カリスマ英語講師Mr.Evineがお届けする、「大人の中学英語」シリーズ。最終回となる今回は、「疑問詞の使い方」に焦点を当てます。クイズ形式で疑問詞の正しい使い方を学び、英語のコミュニケーションに磨きをかけていましょう。
目次
疑問詞の誤用例と学習法
Hi, there! Evineです。早速ですが、英文法クイズです。
今回も僕の「やりなおし英語JUKU」に通う社会人の生徒(30~50代)たちによる英文法の誤用傾向に基づいたクイズを出します。今回は「疑問詞の使い方」がテーマです。
英語初級者(中学英語の一般的な基礎内容は理解しているレベル)が勘違いしがちなネタをご用意したので、チャレンジしてくださいね。クイズは全部で6問。生徒の正答率は・・・クイズの後で発表します。早速、トライしてみましょう!
適切なものを[ ]の中から1つ選び、自然な英文を完成させましょう。
- 「どうやってそんなパスワードを思い付いたの?」
[How / What] did you come up with the password?
- 「どうしてそう考えたのですか?」
[What / Why] made you think that?
- 「図書館は何時まで開いてるの?」「たぶん午後8時までかな」
[How / When] late is the library open? — Maybe, until 8 p.m.
- 「僕ってどう見える?」「学生よ」
[What / How] do I look like? — A student.
- 「彼女のパーティーに彼が何を着ていったのか知ってる?」
Do you know [what he wore / what did he wear] to her party?
- 「今日の面接はどうだったの?」「えっと、どう思う?とりあえずベストは尽くしたよ」
[How / What] was your interview today? — Well, [ what / how ] do you think? I did my best anyway.
さて、いかがでしたか?
今回の正答率は約18%と、前回よりはUPしましたが、消去法でやってしまった方が大半で、初級学習者がポイントを区別するのは難しいクイズでした。
答え合わせで文法ポイントをチェック!
早速答え合わせをしていきますが、正解していても解説にあるポイントに一致していない場合は△ですよ。
- [How] did you come up with the password?
【「手段」を尋ねるHow 正答率 32%】
疑問詞howとwhatはさまざまな会話シーンでもキーフレーズですのでしっかり区別をしたいところです。文意より「手段」「方法」を尋ねる疑問詞How(どのように)が正解です。Whatは主語の内容や動作内容そのものの情報を尋ねるために用い、今回は誤りです。何を尋ねたいかで疑問詞は区別しましょう。
※ come up with ~ (~[考え]を思い付く)
- [What] made you think that?
【「主語の情報」を尋ねるWhat 正答率 6%】
「何が~したのか?」と「主語」に関する情報を尋ねた疑問文です。疑問詞のポイントは当然「何を尋ねたいのか」にはなりますが、実は疑問詞にも品詞の役割があります。このWhatには「代名詞」の働きがあり、一方、Whyは「理由」を尋ねる「副詞」の働きをしています。
そこで文法的に考えると、主語は名詞しかなれませんので名詞の働きをする代名詞Whatが文法的にも正しいとなります。副詞は主語になれないためこの位置でWhyを用いることはNGです。文意を考えるとWhyが自然な気もしますが、文法的なアプローチで正解することができます。
- [How] late is the library open? — Maybe, until 8 p.m.
【「程度」を尋ねるHow 正答率 18%】
疑問詞Howは形容詞・副詞で示される「程度のレベル」を尋ねることができます。今回であれば副詞late(遅く)とセットにすることで、「どの程度の遅さ」なのかを尋ねた疑問文(どれくらい遅いのか)になっています。When(いつ)は単体で、「時」を尋ねますので、他の形容詞・副詞とセットにはなりません。
- [What] do I look like? — A student.
