クリスマスは、世界中がとても楽しみにしているイベントの一つです。さまざまな国でお祝いされていますが、果たして全て同じような内容なのでしょうか。調べてみると、国によって違った過ごし方をしていることがわかりました。日本とはまた違った楽しみ方をしている世界のクリスマスをご紹介します!
日本で「サンタさん」と言えば、サンタクロースのことですよね?実はこれは世界共通の呼び名ではありません。オランダでサンニコラのことをSinter Klaasと呼ばれていたものが、アメリカに渡り、サンタクロース(Santa Claus)になったと言われています。それが日本に伝わったのですね。※諸説あります。
サンタさんではなく、ル・ペール・ノエル:フランス
フランスでは、サンタクロースのことを「ル・ペール・ノエル(クリスマスのお父さん)」と言います。フランスのクリスマスには三つの特徴があります。
一つ目はクリスマスに関連する法律があることです。1962年に作られたこの法律は、子供たちからル・ペール・ノエルへはがきが届いたら、ル・ペール・ノエルは必ず返事を出さなければいけないというものです。この法律のもと、毎年クリスマスには、子供たちはお返事として届くハガキを楽しみに待っています。
二つ目は、ル・ペール・ノエルの隣にフェタールというの人がいることです。このフェタールは、「鞭打ちおじさん」という意味で、いい子にル・ペール・ノエルがお菓子やプレゼントをあげるのと反対に、悪い子供を鞭で懲らしめる人とされています。日本では知られていませんよね。
三つ目は、パリなどの北フランスにはない習慣の、フランス東南地方(=地中海沿岸)にだけある、クリスマスのデザート、「13デセール」(13 Dessert:13種類のクリスマスデザート)です。これは、クリスマスイブの深夜にあるミサの後に食べる13のデザートのことです。キリストと12人の使徒をあらわしているそうで、13種類は町や各家庭によって違います。しかし、干しなつめや干しぶどうなどのドライフルーツ、果物の砂糖漬け、クレモンティンヌという小さなみかん、くるみ、アーモンドなどのナッツ類、ヌガーや焼き菓子などのシンプルなものが多いようです。デザートが13種類もあると聞くと喜んでしまいますが、クッキーやケーキ、チョコレートやキャンディなどが13種類あるというものではありませんね。
夏が終わればクリスマス?:フィリピン
フィリピンのクリスマスは、おそらく世界で一番長い期間クリスマスを楽しむのではないでしょうか。9月頃から飾り付けなどの準備が始まり、翌年1月くらいまではそのままです。なぜフィリピンではそんなにも長い間クリスマスが祝われるのか、理由はわかりませんが、9月(September)、10月( October)、11月(November)、12月(December)の「~ber」となるこの4ヶ月は気温がどんどん下がっていき、クリスマスへ向けての国民の熱はどんどん上がっていきます。
フィリピンは国民の約9割がカトリック教徒なので、家族全員で教会に行ったり、クリスマスのある週には親戚同士で集まったりします。特に12月には特別な「Misa De Gallo」というミサがあります。このミサは12月16日から24日までの9日間行われ、毎日朝の4時ぐらいから始まります。そして最終日の24日には、多くの人は朝だけでなく夜のミサにも行きますが、25日のクリスマス当日にもクリスマスミサがあり、人々は教会へ行きます。
外国から見たら変わっているの?:日本
キリスト教国ではありませんが、日本でもクリスマスはお祝いされます。厳密にいうと、お祝いとは言えないかもしれませんが、恋人や親しい友人、家族などと一緒に楽しい時間を過ごす大切なイベントになっています。宗教的な背景がないので、世界の過ごし方とは違い、海外の人にはユニークだと思われているようです。
