TOEIC満点取得者であるJay(ジェイ)こと早川幸治さんの連載「3カ月でTOEIC200点アップ特訓法」。早川さんの豊富な受験経験から、最も効率的な対策法をTOEICスコア別に分けて伝授します!第2回は3カ月で300→500点アップを目指すための「リーディング学習法」について紹介します。
前回 は初心者にとって上達を感じやすい単語やリスニングの学習法をお伝えしました。しかし、TOEIC L&Rテストの半分を構成するリーディング学習をしないわけにはいきません。
今回は、 300点台の方が500点を目指すためのリーディング学習法 をお伝えします。
脱・三日坊主!
本題に入る前に・・・学習の習慣化はできていますか?
「どうもいつも三日坊主で・・・」という方もいらっしゃるかもしれません。まずは、この 三日坊主を乗り越える学習の習慣化のコツ をシェアさせていただきます。
効果的な学習法を学んだとしても、学習を習慣化しないことには上達することはできません。そもそも、三日坊主の原因はなんなのでしょうか。実は、その原因とはやる気のなさや意志の弱さではありません。三日坊主の原因とは、ただ単に「 勉強すると決めたことが頭から抜けてしまった 」というだけです。ただそれだけなのです。
ちなみに、3日前のことをすぐ思い出すことはできますか?おそらく思い出すのに少し時間が必要でしょう。これは、私たちの脳が忘れ始めているからです。今英語学習を決意しても、3日後まで新鮮な記憶として残っていることはありません。そこで大切なことは、まず 3日以内の英語学習を毎日の計画に落とし込む ことです。
コツは、「いつ」「どこで」「何をするか」までを明確に決めてしまうことです。
たとえば、以下のような感じです。
「いつ」・・・・出勤前8時半から
「どこで」・・・オフィス前のカフェ
「何を」・・・・文法教材
これを複数決めておくことで、スケジュールに沿った学習ができるようになります。特に「いつ」「どこで」をしっかりと決めることで、時間になったらその場所で学習すればよいだけの「行動しやすい計画」となります。
ぜひご自分の生活や仕事のスタイルに合う計画を立ててみてください。この3日分の学習計画を7回繰り返すことで、3日×7回で21日=3週間続けることができます。こうして、習慣化へ向かいます。
リーディング学習の難しさと教材選び
リスニングと比べると、リーディングで使われる単語は難易度が高めです。また、リスニングは流れてくる音声を聞くという受動的な学習が可能なのに対して、リーディングは能動的に読まなければ理解が進みません。そのため、リスニングよりも学習のしづらさを感じることがあるかもしれません。そこで、少し工夫をすることで学習がしやすくなります。
その工夫の一つが、 基礎力を伸ばすための教材を選ぶ ことです。
初心者の場合、リーディング学習に模試教材は選ばない方がよいでしょう。500点をはるかに超えるレベルの問題が含まれているからです。難しいことをやれば早く上達するわけではありません。
そこで、まずは 基礎固めをするために易しめの教材 をこなしていくことをおすすめします。さらに学習を促進するには リーディングにも音声が付いている教材 が理想的です。音声がない場合は、実際に声に出して学習するのも効果的です。
Part 5は必ず出題される文法項目から学ぶ!
まず、スコアに直結するのがPart 5(短文穴埋め問題)に必ず出題される 文法項目 を学ぶことです。基本的に、以下の項目は毎回必ず出題されます。
- 品詞(約8問)
- 代名詞(約2問)
- 動詞の活用(態、時制、不定詞など)(約3問)
- 接続詞/前置詞(約2問)
また、毎回ではありませんが、出題傾向が高いのが以下のものです。
- 比較
- 関係詞
- 分詞
文法学習において大切なことがあります。それは、「解き方を確認するだけでは本来の文法力はつかない」ということです。
文法の学び方にはコツがあります。それは、「文法」という名前にヒントがあります。「文法」とは、つまり「 文の法則 」です。法則にはパターンが存在しています。文法が得意な人とは、このパターンが身に付いている人です。一方で、文法が苦手な人は、このパターンがまだ身に付いていないというだけです。
そこで、パターンを身に付けるために行うべきは、 同じ文法項目を繰り返し学習 することです。スポーツのルールと同様に、頭で理解するだけでなく、同じタイプのプレーを繰り返すことで、考えなくても自然にパターンが身に付きます。
おすすめの文法学習は、 答えを入れた状態で英文全体を学習 することです。
例えば、以下の問題があるとします。
Carnell Anderson had a ------- discussion with one of his clients.
