絶対に覚えるべきTOEIC Part 2に頻出の重要語句と定型表現10選

『TOEIC(R) L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』の発売にあたり、著者の勝山庸子さんにPart 2対策について語っていただく本連載。第3回は、Part 2で押さえておくべき要注意単語と定型表現を紹介します。

「あの単語さえわかればなあ!」

授業でPart 2の問題を解いているときに、生徒さんたちの多くがもらす感想です。

リーディングセクションは当然として、Part 3や4と比較しても、Part 2には特段に難しい単語が含まれているわけではありません。それでも語彙と定型表現の知識がないことがネックとなって問題に正解できないことは意外と多いのです。

前回も書いたように、Part 2は設問文も選択肢も短いため、知らない語句が1つあるだけでも全体の意味がわからなくなる可能性が高いと言えます。そして、「知っている」と思っている単語や表現であっても、油断は禁物です。なぜなら、TOEICテストでは、語彙や表現が学校で学んだのとは違う意味で出題されることがあるからです。

『TOEC? L&Rテスト Part 2 リスニング解体新書』にも、Part 2に頻出の重要語句と定型表現のリストを掲載していますが、スペースの関係で書籍では取り上げられなかったものも多くあります。ここではそれらも含め、Part 2の頻出語彙・表現の中でも特に苦手とする人が多いものを選んでご紹介します。知識に漏れがないかの確認にお使いください。

意味はすべてを網羅しているものではありません。Part 2に出題されやすい意味を中心に掲載しています。

要注意単語

Part 2は1問が短く、どんどん会話(設問)が切り替わっていくので、一瞬のうちに英語を聞き取って意味を理解しなければなりません。他のパートよりも単語の難易度は低いと言われていますが、一方で確実な知識が必要となります。ここでは、重要な単語とそれを含む頻出フレーズを挙げています。単語、発音、意味、使われる場面などの知識を、聞こえたら瞬時に処理できるレベルになるようしっかり覚えてください。

1. appreciate /əpríːʃièit/

【動】~に感謝する

I appreciate that.(ありがとうございます)は申し出を受け入れるときに使われる応答です。

2. award /əwɔ́rd/

【名】賞 【動】賞を与える

employee of the month award(月間最優秀社員賞)やawards ceremony(授賞式)は定番のトピックです。日本語では「アワード」と表記されますが、第2音節の発音は「ワ」よりも「ウォ」に近いので注意!

3. figure /fígjər/

【名】数字、数値、図表

名詞と動詞がある上に多義語なので、聞こえてきたときに「どの意味だろう?」と迷ってしまいそうですが、Part 2では名詞の「数字、数値」という意味で用いられることが圧倒的に多いです。会議の資料に関する会話に主に登場します。sales figures(売上高)も押さえておきたい表現です。

4. launch /lɔntʃ/

【動】~を発売する 【名】発売

名詞はproduct launch(製品の発売)、動詞ならばlaunch a new line of products(新しいラインの製品を発売する)などのフレーズで頻出です。

5. expire /ikspáiər/

【動】期限が切れる

保証期間の期限切れに関する会話は多く、the warranty expired(保証期間が切れた)は頻出フレーズです。なお、名詞のexpiration(有効[使用]期限切れ)はexpiration date(有効期限)で出題されます。

6. application /æ̀plikéiʃən/

【名】申し込み(書類)、応募(書類)、アプリケーション

job application(求職申し込み)、submit an application(応募書類を提出する)などはリーディングセクションにも出てくるTOEIC頻出フレーズです。スマホなどの「アプリケーション」という意味で使う場合、英語では短縮形はappとなり、日本語の「アプリ」とは異なるので注意。

7. equipment /ikwípmənt/

【名】備品、機器、装置

TOEICでは、オフィスなどのコピー機や机、文房具類などあらゆる機器や備品の総称として使われる言葉です。Part 2では、turn on [off] the equipment(機器の電源を入れる[切る])やthe office equipment(オフィス機器、オフィスの備品)、electrical equipment(電気機器)などの形で登場します。最初の音節が弱く発音され、聞き取りづらいので、注意しましょう。

8. statement /stéitmənt/

【名】計算書、明細書、声明

Part 2では報告書や明細書などの文書を指すことが多く、financial statements(財務諸表)は頻出です。

9. position /pəzíʃən/

【名】職、仕事の口、位置

求人や求職は頻出のトピックです。management position(管理職)や apply for the position(職に応募する)などのフレーズで用いられます。

10. inventory /ínvəntɔ̀ri/

【名】在庫調べ、在庫品

TOEICでは店員や倉庫スタッフの会話の中でしばしば登場し、help you with the inventory(在庫調べを手伝う)やcheck the inventory(在庫を確認する)などのように使われます。

定型表現

Part 2にはさまざまな定型表現(熟語やイディオムなど2語以上からなる決まり文句やフレーズ)が登場します。定型表現は知らないと意味が分からないものが多いだけでなく、音変化が起きやすいという特徴もあります。したがって、頻出のものは典型的な応答を丸ごと覚える学習方法が効果的です。また、音声付きのTOEIC教材や電子辞書、オンライン辞書を使って発音も確認しておきましょう。

