『呪術廻戦』が海外でも大人気!!アメリカ人の反応は!?【世界のバズワード】

連載「世界のバズワード」では、今、世界でバズっているワードを、現地の温度感を交えて紹介します。今回はカナダ在住ライターが、現在北米でバズっている日本の大人気漫画『呪術廻戦』について紹介します。

北米でバズる「JJK」

北米で定期的にバズるハッシュタグに、「#JJK214(数字は週に1つずつ増えていきます)」、「#JJKspoiler」というものがあります。この「JJK」、実は日本に関連した言葉なのですが、なんのことだか分かりますか?

本記事のタイトルからお気付きの方も多いと思いますが、「JJK」とは「Jujutsu Kaisen」の略。そう、日本でも大人気の漫画・アニメ「呪術廻戦」のことなのです。日本の漫画・アニメが海外で人気という話を耳にしたことのある方は多いと思いますが、どれほどの人気なのか、今日はこのバズワード「#JJK」と共に、海外での熱い反応をご紹介します。

北米で日本の漫画・アニメが人気なのはなぜ?

北米では、日本の漫画の多くは「VIZ Media」という、日本の漫画の翻訳出版とアニメの映像販売を手掛ける企業によって、供給されています。 北米での日本の漫画・アニメブームは、1992年の「らんま1/2(Ranma 1/2)」や、1998年の「ポケモン(Pokemon)」が大ヒットしたことに始まり、以降、安定的な人気を得ています。

もちろん北米にも古くから漫画やアニメはあるのですが、その多くは子供向け。そして北米お得意の「マッチョ文化」に基づくスーパーヒーローものがメインで、バリエーションに欠けます。そこで、日本の漫画・アニメの、大人の視聴者をもとりこにする魅力的なキャラクターと考え抜かれた深いストーリー、マッチョ文化にはない「カワイイ文化」がウケたのです。

ちなみにこの「VIZ Media」は、小学館の関連会社。供給元としてもしっかりしているというわけです(北米では小学館以外の作品も扱っています)。

日本の漫画・アニメの中でも近年は、「死」や「恐怖」といった要素を主題に取り入れた作品の人気が目立ちます。「鬼滅の刃(Damon Slayer)」、「進撃の巨人(Attack on Titan)」、「東京喰種トーキョーグール(Tokyo Ghoul)」、「チェンソーマン(Chainsaw Man)」などは、小学生から若者まで幅広く受け入れられ、特に今回紹介する「呪術廻戦」には、多くの北米の若者が毎週熱い思いを寄せています。

「JJK」への海外の反応

「呪術廻戦」を見たことがない方に向けて簡単に内容を説明しますと、主人公は不思議な力を得た高校生で、人間の負の感情から生まれる化け物「呪霊(じゅれい)」を呪術師らの仲間と共に倒していく、というアクション漫画。ホラー要素の強いダークファンタジーですが、コミカルな要素も多く、個性的なキャラクターが魅力で人気を博しています。

北米でのタイトルは日本と同様に「Jujutsu Kaisen(ジュジュツカイセン)」で、ファンは「JJK(ジェイ・ジェイ・ケー)」とも呼びます。他の多くの作品のような英語のタイトルは付いていません。

では、さっそく海外の反応を見ていきましょう。

※この先、「呪術廻戦」に関するネタバレを含むツイートなどを紹介しますので、まだ漫画・アニメを見ていない方はご注意ください。

基本的には、絶望と恨み節

アニメ好きの間では有名ですが、「呪術廻戦」では主要なキャラクターがひどく傷ついたり、死んでしまったりすることが多々起こります。魅力のあるキャラクターがこの漫画・アニメの大きな要素であるため、各キャラクターには根強いファンが付いており、そこがファンを魅了しながらも絶望の淵に立たせている理由。

そんなわけで、最近のJJKファンの間ではこんな悲痛な叫びが多いです。

※せめてものネタバレ防止に、日本語ではキャラクター名は伏せ字にしておきます。

guys. yuuji can’t heal himself anymore the injuries are fatal and he can’t heal himself anymore.
(みんな、○○はもう治らないよ、けがは致命的で、もう治らないよぉ)

I'm crying! who made this😭😭
(泣いてるんだけど!誰だよこの話作ったの😭😭)

次のようなTikTokの書き込みも・・・

I'm still on hopium that Megumi might live😭
(まだ○○が生きている可能性に期待しています😭)

TikTokにもJJKファンは多いです。hopiumは、「hope(希望)」と「opium(アヘン)」からの造語で、「根拠のない希望にしがみ付くこと」を意味します。hopeでなくhopiumを使っているところでも、気持ちを察することができますね。

