ENGLISH JOURNAL ONLINE

「バズる」「エゴサ」、英語で言えますか?

SNS英語

アメリカで生まれ、日本で暮らし、博多弁を操る言語学者のアンちゃんことアン・クレシーニさんが、SNSにまつわる英語表現を解説します!今回は、最近SNSなどでよく見る流行り言葉を取り上げます。

SNSでよく見る流行り言葉、英語にすると?

皆さん、「バイトテロ」という日本語を聞いたことがありますか?

私は、数年前に初めてこの単語を耳にしました。私の専門分野は和製英語と外来語なので、クリスマスプレゼントをもらったくらいうれしかったです。

ドイツ語のArbeitからきた外来語の「アルバイト」は、「バイト」と略されるようになりました。Arbeitの意味は「働くこと」です。そして、「テロ」は英語のterrorismからきた純粋な和製英語です。この二つが合わさって、魅力あふれる和製英語が誕生しました!

ただ、その意味は魅力的ではありません。「バイトテロ」は、アルバイト中に不適切なことをしている場面を録画してネットにアップする行為を指します。再生回数を稼ぐために、変なことや気持ち悪いこと、不衛生なこと、違法なことなど、やってはいけないことをするという意味です。

「バイトテロ」は日本独特の言葉なので、ぴったり当てはまる英語はありません。英語のWikipediaでは、「バイトテロ」を「日本の社会現象」と解説しています*1

強いて英語に訳すなら、a prank done at work and uploaded to the internet(職場で行われ、ネットにアップされたいたずら)でしょうか。でも、長いなぁ・・・。

今回は、「バイトテロ」のような、SNSなどでよく見るネット用語について話しますね!

さて、始めましょう!

「バズる」

「バズる」はそんなに新しい言葉ではないけれど、英語で使いこなせるとめっちゃかっこいいから、解説しますね。

「バズる」は、動画や記事がネット上で爆発的に拡散されることを示す単語です。語源は、英語のbuzzです。英語でも、何かが流行したら、It’s the buzz.と言います。

けれど、英語でThat video buzzed on the internet.とは言いません。では、なんといえばいいでしょうか?

英語で「バズる」はgo viralと言います。過去形は、went viralです。

ちょっと例文を見ていきましょう。

You know what? The video of that talking cat went crazy viral last week.

ちょっと聞いて!先週、あの喋るねこの動画がめっちゃバズったんだよ。 

I want nothing more than for my blog to go viral.

私のブログをマジでバズらせたい。

I had a feeling that video would go viral.

やっぱり、あの動画はバズると思った。

「炎上する」

「炎上する」は、言い換えるとネガティブな意味でバズった状態なので、これもgo viralを使って表現できます。

That video of those guys doing stupid pranks at work went viral.

彼らのバイトテロの動画は炎上した。

また、blow up the internetという超イマドキの言い方もあります。

The video of those guys doing stupid pranks at work blew up the internet.

彼らのバイトテロの動画は炎上した。

ちなみに、特定のウェブサイトへのアクセスが急増してつながりにくくなったとき、「パンクした」と言いますよね。これは、タイヤの「パンク」をイメージした表現だと思いますが、英語ではタイヤにもサイトにもパンクという言葉は使いません。タイヤのパンクはflat tire、サイトのパンクはcrashと言います。

例文を見ていきましょう。

I had a flat tire on the way to work yesterday and was late for an important meeting.

昨日、出勤途中にタイヤがパンクしたけん、大事な会議に遅れた。

When news of that band’s lead singer’s marriage broke, it crashed the band’s website.

そのバンドのボーカルが結婚したニュースが報道されると、バンドのサイトがパンクした。

いつか、「ENGLISH JOURNAL ONLINE」がパンクするほど私の書いた記事がバズるといいなぁ。そうなるように頑張ります!

実際にサイトをパンクさせるほど動画や画像をバズらせた人に対しては、冗談っぽく“Hey, you broke the internet!”と言います。直訳すると、「ねぇ、ネットを壊したでしょ!」。英語は、面白いね。

「ググる」

次に、「ググる」について話しましょう。検索エンジンの「Google」にひらがなの「る」を付けて動詞化した言葉で、「検索する」と言う意味ですね。

英語では、to Google、もしくはto look it up on the internetdo an internet searchと言います。Google以外の検索エンジンを使うとしても、“Google it!”(ググって!)と言うことが多いです。

例文を見ていきましょう。

If you don’t know the answer, Google it!

If you don’t know the answer, look it up on the internet!

If you don’t know the answer, do an internet search!

