海外のテレビ番組は、語学上達には欠かせないアイテムの一つです。最近は動画配信サービス(VOD、Video OnDemandがとても安価で 契約できる上に、さまざまな番組を配信しているので、これを活用しない手はありません!今回は、ドキュメンタリー番組が充実している VOD「U-NEXT」を使った英語学習法について、詳しく紹介します。
2023年版最新記事
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目次
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U-NEXT ってどんなサービス?
以前の記事 では、VOD で海外ドラマを見ながら英語力アップを目指す方法をお伝えしました。今回は、U-NEXT を使った、英語力アップに役立つ方法をご紹介します
U-NEXT が他の VOD と違う一番大きな点は、動画の他に、 雑誌、マンガ、ラノベ (若者向けの娯楽小説) 、書籍 (雑誌以外はまとめて「ブック」と表現されています)を電子版で楽しめることです。
ただし、ブックのサービスは課金制で、読みたいタイトルごとに購入する点は注意が必要です。電子書籍で購入する料金とだいたい同じくらいの金額のようです。雑誌に関しては80誌以上が読み放題になります。
雑誌、マンガ、ラノベ、書籍に関しては、どうやら洋書や英語の作品はありませんが、英語力アップのヒントになりそうな本や、英語学習のモチベーションを上げるのに役立ちそうな本はあります。
U-NEXT は動画配信だけじゃない!
U-NEXT は動画配信とは別に、音楽配信サービスも提供しており、動画配信サービスとポイントの互換性があります。音楽配信サービスは 月539円(税込) なので、音楽も一緒に楽しみたいという人は検討してみるといいかもしれません。
動画配信サービスには、海外映画、海外ドラマの他、ドキュメンタリーや国内映画、国内ドラマ、オリジナル作品のほか、HK オンデマンドやニュース、アイドル番組など
幅広いジャンルが用意 されています。コンテンツ数は下記でご覧いただける通り、かなりのボリュームです。見放題動画21万本、レンタル動画2万本を配信しています。(2021年2月時点)ただし 、U-NEXT に申し込んだらすべてが見放題になるわけではなく、「レンタル」とある作品を見る場合は別途課金されます
料金は、 月2,189円(税込) です。これには見放題作品の視聴と雑誌読み放題が含まれる上に、毎月1200ポイントがもらえます。このポイントは、1ポイント=1円として、「ポイント」と表示されたレンタル作品の視聴やブックの購入に利用できます(ポイントが利用できない作品もあるようですので、レンタルする際は気を付けましょう)。
それから、 31日間、無料 で試せる「お試し期間」もあります。お試し期間でもポイントをもらえるので(普段の1200ポイントの半分、600ポイント)、レンタル作品や雑誌を含め、自分が好きな作品があるのか、使いこなせるのか、などを試してから本サービスの申し込みを決められます。 安心ですね!
米人気テレビ局のリアルタイム配信も見られる
さて、U-NEXT はここが違う!という点はどこでしょうか?
まずは前述の通り、雑誌の読み放題が含まれていたり、書籍の購入もできたりするところ。雑誌のラインアップの中にいつも読むものがあれば、動画と併せてお得に利用できそうです。
さらにうれしいのが、 アメリカの人気テレビ局のリアルタイム配信 があること。人気ドラマが目白押しの「FOX チャンネル」、歴史を紐解く社会派コンテンツの「ヒストリー」などがリアルタイム配信で楽しめます。
ただし、これらのリアルタイム配信は、字幕と吹き替えの切り替えができません。放送には字幕版と吹き替え版があり、英語音声・日本語字幕で見たい場合は、字幕版の放送時間に合わせて視聴する必要があります。残念ながら U-NEXT の番組表には字幕放送なのか吹き替え放送なのかの表示がないため、各チャンネルのサイトに掲載されているテレビ番組表をチェックすることになります。
とはいえ、最新の人気ドラマがいち早く見られるという利点はありますので、各チャンネルのテレビ番組表をチェックしながら、字幕放送のときをうまく狙いましょう。
なお、U-NEXT 自体はブラウザ(Google Chrome、Firefox、Edge、Safari で視聴可)やスマホアプリ(Android、iPhone)、ゲーム機(PlayStation4)、テレビ(Amazon やChromecast などのセットトップボックスや特定のテレビ)で楽しめるのですが、リアルタイム配信は iOS のアプリでは見られません。iPhone や iPad を使ってサービスを使いたい、と考えている人は気をつけてください。
U-NEXT で英語を勉強するメリット
機能面における U-NEXT の最大の特徴は、 再生速度が変えられる ことです。英語学習者にとっては、これはかなりありがたい機能ですよ!