!!JJK 213 SPOILERS!!
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YOU'RE SHITTING ME BRO YOU AREEEE
(呪術廻戦213話ネタバレ!!・・・おまえふざけんなぁぁぁ)

「YOU'RE SHITTING ME BRO YOU AREEEE」の部分は日本語訳が難しいのですが、「SHITTING ME」は「悲しませる」や「侮辱する」のようなニュアンスで、「YOU」は作者を指していると思われます。読者に辛い思いをさせるストーリー展開を描く作者に対しての恨み節が炸裂、といったところですね。13000を超える「いいね」と2500を超えるリツイートがなされ、多くのJJKファンの声を代表したものであることがうかがえます。

Wtf is going on😭😠
(なんなんだよ!どうなってるんだ😭😠)

4コマ漫画は、「溺れかかっているファン(お気に入りのキャラの死や瀕死などで悲痛な思いをしているファン)」に、「作者が手を差し伸べる(良い展開になるかという期待)」かと思うも、そうはならず、「ファンが溺れる」という・・・。ファンの絶望感を表しています。

wtfはwhat the f〇〇kの略で、「なんなんだよ!」という怒りや絶望、驚きを表す若者用語です。口語でもよく使われます。口語だと「ワッタッファッ!」のように発音します。

数々の名言は、海外をも魅了

「呪術廻戦」には、友情や自己犠牲、成長の物語という側面もあるため、数々の名言も生まれています。過去にはそんな名言にスポットを当てたツイートも。

“Stand proud, you are strong.”
(誇れ、オマエは強い)

“Dying to win and risking death to win are completely different, Megumi.”
(「死んで勝つ」と「死んでも勝つ」は全然違うよ、恵)

“It’ll be fine. I’m the strongest there is, after all.”
(大丈夫。僕最強だから)

“I don’t know how I’ll feel when I’m dead, but I don’t want to regret the way I lived.”
(自分が死ぬときのことは分からんけど、生き様で後悔はしたくない)

「名言」は英語でquoteと言います。日本でも人気の「JJK名言」は、海外でも人気な様子。人の感情のありようは言語を超えて共通するということが分かります。

好きなアニメの名言を英語でどう言うか調べたいときは、そのアニメの英語版タイトルと「quotes」で検索してみましょう。

北米ではどこで見られる?

米の若者はどうやって「呪術廻戦」の漫画・アニメを楽しんでいるのでしょうか。

アニメは「Funimation」という、アニメ版Netflix的なプラットフォームで視聴できます。月額$5.99~で、いろいろな日本のアニメが見放題。Netflixで見られない作品なども多く扱っており、北米のみならずアニメファンに絶大な人気です。

漫画は、『週刊少年ジャンプ』のデジタル版の北米版、「SHONEN JUMP」というものがあり、Webサイトやアプリで読むことができます。なんと日本とほぼタイムラグなしで読めるという優れもの。日本で『週刊少年ジャンプ』は月曜日に発売しますが、時差で北米では日曜日にあたるため、毎週日曜日になると「#JJK214(呪術廻戦214話)」や「#JJKSpoiler(呪術廻戦ネタバレ)」のハッシュタグの付いたポストが各SNSで増えるのです。これが、「JJK」が週に一度、定期的にバズる理由です。

MANGAで英語学習もおすすめ!

この北米版「SHONEN JUMP」、実は英語学習にもおすすめです。「映画や動画だとスピードについていけない」「文字だけの小説では挫折してしまう」「英語が簡単な子供向けの話では興味が持てない」という人も、漫画なら基本は会話と心情の描写なので、一文が短く文章構造がシンプルなのでおすすめです。そして試験対策テキストではあまり出てこないカジュアルな単語や、英検準1級、1級レベルのハイレベルな単語もちょこちょこ出てきます。例えば、「呪術廻戦」の213話ではbrat(悪ガキ)、transgression([道徳上の]罪)なんて言葉が出てきています。いつもの勉強とは違うインプットになり、楽しくボキャブラリーが増やせそうですね。

また、日本人にはなじみの薄いwould(~しただろう/したとすると)の使い方など、英語ならではの言い回しやニュアンスが感じ取りやすいのもおすすめのポイントです。

人気漫画の感想を英語でツイートすれば、海外の漫画ファンから「いいね」がもらえるかも?漫画をきっかけに日本や日本語に興味を持つ外国人は本当に多いですから、MANGAは海外の友達をつくるきっかけになるかもしれません。

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佐知ゆりこ
佐知ゆりこ

カナダ在住の教育移住ライター。英語学習おもしろネタ、グローバルな生き方、マルチカルチャーでの子育て論などが得意分野。英字新聞はNew York Times派。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。

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