正しく「発音」できればリスニングはできる!1カ月で180点上がるTOEICの授業を大公開

TOEICのリスニング対策はどんなことをしていますか?GOTCHA!でおなじみのリチャード川口さんは、オリジナルのカリキュラムを駆使し、1カ月で学校の生徒全体のTOEICの平均点を180点上げた実績のある講師です。編集部が英語学校、RK English Schoolの「TOEICのリスニング編」の授業で体験した内容をあますことなくお伝えします!

前回は「TOEICのリーディング」の授業に“潜入”したときの様子を紹介しました。

実はTOEICマスターのリチャードさん。バンクーバーで7年半、TOEIC専門校の有名講師で、学校の生徒のTOEIC平均スコアを1カ月で180点アップさせた伝説を作った方です。もちろん、ご本人も990点(満点)を何度も取得しています。

そんなリチャードさんは、リスニングは誰しも満点が狙えるセクションだと言います。ホントに?一体どうやって?

というわけで、今回はリスニングの授業内容を紹介します!

TOEIC リスニングクラスの特徴は?

リスニングの対策を進める際にまず大切なのは、本番で問題を解いたとき、何が原因で間違えてしまったかをしっかりと把握すること!リチャードさんは、次のいずれかの要素が原因だと言います。

  • 音の認識力
  • 単語や表現の知識
  • 文法の知識
  • 正しい解き方の知識

一つ一つの問題に対して、「なぜ間違えたのか」→「何をすればいいのか」を明確にし、リスニングの勉強で迷子にならないよう導いてくれます。

「なんとなく解けるようになった」ではなく、具体的な知識や技術を確実に身に付けていくのがRK English School流です。

発音できないと聞き取れない!

リスニング対策と言えども、授業は発音の練習に重点を置いて行われます。 聞き取れない部分は「自分も同じように発音できる」まで、徹底的に発音 をし、完璧に再現できるように練習します。

そのあと、もう一度同じ音声を聞いてみると、ほとんどの生徒は「聞けなかった音が聞こえるようになった!」「なんで最初聞こえなかったのかわからない」という反応になるそう。

ただ問題を解いて答え合わせをする、いわゆる「数をこなして慣れる」ことは自宅でもできます。授業ではTOEIC対策のための、 授業でしかできない「掘り下げた」学習 を意識して行っているそうです。さて、どんな授業が行われているのでしょうか?

「TOEICリスニング」クラスの授業を体験してみた!

RK English Schoolの「TOEICリスニング」のクラスは毎週土曜日14:30から75分間です。普段は遠方からSkypeでの参加している方もいるそうです。

そして、この授業の前にある「TOEICリーディング」のクラスと一緒に1日に2コマ受講する方が多かったです。独学もいいですが、同じ目的を持つ仲間同士で勉強をすると、刺激になってモチベーションが上がりますよね。

まずはパート3の問題。2人あるいは3人による男女の会話の音声を聞いて、3つの4択問題に答えます。音声を聞く前に、正解率を上げる方法を伝授していただきました。

パート3のリスニングの問題は基本的には聞きながら回答!全部聞いたあとに答えると、記憶力の勝負になってしまうんだよね。それだとネイティブでも間違えてしまうこともある。リスニングで音声が聞けるチャンスは・・・1回だけだからね!

だから勝負の勝因の8割を担うのは事前の準備、「先読み」だ!リスニングの問題のパターンは、音声の全体の内容から判断する「全体系」と、一カ所から答えを拾う「部分系」に分けられるよ。「部分系」は聞きながら解かないといけないから要注意だね。何が問われているのか、事前に問題に目を通して分析し、音声が流れたときに、作戦に沿って集中力を効率よく使っていくのが大事だ。

具体的にどうやるかというと、例えば下の問題。51番と52番は、それぞれ “the man””the woman” の行動や発言を問う問題なので会話全体ではなく「部分系」、つまり会話の内容の一部に正解がある問題だと分かる。特に52番の問題については、「女性が言ったこと」が問われているので、目線を52番に持っていくといいね。

実際のTOEICのテストは問題用紙に書き込むことができないけど、 聞きながら解かないといけない「部分系」の横に指を置いておく と、聞きながらマークシートを塗るときの、問題と解答用紙との目線の行き来がブレなくていいよ。

パート3の会話問題は、会話を聞いている間に3つの設問に解答してしまうので、設問が読み上げられている間は次の3問の先読みをします。ですから、「Number 51」と音声が聞こえたくらいのタイミングでまだ解答していない問題があったら、適当に解答用紙に丸を付けて、次の問題の先読みに入った方がいい。もし、読み進めるペースが崩れてしまったらどうなると思う?あとに待っているのは地獄でございます・・・!!

