映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回一つ紹介します!映画『バレンタインデー』から、「誤解を解く」という言うときの表現です。
今日のおすすめ表現
set someone straight
setもstraightも非常にシンプルで簡単な単語ですが、この2つを使って「誤解を解く」という意味のフレーズをご紹介します。
誤解している人に正しい情報を提供したり、真実を伝えたりして、誤解のない状態にするという意味です。
表現の出どころ
この表現が使われているのは、2月にぴったりの作品『バレンタインデー』(原題:Valentine’s Day)。
こうした豪華俳優陣が、バレンタインデーにまつわる人間模様を描き出し、それぞれの話が同時進行していくというグランド・ホテル形式で展開します。本連載を長く読んでくださっている方なら、「グランド・ホテル形式って聞き覚えがあるな!?」と気づいたかもしれませんね!そう、 2019年12月にご紹介した映画『ラブ・アクチュアリー』(原題:Love Actually)もこの形で作られていました 。
この手法は、英語ではensemble castと呼ばれています。
表現の使い方
バレンタインデーを過ごす1組のカップル、リズ(アン・ハサウェイ)とジェイソン(トファー・グレイス)とのやりとりで、今回のフレーズが出てきます。
ジェイソンの家で初めて一晩を過ごしたリズは、バレンタイン当日の朝、時間に気付いて慌てて出ていこうとします。引き止めようとするジェイソンに、楽しかったとお礼を言ってリズはこう続けます。
And there is fresh coffee for you in the kitchen.
あと、キッチンにコーヒーを入れておいたから。
I think I’m out of coffee.(コーヒー、切らしていると思うけど)と答えるジェイソンに、リズはYou were.(切れてたよ)と言い、I borrowed some from your neighbor.(お隣さんに少し借りちゃった)と続けます。
さらに、さらりとこう言って去っていきます。
She was surprised you had female company. Thought that you were gay. Don’t worry, I set her straight. Bye.
あなたに女性の来客がいたって知って、彼女、びっくりしてた。ゲイだと思ってたんだって。心配しないで、誤解を解いておいたから。じゃあね。
ここでいうcompanyは当然ながら、会社という意味ではなく、来客や仲間など、一緒に過ごす相手を指しています。この意味で使われるときは、不可算名詞になりますので気を付けてくださいね。
また、リズがsheと呼んでいるのは、コーヒーをくれたというお隣さん。ジェイソンのことをゲイだとお隣さんは誤解していたわけですが、リズはI setと言っていますね。つまり、ジェイソンはゲイではないという情報をリズがお隣さんに伝え、その誤解を解いておいた、という意味です。
まとめ
set someone straightで、someoneの部分に「人」を入れて、その人の誤解を解く、という意味になります。同様、set the record straightで、「物事をはっきりさせる」や「誤解を解く」という意味です。
今回はバレンタインにぴったりな作品を選んでみました。ちなみに、日本ではバレンタインデーといえば、女性が男性にチョコレートをプレゼントするのが定番ですが、欧米では、男性が女性にバラの花やキャンディなどをプレゼントするというパターンが一般的です。でも性別に関係なく、愛を伝え合えたら素敵ですね!
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