脳科学に基づいた4ステップでスピーキングを攻略!【インプット編】

巷で話題沸騰中の「スパルタ英会話」。短期集中で確実に成果を上げるその学習法について、徹底解説する連載3回目。今回はそのトレーニングメソッドの核心に迫る、前編です!

脳科学で話せるようになる!?

連載の 第1回第2回 では、学習前のマインドセットを行ってきました。第3回となる今回は一歩踏み込み、実際のトレーニング法について学びましょう。 スパルタ英会話では、 脳科学に基づいた手法を用いて、トレーニングを行なっています 。これを読みながら、みなさんも実際にトレーニングしてみてくださいね。

話せるようになるために何をするか?

トレーニングを始める前に、どのように学習していくか、概要を説明しましょう。これは スピーキングできるようになること にフォーカスしたトレーニングです。これまでの日本の学校での英語学習はスピーキングのためというよりも、テストで点数を取るための学習が中心でした。そのため、いくら勉強してもスピーキングは苦手…という人が多いのかもしれません。 これをガラッと変えるには、どのようにトレーニングすればよいのでしょうか?

SPARTA英会話式スピーキングメソッド

スピーキング力をつけるため、スパルタ英会話では4つのステップを踏みます。

STEP 1 短期記憶化

STEP 2 長期記憶化

STEP 3 使う練習

STEP 4 使いこなす

英語学習という言葉で皆さんが思い浮かべるものと、近かったでしょうか、遠かったでしょうか。学習のメインは文法?英作文?いいえ、上記ステップを見てわかるように、 記憶が重要 なのです。さらに言えば、 スピーキングができるようになるための記憶 が必要です。

スピーキングのための記憶って?

スピーキングのための記憶とは何なのか?簡単に言ってしまうと、 声に出しながら、身振り手振りをしながら、トレーニングのように記憶する ということだと説明しています。 少しだけ専門的な話になりますが、「スピーキング」と「リスニング・ライティング・リーディング」を行う場合では、使う脳の部位が異なります。リスニング・ライティング・リーディングでは、「言語野」という言語を使うための部位を使うのに対し、スピーキングでは「言語野+運動野」を使います。つまり、言語を使うための部位に加え、運動神経・反射神経を使うのです。 よって、話せるようになるためには必ず、 声に出すという動きを伴ったトレーニングが必要 になります。 ちなみに 、声に出せるようになってしまえば、あとはスペルを覚えることにより、ライティング、リーディングへの応用も可能です。また、声に出してトレーニングすることで、「音で耳から覚える」ことにもなるので、リスニングの力も高くなってきます。

4ステップその1:短期記憶化するために

ワーキングメモリーを短期記憶へ

人間の記憶には3段階あります。それは「ワーキングメモリー」「短期記憶」「長期記憶」の3つと言われています。 つまり人間は、少しだけ触れた情報はまず、ワーキングメモリーというすぐ忘れてしまう記憶の貯蔵庫にしまってしまいます。さらにその後、10秒以上連続して触れた情報は短期記憶化するので、スパルタ英会話式の記憶法では自分専用の英会話トークになるような 単純な1センテンスを10回連続して声に出してもらいます

忘れて当たり前、だから復習する

皆さんは、「エビングハウスの忘却曲線」という話を聞いたことはありますか?短期記憶化した情報も、その後、時間がたつにつれてどんどんと失われていく、という話です。一般に、20分後には最初に記憶したうち、58%しか残っていないと言われています。つまり、約半分は忘れてしまうのです。1週間後には23%の記憶しか残っていません。ほぼ8割の情報は忘れるということですね。これを防ぐためには、以下のように 5回のタイミングで復習すると効果的 だと言われています。

  1. 10分後
  2. 1時間後
  3. 1日後
  4. 1週間後
  5. 1カ月後
とはいえ、現実的には10分後や1時間後に毎回勉強するのは難しいですよね。そのためスパルタ式記憶法では、 1日10回×3セットを声に出すことで、短期記憶を保つ ことを目標にしています。

セット学習でこまめに・必ず復習を

学習するセンテンスは10回連続で声に出していきますが、よくやってしまいがちなことが、膨大な数の英文に取り組もうとし過ぎて、疲れたらその場でやめてしまうということです。先ほど述べた通り、1時間も勉強していると、その時点で最初に勉強した部分は少しずつ忘れ始めているのです。それを防ぐため、1日の学習時間は 事前に 決め、その中で何度も復習のポイントを作り、学習した内容を無駄にしないようにしましょう。そのために、1日3セットを繰り返すという学習法をおすすめしています。

「たくさん勉強しなくては」と考えて、 とりあえず 取り組む センテンスの量を多くしてしまう人が多いと思いますが、忘れてしまっては意味がありません。量を確保するよりも、学習したことを無駄にしないことの方が重要です。量でなく、1つのセンテンスに対する質を意識しましょう。 「この英文は100%覚えた」という範囲を作ることは、その後の学習に対する自信にもつながります。英文1つずつにしっかり向き合い完璧に覚えることで、着実に目標を達成していきましょう。

4ステップその2:長期記憶化するために

定着させるには「1週間触れ続ける」こと

さて、短期記憶化するために10回×3セットを声に出しました。ここからは、さらにその短期記憶を長期記憶化していきましょう。というのも、短期記憶も「エビングハウスの忘却曲線」によるとゆるやかに忘れていってしまうからです。一生使える英会話スキルにするためには、短期記憶ではなく、長期記憶化することが必要です。

突然ですが、昔ハマっていて今はもうやっていないゲームのキャラクターの名前、いまだに覚えていませんか?何年もやっていないのになぜ覚えているのか、不思議に思ったことはないでしょうか?これは、ゲームをしている期間、継続的に同じ情報に触れ続けていることにより、気づかないうちに長期記憶化されているからです。学習もこれと同じで、 学習したことを一生思い出せるようにするためには定期的に触れ続ける必要があります

復習には5つのタイミングがありますが、現実的にそのペースで復習するのは難しい、という話をしました。そこで、少し簡単に取り組めるようにするために、 同じ英文の復習は、1週間続ける と考えるとよいでしょう。毎回、覚えているかのチェックをして、忘れてしまっていたらまた10回声に出して思い出せる状態にもっていきます。この復習が英会話スキル習得に非常に効果的になります。 やりっぱなしにしないことが無駄なく学習するコツ です。

時間が余ったらとにかく復習

ちなみに 、1週間触れ続けた後も1カ月後の復習は必要です。そのため時間が余ったら少し前に学習したことを復習しましょう。1カ月後でも2カ月後でも、とにかく復習しましょう。 新しい英文をどんどん覚えようとするよりも、自分が確実に使える、限られた必要な範囲を完璧に覚える方が英会話スキル習得の近道 となります。

まとめ

いかがでしたか。意外に地味な 作業 、大変な 作業 だと感じたかもしれません。短期間でスピーキングできるようになるためには、「1センテンスにここまでやらないといけないんだ」と感じてもらえれば幸いです。このインプットの積み重ねが、その後のアウトプットにつながってきます。次回第4回では、そのアウトプットのトレーニング方法について解説していきます。お楽しみに!

 

spartan-english.jp

文:小茂鳥雅史(スパルタ英会話)  https://spartan-english.jp/
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編集:江頭茉里

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