英語で自分を表現する力を磨きたい!そんな方におすすめなのが、「TAGAKI(多書き)」です。英語で意見を言ったり書いたりすることが楽になって、TAGAKI の学習法にハマること間違いなし!連載5回目の今回は、TAGAKI のメソッドを考案したmpi松香フォニックス名誉会長の松香洋子さんに、検索したことを英文に反映させる書き方について詳しく教えていただきます。
- 作者: 松香洋子,mpi 松香フォニックス
- 出版社/メーカー: mpi 松香フォニックス
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「TAGAKI(多書き)」って何?
TAGAKI(多書き)は、文字通り英語を「たくさん書く」のですが、ただたくさん書けばよいというわけではありません。「考える 」→「書く 」→「伝える」 を繰り返し、これまでの日本人の学習に足りなかった、自己表現力の 不足 を段階的に補い、自己表現を楽しむことができる、全く新しい英語ライティングのメソッドです。
特徴
- TAGAKI には、レベル10から50までの5つの段階があります。簡単な課題からクリアして、徐々に高みを目指します。スポーツで例えるならボルダリングの簡単なコースから始めるイメージです。無理のないコースで練習するうちに必要な筋肉は自然についてきます。
- 英語力と 同時に 、自己表現力を磨く「メンタル面」の目標をレベルごとにクリアしていきます。
- レベルごとに用意された、たくさんのトピックで練習します。
- 「考える」→「書く」→「伝える」の3つのプロセスを繰り返します。
5段階の5つ目のレベル「TAGAKI 50」にチャレンジしよう
前回までの 「TAGAKI 10」 「TAGAKI 20」 「TAGAKI 30」 「TAKAGI 40」 に続き、今回は、5つの段階のうち、5段階目のレベル 「TAGAKI 50」を紹介します。
TAGAKI 50では、それぞれのテーマについて、インターネットで検索して調べものをし、その結果を入れつつ、独自性を出してきます。意見、締めのパンチラインも、今まで身に付けた力を総動員して、考えて書くステージです。
次の4つの疑問を解決し、スキルアップしていきましょう。
- どうやったら「自分の意見」を述べることができる?
- どうやったら「オチ」を自分で書ける?
- どうやったら「トピック」について検索ができる?
- どうやったらその「結果」を英文に反映できる?
- 検索した結果を英文に反映し、50語前後の英文を書く。 (英語の目標)
2文目は、Facts①(事実)、つかみの裏付けとなる英文を書き写します。
3文目は、Facts②(事実)、自分でトピックについて検索して調べた結果を書きます。
4文目は、Opinion(意見)、調べた結果についての自分の意見を書きます。
5文目は、 Punch Lines(おち)、自分でパンチラインを書いて最後を締めます。
- 自分の意見を述べ、「おち」も自分で考える。 (メンタルの目標)
Period /江戸時代">トピック:Edo Period /江戸時代
今回は、「Edo Period /江戸時代」をテーマに練習してみましょう。
手順 :早速、書いてみましょう!">ライティングの 手順 :早速、書いてみましょう!
次の1~7の 手順 で書きましょう。
1. はじめに、見本文の「つかみ」を読んで、テーマを読み取りましょう。
1文目:Catchy Sentence =「つかみ」を書きます。見本文を書き写しましょう。
Many people believe that the people of the Edo period enjoyed an advanced culture.多くの人々は、江戸時代の人々は先進的な文化を楽しんでいたと信じています。
2. 2文目は、つかみの裏付けとなる英文を書き写します。
2文目:Facts① =つかみの裏付けとなる事実、説明、描写の見本文を書き写します。
People enjoyed such cultural performances as sumo, rakugo (comic stories) and kabuki.人々は、相撲、落語(落語)、歌舞伎などの文化的な公演を楽しみました。
3. 3文目は、つかみの裏付けとなる英文を自分で調べて書きます。
3文目:Facts② =つかみの裏付けとなる事実、説明、描写を自分で調べて英語で書きます。
TAGAKI 50では50語前後の短い文を書くことを念頭に、まずは日本語で軽く検索をしてみましょう。江戸時代の文化で関心があることを検索してみてはどうでしょうか?気になるキーワードはありますか?
