3分あれば、学べることがたくさんあります!TOEIC 対策特化型スクール「トイグル」の講師であり、代表の田邉竜彦(たなべ たつひこ)さんに、3分で英語の上達法を教えていただく連載。11回目は、英語の発信力を磨くのに欠かせない「コロケーション(語と語の結びつき)」を覚える3つのポイントを教えていただきます。
こんにちは。トイグルの田邉です。
英語では、 語と語の慣習的な組み合わせをコロケーションと呼びます 。例えば、日本語の「白黒」に該当するものは、英語ではblack and whiteと言います。しかし、この語順を逆にしてwhite and blackと言うと、特別な意図がない限り、表現として不自然に響きます。
英語で話す、あるいは書くといったアウトプットをする場合、コロケーションは重要です。たとえ文が文法的に正しくても、コロケーションに誤りがある場合、正確な意図が伝わらない恐れがあります。
そこでこの記事では、コロケーションの覚え方について3つの方法を紹介します。ぜひ発信力を磨くヒントにしてください。
辞書を使って調べる
コロケーションのもっとも有効な調べ方は、辞書を使うことです。例えば、journey(旅)を『 オックスフォード 英語コロケーション辞典 』で引くと、次のような情報が出てきます。
on journey
旅行中で
journey from
~からの旅行
journey to
~への旅行
前置詞との結びつきでは、on journeyで「旅行中で」となるほか、別の意味でfromやtoがよく使われることがわかります。
私たちは英語をアウトプットする際、どうしても母語の影響を避けられません。「旅行中で」と言いたいときに、日本語の影響を受けてin journeyとすれば、それは不自然な表現となります。
こうした コロケーションの情報を体系的に学べるのが辞書 です。
コロケーションに特化した辞書のほか、一般の学習英語辞典でも、基礎的な語の結びつきは学ぶことができます。学習中、新しい語に出合ったら、辞書でコロケーションを調べる癖を付けましょう。すべてのコロケーションを暗記する必要はありません。目を通す習慣を付けるだけで、語彙の成長に大きな差が出るので、ぜひお試しください。
文脈で覚える
コロケーションは文脈から自然に身に付けることもできます。
例えば、英語の動画を観ているとき、話者が次のような発言をしたとします。
I took part in a video conference.
私はビデオ討論会に参加した。
take part in(参加する)がコロケーション を形成しています。また、 a video conference(ビデオ討論会)も語の自然な結びつき と言えます。
文脈からコロケーションを覚えるポイントは、語の結びつきに「気が付く」ことです。
ある複数の語がコロケーションを成しているとわかれば、そこから意味を推測したり、結び付きを知るヒントになったりします。
英文を読んだり聞いたりする場合、コロケーションに対して意識的になるようにしましょう。リーディングやリスニングが単なる作業から、生きたインプットへと変わります。
フィードバックを受ける
コロケーションの運用能力を上げるには、フィードバックを受けることも重要です。
フィードバックとは、自分が発信した英文について、母語話者から意見を聞くことです。例えば、あなたが英会話を練習する際、コロケーションの誤りがないか尋ねることができます。母語話者はコロケーションの可否を直感的に判断できるので、「それは自然な言い方だね」とか、「言いたいことはわかるけど、そういう表現はしない」のようなコメントをくれるに違いありません。
英語を書く機会のある方は、ライティングの添削サービスを受講するのも有効です。文法的に正しい文を作っても、修正が入っていれば、それはコロケーションに誤りがあるかもしれません。
一度フィードバックを受ければ、コロケーションに対する意識が変わります。以後、これまでとは比べ物にならないほど、注意深く英語を発信できるようになるでしょう。
まとめ
この記事では、コロケーションを覚える3つの方法についてお話しました。
コロケーションはほとんど無限と言ってよい程の組み合わせがあります。慣習的に決まるものが多いので、なぜそうした言い方をするのか、必ずしも理屈ですべて説明できるわけではありません。
これまで紹介した「インプットをする→気が付く→フィードバックを受ける」を繰り返すことで、少しずつ知識を発達させていきましょう。
この記事の詳細は、トイグルのウェブサイト「 コロケーションの種類と覚え方 」でご覧いただけます。
編集:増尾美恵子
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