大人気連載の「3分で分かる英語勉強法」が帰ってきました。3分あれば、学べることがたくさんあります!TOEIC 対策特化型スクール「トイグル」の講師であり、代表の田邉竜彦(たなべ たつひこ)さんが教えます。8回目は、英語が正確に聞き取れるようになるディクテーションのコツを教えていただきます。
こんにちは。トイグルの田邉です。
英語を勉強していると、必ずぶつかる壁が聞き取りです。あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
- 早口で話されると何を言っているのかわからない・・・
- 話が長くなると英語についていけない・・・
英語が聞き取れない最大の原因は、音の識別がうまくできていないからです。
例えば、a lot of(たくさんの)は「アロロブ」のように音がつながって発音されます。「ア/ロット/オブ」のように分けて発音されるわけではありません。
音の識別力を向上させる練習法に「ディクテーション」があります。ディクテーションは英語の音声を書き取っていくトレーニングで、音の正確な区別ができるようになります。
実際、私の運営するTOEIC試験対策スクールでは、ディクテーションを通じて多数の方が聞き取り能力の向上を実感しました。リスニングセクションでほぼ満点を取った方もいらっしゃいます。
この記事では、ディクテーションのやり方を5つのステップに分けて紹介します。1つずつ見ていきましょう。
1. レベルに合った音声を用意する
はじめに、ディクテーション用の音声を用意します。音声は市販の英語教材、各種資格試験のリスニング音声、海外の映画や動画など、どんなものでも構いません。
ディクテーション用の音声を選ぶコツは、 今の自分のレベルより、1段階易しいものを使う ことです。
例えば、普段TOEICの長文リスニングパートを中心に練習している方は、短文パートを使用するとよいでしょう。英語に初めて挑戦する方は、市販の入門者向け教材がおすすめです。
2. ウォーミングアップとして音声を聞いてみる
次に、ウォーミングアップとして、準備した音声を2回から3回程度聞いてみます。文字起こしがついているものであれば、 英文を見ながら聞いても構いません 。
音声を聞く目的は全体像を理解することです。現時点で話の詳細までわかる必要はありません。音声の長さや話の大意をつかみましょう。
3. ディクテーションをする
ここまで準備ができたら、いよいよディクテーションを開始します。紙とペンを用意したら、音声を再生して、英文を一言一句紙に書き取っていきます。
英文はセンテンスごとに止めながら聞きます。途中で聞き逃した箇所があれば、その部分を繰り返し流しても構いません。ディクテーションは「暗記」ではないので、音声は何度でも聞いてもよいのです。
ディクテーションのポイントは、普段聞き逃してしまいがちな細かい点まで注意を払い、音声を正確に書き取っていく 点にあります。例えば、英語ではa/anなどの冠詞、inなどの前置詞、I'llなどの短縮形は弱く発音されます。こうした語も逃さないようにします。
ディクテーションは完璧を目指す必要はありません。知らない語、複雑な文法、判別できない音は何度聞いてもわからないものです。まずは同じ文章に3回取り組み、この時点で50パーセント程度の完成度を目指します。その後、音声を複数回聞き、 最終的に80パーセント程度の書き取りができれば十分 と考えましょう。
4. 書き取った文を見直しする
ディクテーションが終わったら、書き取った文の見直しをします。市販の教材の場合、英文のスクリプト(文字起こし)を使いましょう。動画や映画の場合、字幕機能をオンにすれば、音声が文字で見られます。
見直しでは 赤色のボールペンを用意して、間違ったスペルの修正、聞き取りができなかった部分の書き足し、その他細かい点の修正 をします。
通常、1つのセンテンスに最低1カ所、場合によって複数箇所の修正が入るものです。間違いがたくさんあったからといって落ち込む必要はありません。成長のチャンスと捉え、前向きに取り組みましょう。
5. ディクテーションを繰り返し行う
ディクテーションは一度だけやって終わるのではなく、中長期的に繰り返し行うと効果的です。
ディクテーションに慣れていない段階では、同じ音声を繰り返し使うとよいでしょう。2度目、3度目は音声をある程度記憶しているので、スムーズに書き取れるはずです。
1つの音声をやり込んだら別の音声に挑戦します。 興味のある話題を選べば、飽きずに長く続けられる でしょう。
まずは1カ月間、ディクテーションを継続してやってみてください。当初とは比較にならないほど、聞き取り能力が向上しているはずです。
まとめ
この記事ではディクテーションの効果と実践方法を紹介しました。ぜひとも試してみてください。
この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト「 英語を正確に聞き取れるようになるディクテーションの実践方法 」でご覧いただけます。
編集:増尾美恵子
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