このように、事前に設問内容の綿密な分析・解析があり、実際に音声が流れるときは確認作業を行うだけの状態になっていて、生徒全員、この問題に正解することができました。

リスニングとスピーキングを繰り返してTOEICの点を奪取!

問題を解いたあと、さらに、流れた音声のスクリプトを全員で音読して、理解を深めます。

どこか、発音できなかったところはなかったかな?
I have to print a report of the figures on Friday. がうまく発音できないです。
まずは内容語、ストレスの位置を意識して、have、 print、 report、figures、 Fridayをしっかり発音してみよう。/r/の子音と母音の部分、特に意識してね。んで、残りをごにゃごにゃっと曖昧にして・・・
あ はふた ぷりんな ぅりぽーろっだ ふぃがずん ふらぃでぃ。
Awesome! いい感じっ!発音のポイントは「リズム感」。音声のリズムがネイティブとシンクロするようになると、英語が全然速く感じなくなって、断然聞き取りやすくなるよ。

このように、リスニングの授業は

  • 1.問題を先読みする(分析・予測する)
  • 2.問題を解く
  • 3.スクリプトを声を出して読む
  • 4.スクリプトをリズムを付けて読む(イギリス発音の特徴のある単語なども、手拍子をしながら、イギリス発音の物まねまでして、発音してみる)

を行い、とにかく同じ問題を先読みして、解いて、音読して、リズムに合わせて何度も目にしたり、声に出したりするので、終わったあとは、すっかりその英文が体に染み付いていました。

リチャードさんいわく、 リスニングのコツの一つとして、リズム感が重要 なんだそう。棒読みではなく、リズム感を持って読めるようになると意味も入ってきやすくなるとか。

テンションを上げて思いっきり手拍子をしながら発音し、ときにはジョークも交えながらの授業で、試験対策の勉強なのに、こんなに楽しくていいの!?と感じました。

「TOEICリスニング」の授業を受けた感想

1. こんなに話しまくるTOEICの授業は初めて!!!

リスニングの授業は「解き方の順序とテクニック」と「発音」を徹底的に行い、リスニング力を身に付ける、「テクニック」と「リスニング力アップ」の2つに重点を置いた内容でした。

イギリス英語なまりなどもあいまいにせず、ネイティブに徹底的になりきってリズムを取りながら発音したあと、また同じ音声を聞くのですが、すでにリズムが体と感覚で分かっているので、びっくりするぐらい聞き取れるようになっています。

2. 納得するまで学べる!

TOEICの試験は出題のパターンがあるので、そのパターンがしっかり理解できるまで、1問ごとにじっくりと時間をかけます。また、生徒の理解が深まるように、講師は何度も質問をしながら、生徒全員の疑問がなくなるまで次の問題には進みません。音声を聞いて声に出すことも何度も行いながら、実際に発音ができているかも確認。最後には、授業で使った文章を完全に自分のモノにできます。

3. どんなレベルの人でも同じクラスで楽しめる

通常、TOEICの授業というと、レベル分けされているイメージだったので、大丈夫かな?と思いましたが、全く問題ありませんでした!

いろいろな英語のレベルの人が発音を練習して、リスニングをパーフェクトにしていく流れで進めるので、どんなレベルの人でも同じクラスで楽しめます。

「解き方の順序」と「テクニック」、「発音」ができるようになって「リスニング」ができるようになることを目指す、中身の濃い授業でした。

授業は1カ月単位での通学が可能です。遠方でもSkypeでレッスンを受けることができるので、興味のある方はぜひ、参加してみてくださいね。

RK English School

2013年にリチャード川口が立ち上げた、講師全員がバイリンガルの英会話スクール。無料の英会話ラウンジや、「発音」「表現力」「英語脳」「TOEIC」などの技術の習得に特化しているのが特徴。留学しなくてもネイティブと対等にコミュニケーションができる「イケてる英語」が楽しく習得できる。
「RK English School」詳細はこちら

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リチャード川口
リチャード川口

英語学校 RK English School 校長。 産業能率大学 客員教授。カナダ生まれ。オーストラリア、アメリカ、日本育ち。 明治大学卒業後、バンクーバーへ渡り、TOEIC専門学校の講師になる。学校の運営をはじめ、企業での研修、テレビやラジオのメディア出演、番組制作、小学校から大学、さまざまな教育機関とのコラボを通じて「日本人英語のネイティブ化」を進めている。 著書に『 バンクーバー 発音の鬼が日本人のためにまとめた ネイティブ発音のコツ33 』(明日香出版社)、『 発音記号キャラ辞典 』(KADOKAWA)など。
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取材・文・構成:伊藤忍

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