「確認する」はcheckそれともconfirm、どちらを使えばいい?【技術英語&ビジネス英語の単語使い分けクイズ②】

ビジネスのあらゆるシーンに出てくる「確認する」という言葉は、check / confirmのどちらを使えばいいか分かりますか?メールやマニュアルなど、英語の文章・文書の作成では単語の使い分けで悩むものです。こうした「よく似た意味を持つ単語の使い分け」を分かりやすく解説した書籍『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から、特別にクイズ形式の記事をお届けします!

まずは穴埋めクイズに挑戦!

次の2問のカッコの中には、片方に「check」、もう片方に「confirm」が入ります。それぞれの文脈に注意しながら、どちらにcheck/confirmが入るのか答えてください。

1.装置の使用を始める前に、バッテリーの残量を確認してください。

Before starting to use the device, (   ) its remaining battery.

2.Submit ボタンをクリックする前に、すべての入力をご確認ください。

Before clicking the Submit button, (   ) all the entries.

クイズの解答と解説

それでは、答えと使い分け方を見ていきましょう。

1.【状態、状況などを確認するケース】

「状態、状況などを確認する」場合にはcheckを用います。この例文では、バッテリーの残量の状態を確認するように言っており、checkが適切です。

装置の使用を始める前に、バッテリーの残量を確認してください。
Before starting to use the device, (check) its remaining battery.

2.【本当に間違いないかを確認するケース】

「本当に間違いないかを確認する」場合にはconfirmを用います。この例文は、入力した内容で本当に間違いないかを確認するように促していますね。confirmを入れるのが適切です。

Submit ボタンをクリックする前に、すべての入力をご確認ください。
Before clicking the Submit button, (confirm) all the entries.

プラスαの知識

①【(想定通り)~である/ないことを確認するケース】

1.と2.で解説した使い分け以外に、「(想定通り)~である/ないことを確認する」と言いたい場合は、that節を後ろに続けてcheckとconfirmのどちらも用いることができます。

機械の運転を開始したら、異常音が発生しないことを確認してください。

  • After starting to run the machine, check that an unusual sound is not generated on the machine.
  • After starting to run the machine, confirm that an unusual sound is not generated on the machine.

機械が問題なく動いていれば、異常な音は出ないはずですよね。上記の例文も、事前に「異常音は発生しない」と想定している⇒「機械の運転を開始したら、(想定通り)異常音が発生しないことを確認してください」と言っているので、checkとconfirmのどちらも当てはまります。

②【(想定とは関係なく)~であるかどうかを確認するケース】

また、想定とは関係なく「~であるかどうかを確認する」という状況であれば、checkを用いて後ろにif節を続けます。

データの転送が失敗した際は、ケーブルが外れていないかを最初に確認してください。
When data transfer fails, first check if the cable has come off.

この例文は、もし失敗した場合、ケーブルが外れているかどうかを確認することを促しています。「失敗するはずだ」と事前に想定していたわけでも、その通りであることを確認させる状況でもないので、check+if節となります。


「確認する:check / confirm」の使い分け

確認」を表す「check」「confirm」の使い分け方をまとめると、次のようになります。場面や用途に応じて使い分けられるように確認しましょう。

状態、状況などを確認する check
本当に間違いないかを確認する confirm
(想定通り)~である/ないことを確認する checkとconfirmのどちらも可。
that節を後ろに続ける。
(想定とは関係なく)~であるかどうかを確認する checkを用いて、後ろにif節を続ける

英文作成の「あるある」「困った」を解決する1冊

仕様書、マニュアル、メール、特許文書などの英文作成に困った経験はありませんか?『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』は、英語の技術文書に頻繁に登場する、よく似た意味を持つ単語の使い分け方を知ることができる1冊です。

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「和英辞典を引くと、訳語がたくさんあって結局どれを使えばいいか分からない」
「翻訳ソフトやAI翻訳ツールを使ったら、なんだかしっくりこない英文になった」
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こうした「あるある」や「悩み」に一つでも心当たりがある方におすすめです。

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※この記事は、『日本語から引く 技術英語の名詞・動詞 使い分けハンドブック』から一部編集・抜粋してお届けしています。

上田 秀樹(かみた ひでき)
著者:上田 秀樹(かみた ひでき)

延べ15年にわたって精密機器メーカー2社に在籍し、英語でのテクニカルコミュニケーション業務に携わる。(株)ケンウッド通信事業部にてチーフエンジニアを務めた後、英語でのテクニカルコミュニケーションの指導方法を研鑽すべく留学。アメリカとオーストラリアの大学院にてテクニカルコミュニケーションの教授法並びに英語教授法の研究に従事する。カーネギーメロン大学修士課程修了(プロフェッショナルライティング修士)、シドニー工科大学修士課程修了(英語教育学修士)、サザンクイーンズランド大学博士課程修了(教育学博士)。現在、法政大学情報科学部・非常勤講師。主な著書に『エンジニアのための英文メールライティング入門』(朝日出版社)、『ネイティブの心をつかむ英文マニュアル作成メソッド』(電気書院)、『ネイティブに通じる英文技術文書の書き方』(工業調査会)、『50の構文でわかる技術英語の書き方』(工業調査会)『英語で考える力をつけるトレーニングブック』(ベレ出版)がある。


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