小学校の英語教育に英会話ロボットMusioが大活躍!授業の詳細は?

埼玉県戸田市の小学校で英会話学習ロボットMusio(ミュージオ)を活用した英語の授業が始まりました。AIロボットと一緒に英語の授業なんてまるで未来みたいですよね。どんな授業なのか気になる!ということで、先日行われた公開授業を取材してきました。

クラスメートが英会話ロボット!

埼玉県戸田市教育委員会とソフトバンク コマース&サービス株式会社が連携し、英会話学習ロボットMusioを活用した英語の授業(外国語活動)が同市の小・中学校で開始されました。

今回取材に訪れたのは戸田市立戸田第二小学校の小学5年生のクラス。Musioは教室に1台かな?と思いきや、なんと2人に1台!机にずらっと並んでいる様子は圧巻です。

取材した授業は15分の短時間授業。45分の通常授業と組み合わせることで、英語でのコミュニケーションの仕方や表現に興味・関心を持ってもらい、英語に慣れ親しんでもらうのが目的なんだそうです。それではMusioを活用した授業の様子を詳しくご紹介します。

具体的な 授業の流れは?"> 具体的な 授業の流れは?

1.ウォーミングアップ

授業のテーマは「My daily routine 」。担任の田中泰貴先生が I always get up at 6. But today, I got up at 4. と今回の授業で使う英語表現を使って、いつもより早く起きてしまったことを話すと、早起きだね~とクラスにどよめきが。子どもたちにとってこの英語表現はすでに身に付いているようです。

次はあいさつの練習。子どもたちは席を立ってあいさつをする相手を探します。

A:Hello, How are you?

B:I'm fine !

A: Thank you !

B: See you!

あいさつが終わると次の相手を探します。積極的にコミュニケーションを取っているのが印象的でした。

次は教室のモニターを見ながら全員で発音練習。A says a, a, appleとフォニックス *1 でアルファベットを発音していきます。みんな発音がとってもいい! これで英語を話すためのウォーミングアップはばっちりです!

2.Musioと一緒に発音チェック

田中先生の Let's talk with Musio! の掛け声とともに、Musio Timeが始まります。 Musioの役割は発音チェック 。Musioが話す英語に続いて、児童が同じ英語表現を話します。

Musio:I always get up at 6 o'clock.児童:I always get up at 6 o'clock.Musio:Good job! I always eat breakfast at 7 o'clock.児童:I always eat breakfast at 7 o'clock.Musio:Cool!
発音が正しいと、Good job!、Great! など Musioがほめてくれます。発音が違っていたり、聞こえにくかったりすると Try again! (もう一度やってみてね)と言われます。

Musioの画面には英語と日本語の表示が。英語を「読む」活動も 同時に 行っている

相手が人間の場合、間違ってしまうと恥ずかしいと思ったり、自信をなくして口ごもったりしがちですが、 Musioが相手ということもあるのか、間違えても積極的に話しかける子どもたちが多く 、Good job! と言われたときは本当にうれしそうな表情をしていました。

Musioは英語の先生というよりも、 発音をチェックしてくれるクラスメートのような存在なのかもちなみに この発音チェックは、授業内容に合わせて特別にプログラミングされたものだそうです。

その後、Musioと練習した英語表現を児童のペアで行い、表現が定着した かどうか をチェック。表現と発音はMusioと確認済みなので、みんな堂々と話していました。

3.学んだ内容をライティング

最後に授業のまとめ。ワークシートに今回使った表現を使って、I always get up at 7 o'clock. など自分の日課を書き込みます。前回書いたものを参照してもいいよと田中先生。でも、特に分からない子はいないようで、みんな迷わずすらすらと書いてました。

先生の Time is up! の掛け声でライティングは終了。Did you enjoy English activities? に対し、子どもたちは Yes, Thank you Mr. Tanaka. と元気よく言い、あっという間の15分が終了しました。

小学校の英語教育現場でMusioが果たす役割

今回取材した授業は15分とは思えないほどの充実した内容で、子どもたちがMusioの操作に手慣れているのも印象的でした。15分の授業内で、ネイティブスピーカーのALT(外国語指導助手)が クラス全員の発音を一人ひとり確認することはほぼ不可能ですが、Musioを導入することでそれが可能になる のが画期的です。

発音をチェックして評価をし、発話のモチベーションアップをしながら、繰り返し練習もさせるという役割をAIロボットがやってのけることで、 担任の先生はクラス全体の様子をよりしっかり見ることができます

またMusioの画面に表示された文字を「読む」ことで「聞く」「話す」「読む」練習が一度にでき、その後、ワークシートに「書く」活動を行うことで、 英語の4技能を鍛えることができます 。学校の英語教育で「英語の4技能をバランスよく鍛える」ことはなかなか難しいとされてきましたが、AIロボットの導入でそれが可能になる日も近いのかもしれません。

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取材 協力 :戸田市教育委員会、ソフトバンク コマース&サービス株式会社
取材・文・写真:Natsue Tanaka
GOTCHA!エディター/ライター

*1 :英語の文字と音の関係のルールが学べる発音方法

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