答えを知らないなら、ググったらいいやん!

Never mind! I’ll just Google it.

Don’t worry about it! I’ll look it up on the internet.

気にしないで!ググるからさ。

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「エゴサ」

自分の名前などを検索することを、「エゴサーチ」(略してエゴサ)と言います。私はずっと和製英語だと思っていたけれど、びっくりしたことに、英語でも言うそうです。

I did an ego search.

エゴサした。

egoの発音は「エゴ」じゃなくて、「イーゴ」です。気をつけてね!

do an ego searchはちょっとマイナーな言い方で、一般的にはこのように言うことが多いです。

I looked myself up on the internet.

I Googled myself.

エゴサした。

ここでまた告白しないといけないことがあります!私も、たまにエゴサをします。たまにというか、毎日・・・。

「ラグる」

じゃ、次に「ラグる」について話しましょう!ネット環境が悪かったり、スマホの通信制限がかかったりすると、すごくネットの通信速度が遅くなりますよね。この現象を最近の言葉で「ラグる」と言います。

通信が遅れている状態は「ラグい」、オンラインゲームなどでラグって他のプレイヤーに迷惑をかける人は「ラガー」と言うそうです。

この「ラグる」は、英語のlagから来ています。

to move or make progress so slowly that you are behind other people or things:

LAG | meaning in the Cambridge English Dictionary

他の人や物事に遅れをとるほど、ゆっくり動いたり進んだりすること。

lagは、jet lag(時差ボケ)などを表すのによく使われる、一般的な単語です。

I have terrible jet lag this time.

今回、時差ボケがひどい。

He is lagging behind his classmates in math class.

彼は、数学の授業でクラスメイトに遅れをとっている。

一方、lagには日本語の「ラグる」と似ている使い方もあります。

If a computer or computer game lags, there is a delay between the user doing something and the computer or game reacting to it:

LAG | meaning in the Cambridge English Dictionary

コンピューターやコンピューターゲームがラグする場合、ユーザーが何かを行ってから、コンピューターやゲームがそれに反応するまでに、遅れが生じる。

I am a better player. You only beat me because of the lag.

私の方がプレイはうまい。ラグってたからあなたが勝っただけ。

この意味で使われるlagはスラングです。

ネット通信が遅れることを普通に言いたい時は、My internet is slow.と言います。

Geez, my internet is so slow! I wonder what’s going on.

げっ、ネットの通信がバリ遅い。どうしたんやろう。

The internet is so slow at my mom’s house. I can’t get any work done there.

母の家では、ネット通信がめっちゃ遅い。あそこでは全く仕事が進まない。

似たような表現に、「電波が悪い」があります。英語ではこのように言います。

The reception is bad.

The connection is bad.

電波が悪い。

スマホでよく電話する人には必須の英語ですね!

ところで、英語も話せる日本人の友人は、電波が悪くなったとき「あれ?コネクションが悪いみたい」と言います。私はすぐ「日本では『コネクションが悪い』とは言わないよ!」と突っ込みます。

「アプリ」

おまけに、「アプリ」についても話しましょう。

「アプリ」は英語のapplicationから来ていると知っている人は多いと思いますが、実は、英語ではあまりapplicationとは言いません。それより、appと言うことが多いです。

I just downloaded this new editing app. It’s lit.

さっき、新しい編集アプリをダウンロードした。ヤバい。

She is always downloading the exact same apps as I do. It‘s so cringe.

彼女はいつも私と全く同じアプリをダウンロードする。めっちゃ引く。

上の2つの例文には、超流行っている若者言葉を入れてみました。皆さん、気付きましたか?

私はずっと前から日本の若者言葉に興味を持っていましたが、最近は英語の若者言葉にも興味を持つようになりました。調べれば調べるほど、新しい発見があります。若者言葉を見つけるのに一番いい場所はネットです。

次回はワンチャン、「若者のSNS英語」について書く説!この連載はヤバい。マジで「ENGLISH JOURNAL ONLINE」しか勝たん!

次回もお楽しみに。

第3回は2022年4月13日(水)公開予定!

アンちゃんの本、電子書籍で大好評発売中!

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アン・クレシーニ

アン・クレシーニアメリカ生まれ。福岡県宗像市に住み、北九州市立大学で和製英語と外来語について研究している。著書に『アンちゃんの日本が好きすぎてたまらんバイ!』(合同会社リボンシップ)。自身で発見した日本の面白いことを、博多弁と英語でつづるブログ「アンちゃんから見るニッポン」が人気。Facebookページも更新中!
写真:リズ・クレシーニ