短期集中!2週間でイギリス英語の発音をマスターする本【ブックレビュー】

英語学習者の中には、知的で洗練されたイギリス英語に憧れを抱く人も多いのでは?あの発音をマスターできたらすてきですよね!そんなイギリス英語の発音が学べる注目の新刊『2週間で攻略! イギリス英語の音読ゼミ』を紹介します。

憧れのイギリス英語の発音をマスター

イギリス英語に的を絞った学習本はいろいろありますが、聞き取りトレーニングを主体にしたものがほとんど。発音トレーニングができる本は、今まであまり見かけませんでした。

「自分でイギリス英語を話したいのよ!」という人にとっては、「やっと出た!」というのが本書『2週間で攻略! イギリス英語の音読ゼミ』だと思います。その名の通り、最短2週間で、イギリス英語の発音をひととおりマスターすることができます。

1週目で基本を習得

1週目は、いわば基礎編。イギリス英語の母音や子音、弱母音を一つずつ丁寧に学び、お手本の音声を聞いて発音練習に取り組みます。

イギリス英語独特のリズムもマスター。

イギリス英語といえば、「ゴツゴツ、カクカクして速い」という印象がありますが、その秘密はアメリカ英語とは異なるリズムにあるとのこと。 アメリカ英語がゆったりした波形のイメージなのに比べ、イギリス英語は強い部分も弱い部分も短く発音するため、速くてカクカクした感じに

視覚的な説明があると、感覚をつかみやすいですね。このページの一番下の図をご覧ください。

この感覚、分かっているのといないのとでは、大きく差がつきそうです。

2週目は楽しい!実践編

実践編ともいえる2週目は、英文の音読に取り組みます。素材は『不思議の国のアリス』やシャーロック・ホームズなど、イギリスを代表する名作の一説。

さらに、 エマ・ワトソンやダイアナ元妃によるスピーチや、ベネディクト・カンバーバッチによる朗読もお手本として登場 します。これは贅沢ですね!

思えば、エマ・ワトソンがハリーポッター・シリーズで演じた「ハーマイオニー」や、「カンバーバッチ」という名前の発音にも注意が必要です。イギリス英語の発音は、奥が深いです。

あの人のイギリス英語を味わってみよう!

まずは1週目にじっくり取り組むのが前提ですが、やはり楽しいのは2週目。とくに、有名人パートは聞いているだけでも楽しめます(もちろん、発音練習もやりましょう!)。

エマ・ワトソンのスピーチは、彼女自身がドキドキしていることがこちらにも伝わってくる感じ。

決して流れるようなスピーチではないのですが、ひと言ひと言、誠実に語りかける声に思わず聞き入ってしまいます。1週目で身に付けたイギリス英語の発音のコツを意識しつつ、自分もエマ・ワトソンになりきって音読してみると、とても楽しい!
やりがいもあり、うまくなったような気がします。本書によれば、エマの英語は「極めて現代的なBE(British English=イギリス英語)」だそう。

手ごわいのは、続くベネディクト・カンバーバッチ。

映画などでは頭の切れるエリートを演じることが多い彼ですが、実生活でもバリバリのエリート。本書によれば「本物のRP(Received Pronunciation=容認発音)を話す人と言ってよさそうです」とのこと。これは気になりますよね。

カンバーバッチのお手本の音声は、「第2次世界大戦に出兵した男性が恋人に宛てて書いた手紙」を朗読したもの。スピードが速い速い!「この流麗なイギリス英語の響きを聞いておけ!」という感じに圧倒され、思わず笑ってしまうくらい速いです。

本書の解説でも「とにかく聴解の難しさは特急品ですので、聞いて分からなくても落ち込む必要はない」とされているほど。 聞き取るのも難しい素材を音読するのは大変な挑戦ですが、それだけにやりがいもあるというもの。うまくできたときの達成感はたまりません!

3人目はダイアナ元妃。

1993年に録音された音源です。このところイギリス王室は何かと話題になることが多く、それにつれてダイアナ元妃のことも思い出されますね。目の覚めるような美しい人ですが、どことなく影のある雰囲気も感じられました。このお手本のスピーチも、上品な分だけ、はかなげな感じが漂います。本書では次のように解説しています。

ダイアナ元妃の発音は、王侯貴族が使う伝統的なRPの特徴を持っています。(中略)王侯貴族が使うRPの発音は、穏やかでおとなしいものです。高貴な人の英語というのは、むしろ脱力したような英語です。無理に声を張るようなことはしません(日本の皇室の方々も同様ですね)。

さらに、英語は一般的に最後を強くはっきり言うことが多く、これが英語独特の力強さにもつながるのですが、「高貴な英語は、最後が消え入る感じであるため、寂しげな響きになってしまいます」とのこと。

お手本の音源はスピーチなのですが、先ほどのエマ・ワトソンとは違って、相手に積極的に働きかけるような感じはあまりしません。むしろささやくような感じです。

ひと口に「イギリス英語」といっても、時代や階級によってさまざまな違いがあることが分かります。そしてそのどれも、私たち英語学習者にとっては魅力的です。

まとめ

イギリスやイギリス英語好きにとってはたまらない本書ですが、TOEICなどでアメリカ以外の英語を聞き取る必要がある人にも役に立ちそう

よく「発音できない音は聞き取れない」と言いますよね。2週間の短期集中なら、飽きることなく楽しく取り組めるはず。この本で、イギリス英語の発音にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

尾野七青子
尾野七青子

都内某所で働く初老のOL兼ライター。

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