英語を学ぶなら、やっぱり発音をよくしたいもの。オンライン英会話や発音アプリに挑戦したけどどうもイマイチ・・・、という方、この本でトレーニングしてみませんか?
独学で英語の発音をよくするのは難しい?
こんにちは!ライターの尾野です。
「何年も英語を学んでいるけれど、発音にはあまり自信がない」という方、多いのではないでしょうか。
私も、その一人。「ちゃんとトレーニングしたほうがいいんだろうねえ」と思いながら、ついそのままになっています。
今は、発音診断アプリなどもありますが、なかなか成果が感じられないことも。
やっぱり独学で発音をよくするのは難しいのでは・・・とあきらめるまえに、ぜひ手に取ってほしいのがこの本『そーた式!まるでネイティブのような「英語の発音」が身につく魔法の法則40』。
著者は、現役の英会話コーチにして英語学習コンテンツクリエイター、英会話ラジオパーソナリティーでもある「英語のそーた」さん。
ポッドキャストで2,000万ダウンロードを突破した人気番組「台本なし英会話レッスン」のあの人、と言えば分かる方も多いかもしれませんね。
「そーた」さんの発音トレーニング本は、今すぐ独学で挑戦でき、 取り組む ほどに効果を実感できるすぐれものです。
対面レッスンを受けてるみたい!
本書の最大の特長は、本と音声を併用して、まるで「そーた」さんから、直接、対面レッスンを受けているような感じで学べることです。
学習の進め方はいたってシンプルなので、これなら挫折することもなさそう。
STEP1 本文を読む/例文で発音トレーニングをするSTEP3まで達成したら、次の「法則」の学習へ進みます。(この段階での自分の発音を録音しておくことを推奨)
STEP2 レッスン音声と例文音声を聴く
①お手本を聴く
?お手本をマネして声に出す
③お手本と自分の発音の差を確かめる
(①~③をくり返し、自分の発音をお手本に近づける)
STEP3 発音の変化を確かめる
(もう一度例文を声に出して読み、録音する。STEP1の発音と聞き比べて「発音の変化」を実感する)
「前に学習した法則の内容が次の法則の学習に活かせるよう、学習順にも工夫を凝らしています」とのことですが、確かに 順番通りに進めると、効果を実感しやすい ようです。
ある程度、発音に自信がある人も、ひとまず順番通りに取り組んでみてください。
ちなみに 音声は、専用アプリから無料でダウンロードできます。この音声も、学習効果が出やすいよう、さまざまな工夫がなされています。詳しくは後ほど。
「魔法の法則」は全部で40
本書で取り上げる「英語の発音を身に付けるための法則」は、計40。
40もあるのか・・・と思うかもしれませんが、音声記号などのややこしい説明はほとんどありません。
先述の「STEP1」から「STEP3」に順番に 取り組む 、実践的なトレーニングが中心です。
おまけに、実際にやってみると「おお、確かに私の発音よくなってる!」と達成感が得られ、モチベーションもアップ!
ベーシックなものから、いくつか紹介しましょう。
まずは「3つの基礎」をチェック
英語でも、タワーマンションでも、何事も「基礎」が大切。本書によれば英語の発音の場合は、以下の3つです。
3つの基礎まずはこの3つをきっちりマスターしないと、その後の「魔法の法則」も効きが悪くなるそう。これは大変です。
- 口の開き
- 音の伸び
- ノド声
特に大切なのは、口をしっかり開けること 。
「英語は日本語より口を大きく開いて話す言葉」なので、小さな口の開きのまま練習すると、「音の伸び」も「ノド声」もうまくできなくなり、正しい発音から遠ざかってしまうそうです。
「それにしても、ネイティブスピーカーってそんなに大口開けて話してるかな?」・・・と思いましたが、この本のトレーニングをやってみて納得しました。
いつもの日本語の話し方で、次の文を読んでみてください。
私はティムです。簡単ですね。日本語ですからね。
では同じ文を、意識的に口を大きく開けて読んでみてください。
こんな感じになったのではないでしょうか?
わーたーしーはーティームでーすコントに出てくる外国人みたいですが、何となく英語っぽくなった気がしませんか?こうすると、先ほど出てきた「3つの基礎」のふたつ目、「音の伸び」も自然に意識できるようになります。
口を大きく開ける練習を続けるうちに、口の周りが筋肉痛になる人も多いそうです。ちょっとびっくりしますが、日本語と英語ではそれくらい口の動かし方が違うんですね。
口の次は「のど」に注目。「3つの基礎」の3番目「ノド声」です。
本書によれば、 英語らしい発音をするには「ノドを開いて発声する」ことが大切 だそう。
ノドを開く近道は「めちゃくちゃ疲れた人になりきること」。
特に夏の暑い日など、一日中バタバタ仕事をして帰宅すると、玄関のドアを閉めた瞬間、「ぐあああ、づがれだああああ」というような、我ながらこの世のものとは思えない獣のような声が、ノドの奥から出てくることがありますね。
あれこそが「ノド声」です。
本書でも、周囲に人がいないか確認した上で、「お疲れボイス」を出す練習を推奨しています。
ぜひ、やってみてください。せーの!