【「目的語の情報」を尋ねるWhat 正答率 2%】
文意で考えるとHowと間違えてしまう問題でした。ここは文法的に考えます。疑問詞は尋ねたい内容がポイントになると同時に、文法的にはもともとどの箇所にあったもの(つまり品詞的な働きが重要)が疑問詞になっているのかを考えることも大切です。
ここではlook like ~(~のように見える)のlikeの後に続く部分が疑問詞に変化したものと考えることができます。そこで品詞を考えると、実はこのlikeは前置詞です。前置詞の使い方ポイントは「前置詞+名詞」でしたね。つまり、今回は名詞の部分を言い換えた疑問詞になりますから代名詞の働きをする What が正解ということになります。Howは副詞ですから名詞部分を尋ねることはNGです。
※ What ~ like?は口語表現として、相手の感想や印象を尋ねるのに役立ちます。
- Do you know [what he wore] to her party?
【間接疑問文 正答率 26%】
What did he wear to her party?(彼女のパーティーに彼は何を着ていったの?)という疑問文を他動詞know(~を知っている)の目的語(=名詞)として用いた間接疑問文「疑問詞+主語+動詞」です。間接疑問文は、疑問文ではないため、普通の英文が疑問詞の後に続きます。
間接疑問文は「名詞」のカタマリとして、主語、目的語、補語の役割をしますが、基本的には目的語の位置で他動詞とセットになることが多いです。間接疑問文の表現方法のおかげでWhat did he ~?とストレートな質問ではなく Do you know ~?「~を知っていますか」とまさに間接的に尋ねることができます。
- [How] was your interview today? — Well, [what] do you think? I did my best anyway.
【「様子」を尋ねるHow 正答率40% /「考え」を尋ねるWhat 正答率 4%】
まずは質問する側の文を見てみましょう。疑問詞howは「どんな感じ?」なのかを尋ねたい場合に用います。今回であれば面接の手ごたえがどんな感じだったのかをhowで尋ねたものです。
※ ちなみに問題1の「手段」を尋ねるhowですが、これも「どんな感じでやるのか?」とプロセスを尋ねると考えましょう。
次は回答する側の文です。What do you think?は「どう思う?」と相手の意見を尋ねる表現になりますがHowは誤りです。Howは、どんな感じでその考えに至ったのかというプロセスを尋ねる響きになり不自然です。単純に、相手の意見・考えを「何?」と尋ねるWhatでOKです。
Mr. Evineの「やりなおし」学習ポイント!
会話をスムーズに進めるために疑問詞をきちんと理解しよう
今回は特に学習者が間違えやすいWhatとHowの区別が中心でした。
スピーキングの練習で、「疑問詞」は欠かせません。会話に不慣れなうちは、自分から質問を切り出すことで、会話の流れが作りやすくなります。また自分から質問しているので、話の展開がある程度はイメージできるため、相手の英語がより理解しやすくなります。
下の表のように、疑問詞は尋ねるポイントをしっかり押さえるだけではなく、品詞も一緒にチェックしてください。品詞の基本的な使い方は事前にしっかり覚えておきましょう。
※ whose は「whose+名詞」のカタチで形容詞として用いるのが基本。
※ how は形容詞的に働く機能もあります。
それぞれの疑問詞ごとに、いつでも簡単な例文が浮かぶように日々準備しておくといいですね。
日本語訳から疑問詞を考えるのはやめよう
ちなみに日本語はあくまでも参考程度にしましょう。問題4の「僕ってどう見える?」や問題6の 「どう思う?」のように、日本語の表面だけで疑問詞を整理すると日本語訳と英語が合わないパターンも多くあります。疑問詞に限らず「脱」日本語で文法を整理する意識が日常会話力につながります。
さて「大人のための中学英語」は全6回、英文法をテーマにお届けしましたが、一貫して「目的」を意識して英文法を整理し使い分けることの重要性をお伝えしてきました。またニュアンスだけに偏るのではなく、英文法の知識で会話表現を整理するというアプローチも大切でしたね。
それではまた機会があれば、英文法ネタを引っ提げて登場したいと思います。
Thank you.
トップ写真:Jac Alexandru from Unsplash
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