英語を教えて早30年、癒やし系でいながら熱い指導が人気の久保聖一先生による英文法講義です。学校の授業とは全く違うアプローチで話題を呼んでいる 『1回読んだら忘れない中学英語』 (KADOKAWA)のエッセンスをぎゅっと詰め込んだ連載。第1回は英語の語順は「江戸っ子」風というお話です。
- 作者: 久保聖一
- 出版社: KADOKAWA
- 発売日: 2019/06/01
- メディア: 単行本
英語の語順は「江戸っ子」風
「英語の語順は、日本語とは全く違う。SV、SVO、SVCのような英語独自の語順を区別できるように・・・」など、英文法の授業で言われることが多いですね。
私に言わせると、確かに英語の語順は現代の日本語とは違う。ただ面白いことに、 英語の語順は、純和風で「江戸っ子」風なのです 。
ここでいう「江戸っ子」とは何でしょうか。簡単にいうと次の通りです。
〈江戸っ子とは…〉
- 核心・大事なところから話す
- 率直でストレート
- 核心から話すので、細かい説明は後付けになることが多い
「江戸っ子風=英語の語順」では、ネコの質問に急かされる形で、江戸っ子の男性がポンポンと答えていきます。回りくどい言い方ではなく、ストレートに核心から話していますね。
江戸っ子のせりふをまとめると…
「 僕は、食べた、人気のケーキを、ビルと、昨日の午後・・・ 」となります。
「僕は食べた」という一番伝えたい部分を最初に言い放っていますね。その後に細かい情報を加えていきます。「昨日の午後」のような、文の中にあったら詳しい状況や日時が分かるけれど、なくても問題ない細かい説明は最後に来ています。
対して、「日本語の語順」では「食べた」という核心部分はどこにありますか?そう、「私は◯◯◯◯を食べた」と文の最後まで登場しないのです。「江戸っ子」語順とは真逆です。
先の「江戸っ子」語順を英語にしましょう。
I / ate / a popular cake / with Bill / yesterday afternoon. 僕は / 食べた / 人気のケーキを / ビルと / 昨日の午後に英語の語順は「江戸っ子」風。これが英語の語順を学ぶ上での基本となります。
では、このことを踏まえて、日本人の多くが苦手とする「SVOとSVCの違い、見分け方」にクローズアップしていきましょう。
「映画のカメラワーク」で英語の文型を考える
私は SVO文型(主語+動詞+目的語の第3文型)を「S→O」 で表しています。一方で、 SVC文型(主語+動詞+補語の第2文型)は「S=C」 です。
両者の違いを説明するには「映画やドラマのカメラワーク」をイメージしてください。
第3文型:S→Oのイメージ
まず主人公のサムが映し出され、次にサムの心の動き(loves)が表現されます。最終コマでは、love の対象(相手)となるミキの顔がアップになります。
「行為者(サム)→行為(loves)→対象(ミキ)」の流れが生じるのでS→O です。
第2文型S=Cのイメージ
最初に主人公であるミキが映った後、2コマ目で、主人公の状態、正体が映し出されます。この場合は、もちろん「理科教師というミキの正体」が映ります。 「ミキ=理科教師」なのでS=C です。
2つのカメラワークを見比べることで、第2文型と第3文型は全くの別物ということがお分かりになると思います。
まずは、この2つの区別がつけば、文型における大きな壁を超えたことになります。
英語の語順には、他にもSV(第1文型)、SVOO(第4文型)、SVOC(第5文型)が存在します。実はこの3つは、すべてS→Oで説明できてしまうのです。
つまり、英語の語順は大きく分けて2つしかありません。
〈S→Oのグループ〉
SV(第1文型)
SVO(第2文型)
SVOO(第4文型)
SVOC(第5文型)
〈S=C のグループ〉
SVC(第2文型)だけ
まとめ
第4文型、第5文型など、ここで詳しく扱わなかったもの に関して も、書籍『1回読んだら忘れない中学英語』の中で丁寧に説明しています。
英語を話したり書いたりする上での基礎部分となる語順や文型 に関して 、今一度おさらいしたい方はぜひ書籍をご覧ください!
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