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TOEIC IPテストオンライン受験記!通常の公開テストとの違いとは?

TOEIC IPテストオンライン受験記

コロナ禍でのTOEIC Listening & Reading Test対策に役立つ情報を紹介してきた本連載。最終回である今回は、英語コーチの星名亜紀さんが、TOEIC IPテストのオンライン受験記をシェアしてくれました!

皆さま、こんにちは!英語コーチの星名亜紀です。本連載最終回は、私のTOEIC Listening & Reading IPテストのオンライン受験記です。

テレワークの推進、大学や専門学校の授業のオンライン化の流れの中で、TOEIC IPテストをオンラインで受ける機会のある方が増えているのではないでしょうか。

私も初のIPテストオンライン受験!ワクワクしながら受けてまいりましたので、早速こちらで感想をシェアさせていただきます。

TOEIC IPテストとは?

TOEIC IPテストを知らない方もいると思いますので、受験記をシェアする前に、まずは概要を簡単にご説明いたします。

通常のTOEIC L&R公開テストは、受験申し込みを受験者個人で行いますが、TOEIC L&R IPテストはいわゆる団体受験の事で、企業や学校などの団体で受験申し込みします。そのためIPテストの受験が可能なのは、実施する団体に所属している人のみとなります。

このIPテストは2020年4月からオンライン受験が可能となり、インターネットさえあれば自宅で受験できるようになりました。

また、オンラインで受験したIPテストは、スコアが試験終了直後に表示されるので、公開テストのように結果を数週間待つ必要がありません。 

それでは、私が2021年1月に初めてオンライン受験したIPテストについて、受験の感想や気付きをご紹介いたします。

IPテスト オンライン受験記

受験時間はたった1時間!

通常の公開テストを受験するにあたって、多くの方が抱える課題はなんと言っても2時間集中し続けるための体力を付けること。学生ならまだしも、社会人になって2時間机に向かって勉強し続ける習慣がない方には、相当苦しいのではないかと思います。

2時間連続して200問を解くというボリュームに打ち勝つための体力がなければ、練習では解けるはずの問題も、本番で簡単に落としてしまいます。だからこそ、通常のTOEICテスト対策として、2時間しっかり時間を測り、本番さながらに模試形式の問題を解いてみることが有効です。

しかし、こちらのIPテスト(オンライン)はリスニングが約25分間、リーディングが37分間で合計約1時間だけ。インターネット環境のある場所で、パソコンさえあれば、気軽に受けて自分のスコアを知ることができるという点は魅力だと思います。

受験者のレベルに合わせた問題が出題される?!

事前にしっかり確認せず受けたために、私が当日驚いたシステムですが、IPテスト(オンライン)では、Part1以外のpartは2回ずつ受けることになっています

もう少し詳しくお話ししますと、リスニングセクションとリーディングセクションともに、それぞれ二つのステージ(Unit OneとUnit Two)に分かれています。リスニングセクションのUnit Oneは、全受験者に同じ問題が出題されますが、Unit TwoではUnit Oneの正答率に応じて、受験者ごとに違う問題が出題されます。ただしUnit TwoではPart Oneの写真描写問題はありません

リーディングセクションも同様にUnit OneとUnit Twoに分かれて問題が出題されます。私は英検も学習及び指導していますが、受験者の能力に合わせた試験を受けられる点がTOEICにはない英検の魅力だと思っていたので、TOEICにもこのシステムが加わったのは素晴らしいなと感じました。

特にPart7の長文読解が「いつも最後まで読み終わらない!」という初級者・中級者さんには最適なシステムです。Part7の問題は、Single Passagesが簡単で、後ろにあるMultiple Passagesが難しいとは限りません。初級者の方でも解ける問題が、後半にも存在します。しかし、大抵の方は、Part5、Part6と順番に解き進み、Part7の最初の方を解いているうちに時間がなくなり、最後の方は勘で塗りつぶすということになりがちです。

しかし、このシステムであれば、Unit Twoでは、Unit Oneの正答率に合わせた、ご自身のレベルに合った問題を解くことができるので、ご自身の正確なスコアを測ることができるのです。

パソコンのスクリーン上で長文問題を読むのは、紙面で読むより目への負担は高く、人によっては本来の力を発揮できない可能性はあります。

しかし、この正答率によって出題される問題が変わるシステムのおかげで、1時間という短い時間でも、受験者のスコアを正確に算出することができるようになったという点は、IPテスト(オンライン)を受ける側にとっても、導入する企業・教育機関にとってもメリットだと感じました。

リスニング Part3&4の先読みができない・・・

TOEICテスト対策をされてきた方なら、おそらくほとんどの方が聞いたことのある対策のうちの一つが「Part3&4の先読み」ではないでしょうか。

先読みとは、リスニングPart3と4の設問を(できれば解答の選択肢も)先に正確に読み、頭の中に残しておくテクニックのことです。

例えば、Where does the man most likely work?という設問があれば「男性の職場は?」、What will the woman probably do next? とあれば、「女性は次に何する?」といった具合に、設問を瞬時に要約します。