多くの国ではクリスマスは家族と過ごすことが多いようですが、日本ではクリスマスは恋人たちのものというイメージが強いのではないでしょうか。実際には家族や友達と過ごす人の方が多いのかもしれませんが、クリスマスが近づくと「恋人へのクリスマスプレゼント」を売り出すお店が増え、子供のおもちゃとは違い高価なものが並びます。もちろん海外でも、恋人にプレゼントは送るでしょうが、日本の場合には「恋人だけ」にプレゼントを用意していませんか?両親やおじいちゃんおばあちゃんに、若い人たちがプレゼントを選ぶ習慣はまだ浸透していませんよね。
ほとんどがキリスト教徒ではないのでミサに行くこともありません。そのためクリスマスイブには恋人同士はデートをしたり外食を楽しんだり、イルミネーションを楽しみながら散歩をしたりします。
そして留学生や海外からの旅行者に面白いと言われるのが、クリスマスにケンタッキーのチキンを食べる習慣がある人たちがいることです。ケンタッキークリスマスは、1970年から始まった特別なクリスマスキャンペーンで、今でも予約開始が始まると多くの人がお店に行き予約をします。そしてクリスマス頃にはそれを取りに来るお客さんで、お店には長蛇の列ができます。ケンタッキーの年間の売り上げの約1/3は、この期間のキャンペーンからだと言われるほど人気なのだそうです。
ケンタッキーのお店の入り口に立っているカーネルサンダースがサンタの格好になると、「クリスマスがやってくるなぁ」と実感するのは日本人だけなのかもしれませんね。
真夏のクリスマス:オーストラリアや南半球の国
オーストラリアでももちろんクリスマスはお祝いされますが、南半球にあるため季節が逆です。そのため北半球にある国々とは過ごし方も違っています。
クリスマスの時期、オーストラリア夏です。そのため、屋外で行われるイベントが多くあります。例えば、「Carols by Candlelight」というのイベントがあり、クリスマスイブの夜、みんなが公園などに集まり、ろうそくに明かりを灯して一緒に歌をうたったりします。イベントによっては芸能人も参加して行われます。
また、ビーチでクリスマスパーティーを行うことも多いです。家族で海に行き、泳いだりバーベキューをしたりします。ビーチにはクリスマスツリーが飾られていることもあります。
一般家庭も街もオフィスもキラキラ:アメリカ
アメリカのクリスマスは、日本でも映画やドラマなどでよく目にすることもあるのではないでしょうか。12月になると、さまざまな場所でツリー用のもみの木が売られています。日本ではあまり目にしませんが、生のもみの木が売られているのです。家族で毎年どの木がいいのか選びに行くのも楽しそうですよね。家の中も木のいい香りがしそうです。ツリーに飾るオーナメントもさまざまな種類があり、ツリーだけでなく家中、外観までもきらびやかに装飾する家庭もあります。公園やオフィスもクリスマスのデコレーションがされ、楽しい気分になります。
そして、日本の年賀状のようにアメリカでは親戚や友人にクリスマスカードを送る習慣があります。そのカードに感謝やグリーティングのメッセージを書いて送るのです。
クリスマスイブの食事、クリスマスディナーが大切にされており、家族が集まりご馳走を一緒に食べます。また、子供たちはサンタさんに感謝]を伝えるように、寝る前に煙突の近くにクッキーと牛乳を置いておきます。翌朝にはツリーの下や靴下の中にプレゼントが入っています。
日本でもキリスト教系の幼稚園や学校ではこれらの習慣が子供達に伝えられ、お家でやる子供もいるようです。
いかがでしたか?今年のクリスマスは少し違った1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。日本にも教会はあり、クリスマスにはミサが行われ夜遅くまで開いているところもあります。どの教会もきっとウェルカムで、人々を迎え入れてくれることでしょう。また、いつもは恋人にしか渡していないプレゼントを、家族に渡すのもいいですよね。そしてケンタッキーのチキンを予約して、仲の良い友達とパーティーの計画を立てるのもこれからクリスマスに向けての楽しい予定ができて良いかもしれませんね!
執筆&編集:あの国で留学 編集部
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