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翻訳者・ライターになったきっかけは?/映画で英語を学ぶ「利点」【松丸さとみさんインタビュー】

『映画で学ぶネイティブっぽいおしゃれ英語表現』

EJ新書『映画で学ぶネイティブっぽいおしゃれ英語表現』刊行を記念して、著者の松丸さとみさんのインタビューをお届けします。本書の魅力はもちろんのこと、翻訳者・ライターとして活躍されている松丸さんご自身のことも教えていただきました。

翻訳者になったきっかけ

――松丸さんの現在のお仕事内容を教えてください。

翻訳者としては現在、主にWebメディアのニュース記事の翻訳や、書籍の翻訳をしています。ライターとしては、オンライン版のニューズウィークで海外のニュースについて書いたり、あと、あっ、いつも大変お世話になっております(笑)、「ENGLISH JOURNAL ONLINE」や雑誌の『ENGLISH JOURNAL』で英語に関する記事を書いたりしています。

――翻訳者・ライターとして活躍されるようになったきっかけはなんだったのでしょうか?

翻訳の仕事をするようになったきっかけですか・・・(遠い目)。

かなり昔になりますが、イギリスのロンドンで学生をしていたときに、日本でレコード会社に勤務していた友達から、アルバムの歌詞の対訳を依頼されたのが初めての翻訳のお仕事でした。当時は貧乏学生がパソコンなんて使える時代ではなかったので、手で書いた訳文を、せっせと東京にFAXしてたんですよ(笑)。アルバムの対訳って訳者の名前を載せてもらえるので、初めて自分の名前が載ったCDを手にしたときはすっごく感動しました。

それから、当時アルバイトをしていた日系企業でも、業務の一環で翻訳をしていました。

その後紆余曲折(うよきょくせつ)あって、ロンドンの日系企業で働くようになるのですが、現地のビジネスニュースを在英日本人向けに配信する会社だったので、そこで記事の書き方をみっちり教わりました。それが今のライターとしての仕事に活きています。

その会社を辞めて帰国して、さて日本で仕事をしなきゃということになったとき、自分が持っているスキルを最も手っ取り早くお金に変えられるのは翻訳と通訳だと考え、この仕事を始めました。

というわけで、何かすごい情熱をもって翻訳の仕事を始めたわけではないし、こんなノリで始めてしまったので、最初は苦労しました。翻訳が嫌になって離れたこともあります。でも、離れていた時期に自分がいかに翻訳という仕事を愛していたかに気付き、結局戻ってきました(笑)。

映画で英語を学ぶ醍醐味って?

――『映画で学ぶネイティブっぽいおしゃれ英語表現』(以下「本書」)は、映画で英語表現を学ぶという内容ですが、松丸さんが映画好きになるきっかけはあったのでしょうか?

高校生のとき、なぜか突然カンフー映画にハマった時期がありました。ブルース・リーみたいな「男のかっこよさや強さ」を全面に出した作品ではなく、ボヤいたり半べそかいたり、時にはガールフレンドに助けられたりしながら戦う、ジャッキー・チェンが描く男性の弱さや、そこに出てくる女性の強さに心奪われました。

今思うと、あんなに好きだったのになぜ広東語を覚えようとしなかったんだろう?もったいない(笑)。

英語の映画に目覚めたのは、イギリスに住み始めてからでした。

当時は、今のようにインターネットがある時代ではないので、言葉が通じない、お友達も少ない国での生活に、テレビは必須でした。英語の勉強にもなるので、暇さえあれば辞書を片手にテレビを見ていました。

本書にもちらっと書きましたが、当時は毎日のように、テレビの深夜放送で映画をやっていました。おそらく予算の関係だとは思いますが、古いものやマイナーな作品が多かったですね。それで「1980年代以降の作品だったら見よう」と決めて、ほぼ毎晩、夜更かしして見ていました。

そうすると、ハリウッド大作みたいな作品ではめったに見ないのに、マイナー映画にはしょっちゅう出てくる俳優がいるとか、エンディングはたいていパトカーや救急車、消防車が山ほど駆けつけるとか、「マイナー作品あるある」みたいなものに気付いて面白いなと思ったり(笑)。

そうこうしているうちに、ハマっていきました。

――ご自身はどんな映画ジャンルがお好きですか?

