連載「パワフル英語表現100」の第3回。日常ではよく使うけれど、英語にパッと訳しにくい「報われる」「全く受けない」など20の表現を紹介します。比喩表現や慣用句を覚えて、表現の幅を広げましょう。
目次
成功と失敗に関するフレーズ
努力や挑戦が成功に結び付いり、そうならずに失敗に終わってしまったりしたときに使うフレーズを紹介します。
pay off
「(苦労などが)報われる」ことを、英語ではpay offと言います。過去の努力や苦労が成功と報酬として実現することを指します。
All her hard work paid off when she passed the exam.
彼女の苦労は全て、試験に受かったことで報われた。
pull ~ off
「~を成し遂げる、~をうまくやり遂げる」ことは、pull ~ offを使って表現します。困難な課題や挑戦を乗り越えて成功したことを強調する表現です。
He’ll be the greatest coach in history if his team pulls this off.
もしこのチームが今回うまくやり遂げたら、彼は、史上最も偉大なコーチになるだろう。
fall flat on one’s face
「大失敗する、全く受けない」を表す英語は、fall flat on one’s faceです。特に公の場や注目されている状況で、誰かが大失敗する、または恥ずかしい失敗を経験する状況を表現する際に使われます。
He got up to make a speech and fell flat on his face.
彼は、立ち上がってスピーチをしたが、大失敗だった。
思考と洞察に関するフレーズ
過去の出来事の振り返るなど、思考プロセスに焦点を当てたフレーズを紹介します。
in retrospect
「振り返ってみて、思い起こすと」と言いたいときに使えるのが、in retrospectです。ちなみにretrospectは、retro-(過去に)という接頭辞とspect(見る)という語幹で構成されています。
In retrospect, I don’t think I should have eaten that second doughnut.
今にして思えば、あの2個目のドーナツは、食べなければよかったな。
cross one’s mind
「頭をよぎる、心に浮かぶ」ことを表すには、cross one’s mindを使います。突然に何かを思い付いたり考えたりすることを指す表現です。
It didn’t cross my mind to ask if she was hungry.
彼女に空腹かどうかを聞くなんて、考えもしなかった。
not necessarily ~
「必ずしも~でない」と伝えるときには、not necessarily ~を使います。ある事実や状況が必ずしも正しいわけではないという部分否定です。
This might not necessarily work, but we should give it a try.
これは、必ずしもうまくいくとは限らないが、やってみるべきだ。
人や物の関係性を伝えるフレーズ
人同士や物事の関係性に関するフレーズを紹介します。
be true to ~
正直であることを表現するには、「~に忠実である」という意味のbe true to ~を使います。
Be true to yourself – just tell him if you don’t want to go.
自分に正直にね――行きたくないなら、とにかく彼にそう言いなさい。
pull together
「協力する、力を合わせる」は、pull togetherを使います。複数の人が共同作業して協力することを強調する表現です。
If we all pull together, we can tidy this house in an hour.
私たち皆が力を合わせれば、この家を1時間で片付けられる。
leave no room for ~
「~の余地がない」という意味でよく使われるフレーズはleave no room for です。事実や状況が非常に明確であることを強調します。
The teacher’s harsh words left no room for doubt that he was angry.
その厳しい言葉から、先生が怒っていることを、疑う余地はなかった。
go hand in hand
「矛盾しない、密接に関係し合う」ことは、go hand in handで表現します。2つの事物や概念が互いに密接に関連している場合に使用されます。
It seems that poverty and ill health go hand in hand.
貧困と不健康は、密接に関係し合っているようだ。
bring ~ to life
「~を生き生きさせる、~を活性化する」と言いたいときには、bring ~ to lifeを使います。何かをより魅力的で活気にあふれるものにすることを強調します。
That yellow really brings the painting to life, doesn’t it?
あの黄色が、この絵を実に生き生きと見せていませんか?
トレンドと言葉の魅力を表すフレーズ
トレンドと言葉の魅力を表すフレーズを紹介します。
catch on
「人気を博す、広まる」は、英語でcatch onと言います。新しいアイデアやトレンドが急速に広まることを指します。
Do you think this craze for keeping chickens will catch on nationally?
鶏を飼うこの熱狂的ブームは、全国に広まると思う?
have a ring to it
「~にはすてきな響きがある、~は語呂が良い」と言いたいときに使えるのが、have a ring to itです。特定の言葉や名前が響きが良く、魅力的であるという印象を示します。
For a cat, the name Tinkerbell has a certain ring to it.
ネコの名前として、ティンカーベルはある種の響きの良さがある。
物事を時間の流れで捉えるフレーズ
物事を時間の流れで捉えるフレーズを紹介します。
for the first time ever
「これまでで初めて」と表現するには、for the first time everを使います。特別な瞬間を表現します。
My grandmother is going overseas for the first time ever next week.
祖母は来週、生まれて初めて海外に行く。
at any one time
「常時、どの時点においても」という意味でよく使われるフレーズは、at any one timeです。
There are as many as three interviews taking place at any one time.
常に、3件もの面接が同時に進行している。
never once ~
「一度たりとも~ない」と伝えるときには、never once ~を使います。ある出来事が過去に一度も発生しなかったことを示します。
I never once doubted you would be fine in an English-speaking country.
あなたが英語の国でうまくやっていくだろうということを、一度たりとも疑ったことはない。
物事のタイミングや選択に関するフレーズ
物事はさまざまなタイミングで起きます。ここではタイミングやその際の選択などに関連するフレーズを紹介します。
as it happens
「たまたま、偶然にも」は、as it happensがよく使われます。何かが思いがけず発生したことを説明するときに使います。
As it happens, I’m going your way, so I can give you a ride.
偶然、私も同じ方向に行くので、車に乗せてあげられますよ。
just right
「ちょうどいい、もってこいの」という表現はjust rightを使います。何かが完璧な状態にあることを表します。
Those curtains will lock just right in our living room.
あのカーテンは、うちのリビングにぴったりだろうね。
set ~ aside
「~(金など)を確保する、~を取っておく」を表す英語は、set ~ asideです。何かを将来のために、または必要に備えて取っておくことを指します。
Let’s set this pizza aside in case any unexpected guests turn up.
不意の来客のために、このピザは取っておこう。
among other things
「特に、とりわけ」は、among other thingsを使います。他にも多くの要因や理由が存在することを示し、特に重要な理由を強調するときに使います。
I’m not driving today because, among other things, I’m too tired.
今日は運転しないよ、(いろいろ理由はあるけれど)なんといっても疲れ切っているからね。
次回は、「おしゃれな言い回しの、パワフル英語表現」をご紹介します。どうぞ、お楽しみに。
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