映画は生きた英語の宝庫。おすすめ映画から、ちょっとおしゃれですぐに使える英語表現を毎回一つ紹介します!映画『バレンタインデー』から、“I’m on it.”という英語表現を取り上げます。
今日のおすすめ表現
I’m on it.
今回は、例えばあなたが担当している仕事について、上司に「あの件、どうなった?」などと聞かれた際に、「今やってます!」と答えるときに使えるフレーズをご紹介します。
表現の出どころ
この表現も、前回同様、2月にぴったりのロマンティック・コメディ映画『バレンタインデー』(原題:Valentine’s Day)からです。
1990年にジュリア・ロバーツとリチャード・ギアの主演で大ヒットしたロマンティック・コメディ映画『プリティ・ウーマン』(原題:Pretty Woman)を手掛けた、ゲイリー・マーシャルがメガホンを取りました。
作品中、リード(アシュトン・カッチャー)が、同僚であり友達でもあるアルフォンソ(ジョージ・ロペス)と話しているときに、ラジオで「ルーミー」という詩人が書いたポエムが読まれます。また後半でも、同じ詩人のポエムをアルフォンソが引用するシーンも出てきます。
「ルーミー」とは、13世紀に活躍したペルシャの詩人ジャラール・ウッディーン・ルーミーのこと。英語圏では“Rumi”として知られています。作品の中でアルフォンソが持っている本は、表紙からしてこの本だと思われます。
日本語でも彼のポエムを訳した本が何冊か出ていますので、ぜひ興味がある人は探してみてくださいね。
表現の使い方
アメリカン・フットボールのプロ選手であるショーン・ジャクソン(エリック・デイン)は、チームとの契約が切れたばかりで、今後どうするかを思い倦(あぐ)ねています。そこで、広報担当のカーラ(ジェシカ・ビール)に電話。カーラがWhat’s going on?(どうしたの?)と聞くと、浮かない声をしたショーンは、こう言います。
Media blitz on my career has begun.
俺のキャリアに対するメディアの集中攻撃が始まったんだ。
blitzとはもともと軍事用語で、「急襲」とか「集中空爆」を意味します。
大丈夫?と聞かれたショーンは、こう答えます。
Of course I'm okay. It comes with the territory.
もちろん大丈夫だよ。この世界には付きものだから。
come with the territoryとは、その領域においては当然のことである、ということ。つまりプロのアメフト選手であれば、戦績やキャリアについてあれこれ言われるのは仕方のないことだ、と言っています。さらにショーンは続けます。
What I'd love is for my highly paid publicist to take care of it.
たっぷり報酬を払っている広報担当者に、対処してもらいたいんだ。
するとカーラは、こう答えます。
I'm on it. I've got my people standing by and a press release ready to go.
もうやっているわ。人も手配して準備万端、いつでもプレスリリースを出せる状態よ。
I am on it.は、話題になっている事項について今やっている、もしくは解決すべき問題に取り掛かっている、という意味です。
まとめ
この作品、公開当時の興行成績はよかったらしいのですが、批評サイトでの評判はあまり高くはありません。
映画やドラマなどのデータベースサイトiMDb.comでは、評価が10点満点中5.7点。出演者の豪華さという意味では楽しめますが、同時進行している話が多すぎて、それぞれの話はそこまでの深みがない・・・というのが私の率直な感想です。
とはいえ、扱っている題材が恋愛や人間模様であることから、出てくる単語は難しいものではありませんし、日常的なやりとりを学べるせりふもたくさん出てきます。ここはお目当ての俳優や英語学習など、目的を割り切って作品を楽しむといいかもしれません!?
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