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【英語の超整理術】でリスニング力UPを妨げる悪癖を見直そう!

リスニング

「英語のスピードについていけない」「語彙力や文法力に自信がない」「ネイティブの発音が聞き取れない」などなど、英語学習者のリスニングに関する悩みは尽きません。そんな悩みを解決するため、アルクの英語リスニング教材「1000時間ヒアリングマラソン」でコーチを務め、国際プロジェクトコーディネーターとしても活躍中の野原知加さんに、リスニングの勉強法について話を聞きました。

野原知加

野原知加
複数の大手企業でマーケティング戦略企画を担当後、現在は、企業、政府関連機関、大学等を対象に、ビジネス英語/TOEIC講師を務めるほか、日英プロジェクトコーディネーター、マーケティングコンサルタント、日英/英日翻訳も手掛ける。TTT TOEIC指導者養成講座(アルク)を修了、ESAC英語学習アドバイザープロフェッショナル資格を取得
個人レッスン等のお問い合わせhttp://askchika.com/

「リーディングにはそこそこ自信があっても、リスニングで伸び悩んでいる・・・」

耳で聞いたときはほとんど意味が理解できなかったのに、英文を読んでみたら実は単語も大体知っていたし、文法もそこまで難しくなかった、なんて経験をしたことがある人も少なくないと思います。耳で理解しようとすると難しく感じられるのはなぜなのでしょうか?

そんな悩みを持つ人は「返り読みの悪い癖が付いてしまっているかもしれません」と野原さんは指摘します。読めば理解できる文章でも、リスニングになると途端にわからなくなると感じることが多い人は、この癖が付いてしまっている可能性が高いです。

「返り読み」とは、英語を日本語の順番に直して、文の後ろから前へと訳していく方法のこと。例えば以下の例文でいうと、

Frank Lloyd Wright was one of the greatest architects of the 20th century when modern architecture prevailed.

“one of the greatest architects of the 20th century when modern architecture prevailed.”の部分を、「近代建築が隆盛を極めた/20世紀の/最も偉大な/建築家の/1人/」というように、文の後ろから前へと訳していく上記のような読み方が「返り読み」です。

日本の学校で行われている英語の授業では、大体このような「返り読み」を習います。確かに、時間をかけて文章を精読していく際には、「返り読み」は大きな理解の助けになります。しかし、リスニングの場合には逆効果です。頭の中で「返り読み」していては、英語が流れていくスピードについていくことは決してできないからです。

「リスニングが苦手な人の中には、長文読解の授業で習ったときの癖のまま、返り読みで英語を理解しようとしているケースが見られます。瞬間的に情報をつかんでいくことが重要なリスニングでは、返り読みの方法で意味を把握することはまず不可能です。つまり、まずは頭から英語の順番通り理解することができるように、トレーニングを積む必要があるのです」

「英語を頭から順番通りに理解できていないかも?」と心当たりがある人は、まずは長文読解での「返り読み」の癖を徹底的に直すことが、リスニングにもいい影響を与えます。少し遠回りのように見えても、まずはリーディングで身に付いた癖から直していくことが効果的だと野原先生は言います。

「不格好な日本語でいいので、とにかく英語の順番通り頭から読む訓練をやっていくことをお薦めします。頭から読む訓練をやっていると、大体の人は必ず返り読みしてしまう部分がでてきます。関係詞節や前置詞のin、of、atの部分なんかがポイントですね。ひっくり返して読んでいるうちは、まだ英語の順番通りに理解できていないということです。繰り返しトレーニングを積むことで、英語の語順のまま理解できるようになります」

文法や語彙の気にし過ぎはよくない

また「返り読み」以外にも、英語の文法を気にしすぎてしまうことで、リスニングのスピードに対応できていない人がいると野原先生は指摘します。例えば、英文読解では必須とされる「5文型」も、リスニングに応用するにはやや複雑すぎるのです。特に中級者ぐらいまでの場合は、「何が?」「誰が?」「どうなる?」「いつ?」「どのような状況で?」など、文型よりもシンプルな内容把握に集中して、英語の意味を前から順番に整理していくトレーニングが必要になるのです。

「例えば、リスニングをごみの分別作業に喩えて考えてみるとわかりやすいかもしれません。ペットボトルをラベル、ボトル、キャップと分別していくときのように、英語のリスニングでも直感的に要素の分別を認識することが大切です。流れてくる単語の全てを文法的な観点から分析して特定するのではなく、シンプルな大枠で意味を整理していく訓練が重要なのです」

“Seen from a plane, the island looks like a crescent.”のような文を聞き取る場合に、分詞構文の用法について文法的な細部を気にしすぎると、肝心の「何が」「どうだ」の部分を聞き逃してしまうなんてこともありがちです。特に中級者がリスニング力をあげようと考える場合には、文の複雑さや細かい部分にとらわれずに、まずは大枠だけで整理できる能力を身に付ける必要があります。

