう。音声は書き取らずに考えましょう。答えは、本記事の末尾にあります。
「必要性」を表す助動詞must/have to、had better、should
まずは動詞に「必要性」のニュアンスを加える助動詞をチェックしましょう。助動詞ごとに、相手に伝わる響きの強弱がありますので、注意してください。
Do whatever you have to do.
すべきことはなんでもしなさい。
You’d better not eat that burger.
あのバーガーを食べない方がいい。
You should come to California again.
君はまたカリフォルニアに来るべきだよ。
「必要性」を示す助動詞の使い分けポイントを整理しました。「必要性」が強い順に並べています。
must/have to (~しなければならない)
どちらも「義務」を表す代表格で、相手に伝わる必要性の響きが最も強い表現です。mustは話者の主観的な判断、have toは学校や会社のルールなどの、客観的な状況からの義務を表します。
had better(~した方がよい)
「アドバイス」「忠告・警告」のニュアンスの両方を兼ね備える表現。それをしなければ、なんらかの不利益が生じることを示唆します。 相手に伝わる必要性の響きはそれほど強くありません。
should(~するべきだ)
had betterとは異なり、しなくても何も不利益が生じない「アドバイス」の表現です。義務や必要を示す助動詞の中では、気軽に使えます。相手に伝わる必要性は弱めです。
「推量(可能性)」を表す助動詞must/have to、should、may、might/could
動詞に「推量(可能性)」のニュアンスを加える助動詞も相手に伝わる響きの強弱がありますので注意してください。
You must be Mr. Tanaka.
あなたがタナカさんですね。
Go to sleep. You have to be tired.
寝なさい。疲れているんでしょ。
He should be with Anne.
彼はアンと一緒のはずですよ。
You must/may/could need this.
君にはこれが必要になるかもしれません。
「可能性」を示す助動詞の使い分けポイントを整理しました。確信度が高い順に並べています。
must/have to ([きっと]~に違いない)
なんらかの根拠を基にした比較的強い推量。have toよりもmustの方が確信度は上です。
should~([当然]~のはずだ、~だろう)
主観的に話し手の期待や、そうなるのが自然と考える推量です。可能性は低めです。
may(~かもしれない)、might/could([ひょっとしたら]~かもしれない)
両方とも、かなり弱い推量を示し、現実性は50%以下です。ある特定の場面における推量。may→might→couldの順に弱くなるとも言われますが、実際には大差はありません。口語ではmightやcouldがよく用いられます。
聞いて答える文法音声クイズの答え
【音声】
Does your neck still hurt? You’ll go see a doctor if your neck is getting worse. — Year, I know.
まだ首が痛むの?悪くなっているなら、医者に診てもらった方がいいよ。―― うん、そうだね。
【答え】
You’ll go → You’d better / You must / You should go
【解説】
willは話者の推測ですから、この会話で使うのは不自然です。義務を表す助動詞を使って、忠告やアドバイスをするのが適切でしょう。もちろん助動詞によって強さや意味合いは異なります。
次回は、日常会話における分詞構文について紹介します。どうぞ、お楽しみに。
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