以前dTVに関する記事で 書いた通り、dTV でも再生速度は上げられます。でも dTV になかった機能で U-NEXT にあるありがたいものが、再生速度を「下げられる」こと!パソコンで再生中は画面の右上にある歯車マーク、スマホのアプリで再生中は画面右下にある3つの点が縦に並んでいるマークをタップしてください。
パソコンでは「再生速度」の横に「+」と「-」が表示されるので、「-」をクリックすると0.6になります。再生速度を上げたいときは「+」をクリックすると、1.4倍か1.8倍に変えられます。スマホアプリの場合は、「再生速度」という表示の隣に「x0.6」「x1.0」「x1.4」「x1.8」とありますので、希望の数字をタップしてください。
再生速度を下げると、俳優がせりふを早口で言うシーンなどで聞き取りやすくなります。一方で、再生速度を上げる機能の使い道としては、高速で再生して速いスピードに耳が慣れたあとに普通の速度に戻すと聞き取りやすくなります。
速度を変えると音が響いて少し聞きづらいのですが、言葉はきちんと拾えるはずですので、リスニングの練習にぜひ活用してみてください!
U-NEXT でもう1つ特徴的なのは、ドキュメンタリーを含め映画やドラマ以外のコンテンツのバラエティーが豊かなこと。英語圏のドキュメンタリー作品は歴史や宇宙、科学、未解決事件などさまざまなテーマを深掘りするものが多く面白いのですが、U-NEXT にはリアルタイム配信を含めそういった作品がたくさんあります。
ドキュメンタリーで英語を勉強するメリットは、ドラマと異なり、プロのナレーターがスクリプトをはっきりと発音してくれるので音が聞き取りやすく、分かりやすいということ。つまり、まだリスニングに自信がないという人でも楽しめる可能性があります。ドラマでは会話が速過ぎてついていけない・・・と悩んでいる人は、ぜひドキュメンタリーを試してみてください。
難点は、ファンが書き起こしたトランスクリプトやスクリプトなどがインターネット上にたくさんある人気ドラマと違い、こうしたドキュメンタリー番組のスクリプトが公開されていることはほとんどないこと。そのため分からない単語が出てきても自力で聞き取り、調べる必要があります。でもその代わり、そうすることでリスニングがだいぶ鍛えられるはずです。トランスクリプトがないからといって諦めずに、再生速度を遅くする機能を駆使してチャレンジしてみてください!
U-NEXT で英語を勉強するデメリット
一方で、U-NEXT を英語力アップに活用する上でのデメリットは何でしょうか。最大はやはり、日本語の字幕が消せないところです。
どれだけ英語が聞き取れても、日本語字幕が出ているとつい目はそちらにいってしまうもの。英語力アップを図るためにも、日本語字幕は見ずに自力で聞き取って作品を楽しみたいところです。なので他の記事でもお伝えしている通り、画面の字幕部分に紙をテープで軽く貼って隠すなどして、字幕に頼らない環境をつくってください。
そして英語字幕を使えないという点もデメリット。英語圏発の動画配信サービスなら、聴覚に障害がある視聴者向けに英語で字幕を表示できるサービスを本国でも提供していることが多いのですが、日本発のサービスで英語字幕というのはなかなか難しいようです。
また、吹き替え版しかない(つまり英語で音声が聞ける字幕版がない)作品が意外と多いのも残念なところ。せっかく番組としては面白くても、英語の音声を聞けなければ英語の勉強にはなりません。
実際に U-NEXT を使って英語力をつけよう!
それではさっそく、実際に U-NEXT を使って英語力アップを目指してみましょう!