さらにこのような大枠を優先的に理解していくリスニングは、「わからないことをわかろうとしてしまう癖」を直すのにも効果的だと、野原先生は言います。

「聞き取った単語の意味が仮にわからなかったとしても、それに固執して思考停止しては絶対にいけません。わからない単語があっても気にせずに、リスニングでは大枠の理解に集中することが重要です。そうすれば、全体の意味からわからない部分の大まかな意味を類推できるようになってきます。またトレーニングを積んでいけば、軸となる部分と些末(さまつ)な部分の取捨選択が正しくできるようになるでしょう。リスニングでは全てを網羅的に聞き取ることよりも、情報の正しい捨て方を意識することのほうが重要なのです」

この観点から野原先生は、単語の勉強が好きではない人や、語彙の暗記があまり得意ではない人にも、ぜひ自信を持って英語学習を続けてほしいと述べます。

「語彙力はあるのに越したことはないですが、ある程度は推測することが可能ですし、いわゆる学校の勉強や試験の勉強のレベルを超えて、ビジネスで英語を使い始めたら、知らない単語や表現に出くわす確率はぐんと上がります。当然、業界ごとによく使用される単語は全然違うわけですし、会社ごとに好まれる表現が異なってくることもあります。そうなってくるともはや、いわゆる語彙力というものでカバーできる領域ではありません。しかし、ノンネイティブがそのようなレベルで英語を使って働くことが不可能かというと、全くそうではないのです。文脈から推測する能力を普段から意識して鍛えておくこと、そして、仮にテストで100点が取れなかったとしても、どんどん英語で仕事にチャレンジしていく姿勢こそが重要かと思います」

「ニュースの超整理術」で野原先生の授業を体験

ナイキ、アディダス、ロレアルなど、外資系企業のマーケティング部門の最前線で活躍されてきた野原さん。「商品やサービスについて、10の異なるターゲットがいたら、10通りの表現を提案してみせるのがマーケティングだ」と語るマーケターとしての野原さんの姿勢は、学習者のニーズに合わせた英語教育に生かされています。

「『単語を覚えるのが苦手だ』と感じている生徒さんに向けて、単語を覚えることの重要性を説くことは確かに正論なのですが、マーケティングの仕事をしていた自分としては、それで本当に生徒さんのニーズに寄り添っているのだろうかと考えてしまうことがあります。実際のビジネス現場では日本語でもわからない単語だらけですので、そんな現場でも英語を運用していくために、私の授業では文脈から単語の意味を推測する力を付けるトレーニングを推奨しています」

そんな野原さんが担当されているアルクの英会話教材「1000時間ヒアリングマラソン」の「ニュースの超整理術」では、リスニングを苦手とする学習者のニーズに合わせて設計された、野原先生の英語教育のエッセンスが詰まった講座を受けることができます。

「ニュースの超整理術」

ニュースなどの時事英語では、日本語でも聞きなれない専門用語が多数登場しますが、「ニュースの超整理術」のコーナーでは、そんな「わからない単語」に惑わされることなく、ニュースの内容がしっかりと理解できるようになることを目指します。

※「1000時間ヒアリングマラソン」「二ュースの超整理術」のコーナーで使用されている音声

事前に確認する単語リストを固有名詞のみに絞っているので、実際の現場でのリスニングに近い条件で英語を聞くことができます。単語知識が無いと全く聞き取れなくなってしまう人に効果的な学習法ですね。どうしても単語の意味を確認してからでないと不安という方は、最後の部分に単語リストを付けているので、それをチェックしてから学習を開始しても構いません。徐々に単語リストの補助なしでも課題を進められるように、慣れていけばOKです」

この講座を受ければ、シンプルな大枠で英語の意味を的確に整理しながら、頭から順番に理解していく能力が身に付きます。リスニングが苦手な中級者が英語力をぐんと伸ばすにはうってつけの講座と言えるでしょう。

「普段からリスニングの練習をしていても、それが上達につながらないと自信がなくなってしまいますよね。ヒアリングマラソンでは、リスニングが上達するためのポイントを押さえて、徹底的に英語の音を聞きこんでいくトレーニングが設定されているので、英語の音が自分の頭の中の文字要素と結びついていくのが感じられると思います。皆さんぜひ挑戦してみてくださいね!」

1000時間ヒアリングマラソン

1000時間ヒアリングマラソン

1982年に開講して以来、アルク人気No.1の通信講座。生きた英語を聞き取り、多彩なトレーニングによって「本物の英語力」を身に付ける教材です。ネイティブスピーカーが使うリアルな会話やニュース英語、映画のセリフなどさまざまなジャンルの素材がたくさん収録されているだけでなく、トレーニングで力が付くようしっかり導き、細やかなカリキュラムに沿って学習を進めます。

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ENGLISH JOURNAL ONLINE編集部

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