「one-on-one」でそのまま使える英語表現【チームを動かすIT英語実践マニュアル】

グローバル企業のITプロジェクトにおいて、英語コミュニケーションや多文化・リモート環境のせいで苦労している、、、そんなあなたの悩みを、現役シニアエンジニアとして日々ITチームを率いている著者が、解決します。今回のテーマは「one-on-one(ワン・オン・ワン)」。ITの現場で頻出の英語表現を紹介します。

グローバルな職場でも困らない! ワン・オン・ワンでそのまま使える英語表現

ITの現場でよくあるシチュエーションを乗り切るための「実践マニュアル」である『チームを動かすIT英語実践マニュアル 』から、今回はone-on-one((ワン・オン・ワン)に使える英語表現と実例を紹介します。

one-on-one(ワン・オン・ワン)
1 on 1(ワン・オン・ワン)。上司と部下が1対1で行う面談。

想定される場面
あなた(技術責任者)は新しい直属の部下とのビデオ会議で、初めての1 on 1をしようとしています。

課題
新しいスタッフと行う最初の1 on 1の目的は、相手が目標を達成しやすくすることと、組織で活躍するメンバーとなってもらうために、チームとしてどのようなサポートができるのかを明確にすることです。

相手に親しみと関心を示す

いきなり仕事の話を始めるのは「あなた個人には特に興味がない」と言っているのと同じこと。相手に人としての関心を示し、仕事以外のことも聞いてみましょう。特にリモートワークが増える中、ビデオ会議で開口一番「プロジェクトの進捗は?」と聞かれるのは気持ちのいいものではありません。以下のような表現を使い、気持ちよく会話をスタートさせましょう。

早い時間帯:How are you today?
(今日の調子はどうですか?)
遅い時間帯:Howʼs your day going?
(今日はどのように過ごしていますか?)

これらを踏まえて使えるシンプルな英文を見てみましょう

週の初め:How was your weekend?
(週末はどうでしたか?)
週の後半:Any plans for the weekend?
(週末に何か予定はありますか?)

伝達事項の後 、本題に入る

Iʼd like to make a short announcement.
(手短にお伝えしたいことがあります)

と言って、この機会に伝えておきたい業務連絡を先にしておきましょう。その後、

Now letʼs move onto the agenda.
(議題に入りましょう)

で、本題に入ります。

最新情報を聞き出す

1 on 1では、相手が担当するプロジェクトの進捗状況について、相手の独自の視点や考えを聞くことが大切です。例えば、

Howʼs the current project going?
(現在のプロジェクトの進捗はどうですか?)

と切り出した後、

Are you happy with your recent work?
(最近の仕事には満足していますか?)

のように自分が聞きたい内容に話を持っていくと、相手の考えを引き出しやすいでしょう。

キャリアサポートの申し出

社員が自分のキャリア目標を達成できることが会社の成長にもつながります。

Can I ask you about your long-term goals? Have you thoughtabout them?
(長期的な目標についてお聞きしてもいいですか? それについて考えたことはありますか?)

などと尋ねてみましょう。さらに

Can you see yourselfmaking progress on your goals here? What would need tochange for you to achieve more?
(この会社で、自分の目標に向かって前進していると実感できますか? より多くを達成するには、何を変える必要があるでしょうか?)

聞くこともできます。

相手の要望を受け止める

相手の要望を聞いても、即答できないことがあるかもしれません。

Let me get back to you on that.
(それについては後でお話しさせてください)

と言って、前向きに受け止めていることを伝えてください。

実際の使い方をチェックしてみよう!

1 on 1

Greeting and building rapport

Tech lead: Happy Friday. How’s your day going? Any plans for the weekend?

Developer: A couple of friends and I have rented a beach house. We’re going to Izu and planning to spend the weekend surfing.

Tech lead: That sounds very nice. Last year we took the whole team for a beach barbecue. We should definitely do another one.

Announcement

Before we start, I’d like to make a short announcement. We’ll start using DORA metrics*next Friday. In the beginning, the focus will be on deployment frequency. I hope this will help us determine if our goals for continuous delivery are being met. We should be able to see the first reports by the end of this month. OK. Now let’s move on to the agenda.

和訳

1 on 1

あいさつして親しみを築く

技術責任者:金曜日ですね。今日はどのように過ごしていますか? 週末に何か予定はありますか?

デベロッパー:友人何人かと海の家を借りています。伊豆に行って、週末はサーフィンをして過ごす予定です。

技術責任者:それはいいですね。去年はチーム全員で、海辺でバーベキューをしたんです。またぜひやりましょう。

告知

始める前に、手短にお知らせをします。来週の金曜日から、DORAメトリクスを使い始める予定です。当初はデプロイの頻度に焦点を絞ります。これにより、継続的デリバリーの目標が達成されているかどうかを判断できるようになると期待しています。今月末までには最初のリポートを見られるはずです。さて、議題に入りましょう。

ITの現場で働く人なら必携の1冊

「少し込み入った場面になると、英語で意思疎通がうまくいかない」
「多文化・リモート環境で、思うように仕事がはかどらない」
「受験で覚えた難しい単語や表現を使ってしまい、伝わらない」

そんなあなたの悩みを解消します。本書は、よくあるビジネス表現集や語彙集ではありません。ITの現場でよくあるシチュエーションを乗り切るための「実践マニュアル」です。

・1対1のミーティング
・グループミーティング
・交渉やプレゼンテーション
・メールやSlackなど

IT現場で必ず出くわす上記のような場面を乗り切る力を、以下の3ステップで養います。

  • その場面をうまく乗り切る心構えや必須表現の使い方
  • どのように話を進めれば成功するのか分かるリアルな会話やスピーチ
  • 登場した重要表現を使っての瞬間英作トレーニング

いずれも、著者が日々用いている、シンプルでリアルな英語で構成されています。IT現場において英語で苦労している方々に必須の一冊です。

ラファエル・ヴィアナ(Rafael Viana)
ラファエル・ヴィアナ

1987年生まれ。ソフトウエアエンジニア。ブラジルのリオデジャネイロ出身。大学在学中にオーストラリア、日本へ語学留学。日本語・英語・ポルトガル語を生かして日系企業でヘッドハンターや、ドコモグループのドコモ・サポート株式会社で通訳として勤務。問題解決能力とコミュニケーションスキルの高さから、優秀コミュニケーター賞などを受賞。

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