- 絵画
- 歌舞伎
- 文楽
- 寺子屋
- 藩校
- 江戸城
- 徳川家
- 相撲
- 着物
- すし
- 味噌
- しょう油
自分で英文を組み立てて、そこに必要な英語の単語を入れていけば、難しい書き方をしようとしてどうすればいいのか分からないという問題を避けることができます。
4. 4文目は「自分の意見」を書きましょう。カギは「書き出し(Sentence Starter)」
自分の意見を述べるためのカギは「書き出し(Sentence Starter)」です。耳慣れない言葉ですね?これが皆さんの意見の足場になります。さっそく見てみましょう。
I で始まる文
I think that ~(私は~のように考えます)I don’t think that ~(私は~ようには考えません)I understand that ~(私は~と理解しています)I’m proud that ~(私は~を誇りに思います)I’m glad to know that ~(私は~であることが分かりうれしいです)It’s で始まる文
It’s amazing that ~(~であることは、素晴らしいです)It’s surprising that ~(~だなんて、驚きます)「書き出し(Sentence Starter)」は決まり文句なので通じやすく便利で、自分の意見を表明するのに役立ちます。日本語では「~とは思いません」とか「~なのは驚きです」のように最後に意見をはっきりさせるのに対し、英語では文頭で意見を伝えます。私たち日本人は英語特有の語順に慣れることが大切です。It’s unbelievable that ~(~だなんて、信じられません)
It’s interesting that ~(~であることが興味深いです)
It’s great that ~(~であることは、素晴らしいです)
Hints for Opinions
I want to know more about Matsuo Basho (1644 - 1694), who wrote haiku that many people can recite even today.現在も多くの人が暗唱できる俳句を書いた松尾芭蕉(1644?1694)についてもっと知りたいです。
It’s great that Katsushika Hokusai (1760 - 1849) produced his world-famous drawings.葛飾北斎(1760?1849)が世界的に有名な絵を描いたことは素晴らしいことです。
5. 5文目は、「締め」のパンチラインを書き写しましょう。
まずは発想上の問題です。 そもそも 自分は日本語でも全く面白いことを言えないという人は、面白い人を観察する、面白い表現があったら書き留めておく、面白いことがあったらまずは笑ってみる、など努力するしかありません。
次は、おちを英語で言えない、という問題です。この問題を解決するには、絶対に人を笑わせなくてはとか、落語のようなすごく高級なおちが必要とかいう思いから自分を解放することです。どんなおちでも、言わないよりいいのです。ぜひ、テキストにある例文を参考に学んでください。「な?んだ。こんなのでいいのか」ときっと思うでしょう。そんなのでいいのです。
私がいつも思うのは、自分の意見をはっきり述べるのが大切という文化がある国では、おち、ユーモア、冗談といった緩衝材、つまり衝撃を和らげる方法が必要なのではないか、ということです。どんなにきついことをはっきり言っても、それをおちでまとめればいいというわけです。
日本人も本当は冗談が大好きです。それを言う場とか、相手とかにこだわるのですが、冗談やユーモアが嫌いなわけでも、苦手なわけでもありません。
このTAGAKI 50を実際に使用して学んでくれた大学生たちも、この短い文章の中で毎回、おちをつけることが苦しく、楽しく、癖になったと言ってくれました。ぜひ、この力を身に付けてください。
Basho’s most famous haiku reads: “An ancient pond/ a frog jumps in / the splash of water.”松尾芭蕉の最も有名な俳句には、「古池や蛙(かわず)飛び込む水の音」というものがあります。
People all over the world know Hokusai’s print, “The Great Wave off Kanagawa.”世界中の人々は、葛飾北斎の版画「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」を知っています。
6. 作成した英文5つを覚えて(何も見ずに)、書きましょう
7. 最後に、作成した英文5つを(何も見ずに)声に出して言ってみましょう
誰かに伝えるつもりで言ってみましょう。
おわりに
いかがでしたか?これまで日本の教育現場では、文法には難易度があるという考えに基づいて、シラバスが組まれてきました。
TAGAKIシリーズは、より簡単、より日常的、と思われるトピックから学習を始め、徐々に日本のこと、世界のことなどへ広げてくというトピック別のシラバスの学習です。英語を話せるようになるためにとても大切です。
TAGAKI 10から50では、政治、経済という時事問題は取り上げず、ごくごく軽い、日常的な話題で、皆さまに学んでいただきたいものを選んでいます。まずは、基礎的なやさしい英語を自由自在に操れるようになって、自信を持っていただきたいです。その 先に きっと新しい世界が開けているはずです。 Good luck ! 次回は皆さんが大好きなテストです。お楽しみに!
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- 10 語(前後)から自分を発信できるようになる方法
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文:松香洋子(まつか ようこ)
株式会社mpi 松香フォニックス名誉会長。「J-SHINE小学校英語指導者認定協議会」理事。放送大学教員免許 更新 講習講師。
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