あああーーーふざけてやっているわけではありません。疲れたーーー
あ゛あ゛あーーー
英語を話すときは、ずっとこの感じで、「ノドを開いたまま話し続けないといけない」のです。
「ノド声」習得にはかなりの 時間がかかる そう。確かに日本語を話すときとはかなり違いますものね。
他の法則の練習をするときにも、意識的にやるようにするとよさそうです。
それにしても、この「3つの基礎」を私は今まで、ほとんど気にしていませんでした。いや~、これまでの発音練習ではなかなか上手くならなかったのも、もっともです。
「母音ズラし」でかなりそれっぽく!
続いて挑戦するのは「日本語のあいうえおを英語のアイウエオにする魔法」。
「母音をズラす」練習に 取り組み ます。
魔法の種ともいえるのが、こちらの「魔法の母音ズラし表」。
先ほども触れた通り、英語と日本語では発声(口の開け方、ノドの開き方など)が違いますが、母音の発音も大きく違います。
「母音(アイウエオ)を日本語の音のまま読んでしまうと、英語に日本語らしさが残ってしまう」のだそう。
そこで、上の表 に従って 、 日本語の母音を英語の母音に「ズラす」 のです。
表の1に照らして、「 バ ッグ: ba g」、「 ハ ッピー: ha ppy」の 母音「ア(a)」の部分を「エア(アとエの間)」の音にズラします 。実際に、口に出して言ってみてください。
bagは「 ベエア ッグ」、happyは「 ヘエア ッピー」となりますね。
どうでしょう?ぐっと発音がよくなった感じがしませんか?
文を読んでみると、さらに効果が実感できるはず。
Sam became happy after his cat came back home.「ア(a)」を「エア」にズラして言ってみてください。サムはネコが家に帰ってきてうれしくなりました。
Sam、happy、after、cat、back の「a」を「エア」のつもりで言ってみます。
先ほど出てきた「口の開き」「音の伸び」「ノド声」も意識すると・・・我ながら、「おお、まるでネイティブみたい!」と感じたのでは?
やればやるほど、自分の話す英語の発音が、本当に「劇的に」変わります 。
トレーニング前と後で、自分の声を録音することを、くれぐれもお忘れなく。ちょっと面倒かもしれませんが、そのほうが確実に喜べるので。
とにかく実践してみよう
また、実際には英語の母音は非常に種類が多く、「ア」に当たるものだけでも数種類あります。ただ、どれだけ知識があっても、実際に発音できなければ絵に描いた餅。
本書では、「ネイティブのような発音を体得してもらうために、その母音の細かい部分をあえて簡素化」しています。
どんなに発音が苦手だという方でも、やればやった分だけ成果が上がること間違いなし。
「これまでいろいろ挑戦したけどうまくいかなかった」という方も、やってみる価値があると思います。
ダウンロード音声にも工夫がいっぱい!
本書で発音のお手本となる音声は、専用アプリから無料でダウンロードできます。
この音声も、さまざまな工夫が凝らされていて「学習者のことを考えてくれているなあ♪」という感じ。
「そーた」さんが、「魔法の法則」を、軽快かつ分かりやすく解説してくれる「レッスン音声」は、まるでラジオ番組みたい。本を読んで得た知識をさらに深め、確実なものにしてくれます。
そして、 例文の音声は、10秒、30秒と、かなり細かい 単位 でトリミングされているので、自分が聞きたいところだけを、サッと何度も聞きなおすことができ、とっても便利 。
ひとつひとつのコンテンツが長いと、「えっ!今の何?」と思ったときに、目当てのところを探し出すのが大変なんですよね。
ちょっとしたことですが、発音を学ぶ本だけに、例文ひとつ、単語ひとつを何度も聞き返すことも多いので、ありがたい工夫だと思いました。
まとめ
本も音声もほめまくってしまいましたが、最後に本書でトレーニングする際の注意事項をいくつか。
発音トレーニングなので当たり前ですが、実際に大きな声を出すので、ご家族がいる方は、 先に 「これからこういう練習するから」と 了解 を得ておいた方がいいと思います。
特に、「わーたーしーはーティームでーす」や「疲れたーーーあ゛あ゛あーーー」を練習するときは要注意。
私は何度もやっていたら、「何か悩みがあるなら言って」と家族から真剣に 心配 されました。
もうひとつ、「口は大げさなくらいに開く」というトレーニングで、本当に思い切りやってみたところ、唇が上下とも勢いよくピキッっと切れて血が出ました。痛い・・・。
まさか、英語の勉強で流血の事態になるとは。年は取りたくないものです。
乾燥が気になるお年頃の方は、リップクリームなどで事前の唇ケアをお忘れなく。
しかし、注意するところと言えばこれくらいでしょうか。
文字通り「血がにじむような」努力のあとには(トレーニング自体は全然つらくなく、楽しいです)、ネイティブスピーカーみたいな発音で話せる自分が待っているはず。
ぜひ、やってみてください!
英語のそーたさんのEJ新書はこちら!
尾野七青子 都内某所で働く初老のOL兼ライター。
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
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