前述の通り、U-NEXT にはドキュメンタリーも多いので、ぜひそこからも選んでみましょう。ドキュメンタリーはドラマと比べ、吹き替え版しか用意されていない作品が多いようです。吹き替え版には「吹」マーク、字幕版には「字」が付いていますので、必ず「字」マークが付いているものを選びましょう。
*本ページの作品情報は2019年3月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
ご確認ください。
英語が初級レベルの人におすすめの作品
アグリー・ベティ(Ugly Betty)
アメリカで2006?2010年に放送されたコメディ・ドラマです。「Ugly」とは「みにくい」という意味。歯の矯正器具を付けていて少し太めで、ファッションセンスもイケていない、必ずしも見た目は美しくないベティが、ファッション雑誌で働くことに。でもベティは、いじわるや困難を明るくポジティブに乗り越えていきます。
南米のコロンビアで大ヒットしたテレノヴェラ(メロドラマを南米ではこう呼びます)をアメリカでリメイクしたものが本作品。ゴールデン・グローブ賞(アメリカにおける映画とテレビドラマに与えられる賞)やエミー賞(アメリカ放送界のテレビ部門における賞)を受賞しました。
英語が中級レベルの人におすすめの作品
ストーリー・オブ・ゴッド WITH モーガン・フリーマン(The Story of God with Morgan Freeman)
2016年にアメリカで放送されたドキュメンタリーです。俳優のモーガン・フリーマンが案内人となり、「宗教」や「死」などについて世界各地で専門家に話を聞きながら理解を深めていきます。シーズン1と2に分かれており、シーズン1は全6話、シーズン2は全3話あります。
モーガン・フリーマンの誠実な語り口と美しい映像が魅力的な作品です。また専門家として、イギリス英語やインド英語などさまざまなアクセントの人たちが登場するので、いろいろな英語に触れられます。単語が難しかったり哲学や宗教の話が難解だったりして一度に理解できない部分があるかもしれませんが、話すスピードは比較的ゆっくりなので、辞書を片手に繰り返し見て理解を深めましょう。
なお、この番組はレンタル作品なので見放題には含まれません。
ホワイトカラー(White Collar)
2009~2014年にアメリカで放送されたドラマです。刑務所に服役していた元天才詐欺師のニールは脱獄したものの、連邦捜査局(FBI)の捜査官ピーターに捕まってしまいます。刑務所に戻らなくて済む条件と引き換えに、知能犯罪コンサルタントとしてFBIの捜査に協力することになります。
登場するのが詐欺などの知能犯なので、難しい単語が出てくることもありますが、再生速度を変える機能を駆使しながら、ニールとピーターの友情やピーターの夫婦関係なども併せて楽しんで見てください。
英語が上級レベルの人におすすめの作品
イマジン(Imagine: John Lennon)
ジョン・レノンの人生を、テレビなどのインタビューや、本人が毎日の記録として撮っていた映像を基に振り返ります。この映画(ドキュメンタリーのカテゴリーにあります)が公開されたのは1988年とジョンの死後なのですが(ジョンは1980年に亡くなりました)、100時間以上のインタビューを使い映画のナレーションはジョン本人が語っているので、少し不思議な感じです。
古いテレビ映像やホームビデオで撮ったような日常のシーンがたくさんあり、しかもビートルズのメンバーたちはイギリスの北部リバプールのアクセントで話すため、必ずしも聞き取りやすい英語ばかりではありません。それでもビートルズ好きや音楽ファンには、英語での会話のネタとしてもぜひ見て欲しい作品です。
グッドドクター 名医の条件(The Good Doctor)
2017年秋にアメリカでスタートしたドラマの中で、最高視聴率を記録した人気作品であり、現在も放送が続いています。自閉症でサヴァン症候群の主人公が、外科医として成長していく姿を描いています。そのため基本的には医療ドラマですが、差別や虐待、ジェンダーなど社会的な問題にも触れており、考えさせられる作品です。
医療ドラマなので難しい単語がたくさん出てくるため、かなり難易度は高いと思います。ただ画面上にCGで説明が表示されるので、医療関係の語彙力を鍛えたいと思っている人は、その気になれば一時停止して頑張って調べることもできるでしょう。
まとめ
U-NEXT が英語学習におすすめのポイントをまとめます。
- 動画配信サービスだけでなく、雑誌の読み放題もできる。普段雑誌をたくさん読む人にはありがたいサービス。
- 毎月もらえるポイントは、動画レンタルに使用できる(対象外の作品もあります)。
- ドキュメンタリーが充実。海外ドラマが速くてついていけないと悩んでいる人は、ぜひドキュメンタリーを試してみてください。
- 再生速度の変更が可能。遅くも速くもできるので、この機能を駆使してリスニング力アップに励める。
編集:ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部
【トーキングマラソン】話したいなら、話すトレーニング。
語学一筋55年 アルクのキクタン英会話をベースに開発
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