このように先読みをしておくことで、放送される長い会話を聞く際に、どのポイントに注目すればいいか明らかになりますので、解答しやすくなります。

特に、TOEIC初級者の方は、設問や解答の選択肢を読むのに時間がかかってしまったり、正しく読めなかったりすると、リスニング問題なのにリーディング力がないせいでスコアを落としてしまうことになるので、通常の公開テストにおいて「先読み」は非常に重要です。

通常の公開テストでは問題は冊子にまとめられているので、設問や選択肢を先読みができましたが、オンラインのIPテスト受験では、この先読みができません。おそらくリスニングで450点以上が取れる上級者の方であれば、耳で音声を聞きながら、目は設問を読み、聞くと同時に解答していくというマルチタスクが可能かと思います。

しかし、そこまではまだ難しい場合は、まずは100%全神経をリスニングに集中して聞き取り、放送される音声を最後まで聞いてから、設問に答えていくというスタイルをお勧めします。

設問と解答の選択肢を素早く読んで理解する必要があるので、オンラインテストにおいても、TOEIC対策として皆さんが普段行っている先読みの練習は大いに役立ちます!

実際のコミュニケーションにより近いテスト

皆さんの中には、設問の先読みができないということに不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。TOEIC対策をしてから英検対策も始めた人から「英検は設問の先読みができないからリスニングが難しい!」というのもよく耳にします。

しかし、実生活の中で会話を考えてみると、いくら空気を読むのが得意と言われる私たち日本人であっても、これから繰り広げられる会話のポイントまで予測しておくことはできません。

つまり、普段の生活において、英語で会話をすることになれば、全神経集中してその場で急に飛んでくる質問を即座に理解し、キャッチボールを返さなくてはいけないのです。ですから、IPテスト(オンライン)は実際のコミュニケーションにより近いテストと言えるのかもしれません。

先日、私の生徒さんにIPテストをオンライン受験した感想を聞いてみたところ、「これまでは先読みで散ってしまい、リスニングに集中しきれなかったが、今回、先読みができないおかげで、リスニングに本気で集中することができた。その結果、前回受けた公開テストのスコアより、100点近くリスニングのスコアが高かった」というお話しをされていました。

私も設問の先読みをすることに慣れているので、今回先読みができないのは少しだけ不安でしたが、実際テストを受け始めると、「さぁ、次はどんな会話がくるんだろう」とスリリングに楽しませてもらいました。

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英語学習を楽しみながら、目標のスコア取得を目指そう!

さて、これまで4回にわたって書かせていただいたこちらの連載。これまでさまざまなことを書いてきましたが、私から皆さんへの最後のメッセージは「ありふれた情報に振り回されず、あなたご自身が心地いいと思えるペースで、あなただけの目標に向かってコツコツと継続してほしい」ということです。

インターネットのおかげで、あらゆる情報が簡単に手に入る時代になりました。前回のコラムでは、SNSがモチベーションキープには効果的ということをお伝えしました。しかし、ときにはSNSで見える周りの姿にプレッシャーを感じたり、周りと自分を比べて凹んだりしてしまうこともあるかもしれません。そんなときに大切なことは、自分のありたい姿や目標を見失わないことです。

生まれ育った環境も、これまでの英語学習歴も、得意不得意も、ライフスタイルも、目指すゴールも、あなたとまったく同じ人は存在しません。だから、他人と比べて一喜一憂する必要はまったくありません。

「一年前のご自身と比べて、昨日のご自身と比べて、どんなに成長することができたか」、「英語学習を楽しめているか」、「海外の方とお話しをして、自分の気持ちを伝えられてうれしいと感じられたか」など、そんなあなたご自身の気持ちを大切に、これからも英語学習を続けていってほしいと思っています。

私は英語コーチとして活動する中で、やはりいちばん需要のあるTOEICの指導をすることが多いのですが、いつも感じるのは 「点数」という目先のゴールだけに振り回されず、点数は皆さんの英語学習の中にある一つの通過点として捉え、英語学習を楽しみながら、実際の英語でのコミュニケーションスキルを伸ばしてほしいということです。

私もまだ一人の学習者として毎日英語学習を続けていますし、私の英語学習は一生続くことと思いますが、これからも皆さんと一緒に成長していけたらと願っています。

皆さんにお伝えしたいことがたくさんあり過ぎて、毎回長文になってしまいましたが、最後までお付き合いくださりありがとうございました。同じ英語学習仲間として、これからもお互いに楽しみながら英語学習を続けていきましょう!

詳細は公式サイトのこちらへ

www.iibc-global.org

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星名亜紀

星名 亜紀(ほしな あき) 英語コーチ、TOEIC講師。大学卒業後は全日本空輸株式会社で客室乗務員として勤めたのち、外資系企業にて外国人役員秘書を経験。現在は完全マンツーマンの英語コーチのほか、専門学校のエアライン科や企業研修でTOEIC講師として活動中。また、濱崎潤之輔先生と一緒に「濱崎TOEIC研究所」オンラインサロンを開講中。TOEIC L&Rテスト990点。英検1級。
Instagram: https://www.instagram.com/hoshina_aki/