1. just (right) around the corner

意味:すぐそこ、近くに、もうすぐ

A: How far is the nearest post office? 一番近い郵便局までどのくらいの距離ですか?
B: It's right around the corner. すぐそこですよ。

直訳すると「その角のところに」ですが、イディオムとして「(場所や時間が)すぐそこだ、もうすぐだ」という意味でも用いられます。aroundの最初のaが弱く発音される上にrが多く聞き取るのが難しい表現です。

2. not until ~

意味:~までは…ない、~になれば…する

A: When do you expect the clients to arrive? クライアントはいつ到着しますか?
B: Not until one P.M. 午後1時までは到着しません(=午後1時以降に到着します)。

省略しない形ではI do not expect them to arrive until one P.M.となりますが、Part 2の選択肢ではNot until ~で始まる省略した形で出題されます。

3. a while ago

意味:しばらく前に、少し前に

A: Have you seen Sandra today?
今日Sandraを見かけましたか?
B: She left for San Francisco a while ago.
少し前にサンフランシスコに向かいましたよ。

a while agoは「少し前に」という意味の頻出表現です。whileを含む表現には他にfor a while「しばらくの間」、after a while「しばらくして」などがあります。

4. either is fine

意味:どちらでもいい

A: Do you want to drive to the construction site or take a bus?
建設現場へは運転していきますか、それともバスに乗りますか?
B: Either is fine.
どちらでもいいですよ。

選択疑問文に対して「どちらでもいい」と答えるときの定番表現です。eitherには/íːðər/(イーザァ)と/áiðər/(アイザァ)の2通りの発音がありますので慣れておきましょう。

5. in charge of ~

意味:~を担当[統括]する

Who's in charge of the new promotional campaign?
誰がこの新しい販促キャンペーンの担当者ですか?

Part 2最頻出の定型表現です。charge(動詞:~を充電する、~を請求する 名詞:料金、責任)は多義語ですが、in charge of ~はかたまりで覚えてしまいましょう。responsible for ~と言い換えられます。

6. drop off

意味:(人や物)を乗り物から下ろす、(物)を届ける

Do you mind dropping off this package at the lawyer's office?
弁護士事務所にこの小包を届けてもらえませんか。

「(人や物)を乗り物から下ろす」というのが元の意味ですが、TOEICでは「(物)を届ける」という意味でよく用いられます。offは副詞で、目的語が代名詞の時はdrop it offのように語順が変わります。

7. be supposed to do

意味:~することになっている、~するはずだ

Isn't the caterer supposed to be here by now?
今頃はもう、ケータリング業者はここに来ているはずではないのですか?

設問文にも応答文にも登場する表現です。設問文中で用いられる場合は例文のように「~することになっていたのにそうではなくて意外だ」と驚きを表すことが多いのが特徴です。

8. fill out ~

意味:記入する

Could you please fill out the customer satisfaction survey?
顧客満足度調査に記入していただけないでしょうか?

fill out an application form(応募用紙に記入する)というフレーズもよく出題されます。 

9. take care of ~

意味:(物事)に対応する、~を処理する、~の面倒を見る

A: Shouldn't we send out the invitations today?
招待状を今日送った方がいいのではないでしょうか?
B: Tim has already taken care of it.
Timがもう対応しました(=送りました)。

「面倒をみる」のほうが親しみがあるかもしれませんが、Part 2では「対応する、処理する」という意味で使われることが多く、戸惑う方が多いようです。take careはtakeの最後とcareの最初の音がくっついて発音されるので、音変化にも注意が必要です。

10. run out of ~

意味:~が不足する

We're running out of copy paper.
コピー用紙がなくなりそうです。

コピー用紙が足りなくなるのはTOEICのあるあるシチュエーションの一つです。なお、runがbe動詞に置き換わったbe out of ~は「〜がない」という状態を表し、We’re out of copy paper.は「コピー用紙を切らしています」という意味になります。

いかがでしたか。特に定型表現は、使われている単語はとても簡単なのに、元の単語から意味が推測できない表現が多かったですね。Part 2には印刷された設問や選択肢がなく、すべて音で聞き取らなければならないのも難しい点です。学習する際には、できる限り音声もあわせて確認するようにしましょう。

勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)
勝山庸子(カツヤマ・ヨウコ)

TTT 11期生。カリフォルニア大学大学院にて社会学を学び、帰国後は大学と英会話学校でTOEIC・TOEFL・英検などのテスト対策講座や英会話などの授業を担当。TOEIC® L&Rテストは18歳の時から現在まで断続的に受験を続けている。米国で苦労して英語を学んだ自身の経験に基づく丁寧な指導には定評がある。TOEIC® L&Rテスト 990点(満点)、英検1級(日経Weekly賞)。共著に『TOEIC(R) L&Rテスト Part 5 語彙問題だけ555』、執筆協力は『TOEIC® L&Rテスト 直前の技術』『TOEIC(R) L&Rテスト 200%活用模試』『TOEIC(R) L&Rテスト 究極の模試600問+』(以上アルク刊)など、アプリ教材も含め多数。趣味は英語学習も兼ねた洋楽・洋画鑑賞と英語のPodcast視聴。

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