(A) produce
(B) production
(C) productive
(D) productively
解説には次のように書かれているかもしれません。
選択肢には異なる品詞が並んでいるため品詞問題。空所直前に a があり、直後に名詞 discussionがある。名詞を説明するものは形容詞のため、正解は(C)。
訳:カーネル・アンダーソンは顧客と生産的なディスカッションをした。
解説は正しいのですが、これは正解の理由でしかありません。もちろん品詞の問題を連続で解答する練習をすることで、品詞のパターンが頭に入ります。
しかし、ここで終えてしまうと英文自体を読めるようにはなりません。そこでおすすめなのが、正解を確認した後に、 正解の選択肢を空所に入れた上で、その問題のポイントを中心に文の意味を確認 することです。
Carnell Anderson had a productive discussion with one of his clients.
had a productive discussion(生産的なディスカッションをした)というフレーズや、discussion with his clients(顧客とのディスカッション)といった問題とは異なる部分の学習にもなります。
文法学習には音声を活用 すると、目からの学習に加えて耳からの学習にもなり、単語の表現も文のつながりもリズムで頭に入るため、さらに効果的な学習となります。このように解説を確認した後に 文全体を学ぶ ことで、文法力が高まります。
英語学習は内容を理解したところからがスタートです。
Part 7(読解問題)で多様な基礎スキルを身に付ける!
学習の仕方に悩んでいる学習者が多いのが、Part 7(読解問題)です。Part 5と同様に、Part 7も「問題を解く」ことと「本文を理解する」ことを分けて考えてください。
問題を解くこと自体は勉強ではなく、実力チェックでしかありません。問題を解いて、解説を読むことで現在の力を確認します。この後が大切なのです。本文の英文と日本語訳を確認し、内容を理解したところからが学習です。
まずPart 7で意識していただきたいのが、「 ビジネス文書には決まった構造がある 」ということです。
上のように、まず冒頭で目的や概要が述べられ、その後に詳細へと入っていきます。
大切なことは、 冒頭をしっかりと理解する ことです。ぜひ構造を意識しながら読んでみてください。頭に入りやすくなります。
リーディングの学習で身に付く力は、単語力はもちろんのこと、文法力、慣用表現、速読力など多岐にわたります。また、ビジネス文書は共通する構成や展開]が多いため、構造を含めて学習することで、リーディング力アップを倍速化させます。
読むスピードを高める方法
単語力がついても読むスピードが速くなるわけではありません。なぜなら、単語力は知識ですが、読むスピードはスキルです。この2つを同時に高めるのが、 音声の活用 です。
英文と日本語訳を理解している教材を活用します。 音声を流しながら、そのスピードで意味を取る練習 が効果的です。これを繰り返すことで、英語を英語のまま理解する感覚を体験することができます。
「英文を後ろから訳しながら読んでいる」という方は、読むスピードが上がらずに悩んでいると思いますので、この音声を活用したトレーニングで、英語の語順で理解する力へと転換させることができます。ぜひ以下の流れで実践してみてください。
効果的なPart 7学習は以下の通りです。
- 問題を解いて、解説を確認する
- 英語・日本語訳ともに100%理解する
- 構造を意識しながら、冒頭から概要をつかみ、詳細への展開を理解する
- 音声を流して、そのスピードで意味をつかんでいく
- 音声なしで、音声と同じスピードで読んでみる
Part 6(長文穴埋め問題)は最後でOK!
ここまでPart 5の文法学習とPart 7のリーディング学習をお伝えしました。なぜPart 6(長文穴埋め問題)を飛ばしたか、には理由があります。
それは、Part 6で求められる力は「 Part 5で求められる知識 」と「 Part 7で求められるスキル 」だからです。Part 5とPart 7の学習をすることが、そのままPart 6に必要な知識&スキルとなります。
まとめ
「リーディングは学習がしにくい」と感じているかもしれませんが、工夫をすることでたくさんの知識やスキルを伸ばすことにつなげることができます。
前回 のまとめでもお伝えしましたが、学習する際には以下のことを意識してください。
- 難しいことはやらない!
- 正解数よりも理解度を優先!
- 徹底的な反復!
徹底的な基礎固めにより、理解度が徐々に高まっていくことを楽しんでください!
TOEIC学習におすすめ「究極のゼミ」シリーズ
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
- スマホ相手に恥ずかしさゼロの英会話
- 制限時間は6秒!瞬間発話力が鍛えられる!
- 英会話教室の【20倍】の発話量で学べる!