サスペンスとコメディ、あとはスパイ映画が好きです!この先どうなるかハラハラするような謎解きのあるサスペンスや、とにかく馬鹿げた笑いや言葉遊びのあるコメディが好きです。

――特にお気に入りの作品、忘れられない作品はありますか?

え〜!難しい質問ですね(笑)。

実は『インファナル・アフェア』(原題:無間道、英題:Infernal Affairs)という香港映画が好きすぎて、作品に出てくる場所を見に行ったこともあるくらいなんですが・・・でも、今日は英語の映画の話ですよね(笑)。

「好きな映画は?」と聞かれたら、『存在の耐えられない軽さ』(原題:The Unbearable Lightness of Being)と答えていた時期がありました。ただ映画自体も古いですし、私が見たのもかなり昔なので、内容がうろ覚えということもあり、今は好きな映画としてこの作品を挙げはしないのですが、かなり心に残った作品でした。今見たら昔の自分とは違う受け止め方をするかもしれません。

『映画で学ぶネイティブっぽいおしゃれ英語表現』について

――映画で英語を学ぶ利点はどんなところだと思いますか?

英語って、「学校で勉強した学問」と言う印象を持っていると、楽しみながら取り組むってなかなかできないと思います。でもやっぱり、何かを身に付けようとするとき、楽しんでこそ上達すると思うんです。苦しみながらの努力って続かないじゃないですか。

映画で英語を学ぶと、歯を食いしばって頑張る努力とはまったく違う取り組み方ができると思います。好きな作品、好きな俳優、好きなせりふに夢中になっているうちに、気付いたら単語を覚えていた、イディオムを覚えていた、って感じです。

それから、言葉って、経験や感情を通じて覚えていくものだと思います。でも、人が一生のうちに味わえる経験や感情って、限られていますよね。映画を見れば、2時間の中で登場人物の経験や感情を擬似体験できます。自分の生活だけでは出会えなかった単語や表現にも触れられるのが、映画で英語を学ぶ醍醐味だと思います。

――本書をどんな方に読んでいただきたいですか?

映画が好きな人、英語が好きな人です!

映画も英語も好きな人って、いつかは字幕なしで映画を楽しみたいって目標がある人が多いですよね、きっと。そういった人に、本書が少しでもお役に立てばうれしいです。

あと本書は、映画に出てくるせりふの中から使えるフレーズやその意味、使い方などを解説しているので、単に映画に関する本というわけではありません。なので、「英語は好きだけど、映画はこれまであまり見たことがないな」という人にも、英語を学べる本として楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。本書をきっかけに、ぜひ映画も楽しんでいただければ!

もちろん、映画で学べる英語フレーズは、本書で取り上げているものにとどまりません。ここで紹介している作品は、基本的に難しい専門用語がバンバン出てくるものではないので、英語学習という意味でもとっつきやすいと思います。気になるフレーズや単語があったらすぐに調べられるように、辞書を片手に映画を楽しんでくださいね。

――最後に、本書のアピールポイントをお願いします!

映画って、せりふがおしゃれだったり、言葉のキャッチボールが楽しかったりするので、英語でそのまま解釈できると、映画の楽しみが何倍にも膨らむと思います。

今はオンデマンド配信で好きな時に好きな作品が見られるし、日本語字幕を消したり、英語字幕を使えたりする機能も充実しています。こんな時代に、映画を英語学習に役立てないなんて、もったいないですよ!そんなときにお手元に1冊あると超便利なのが、本書です(笑)。

映画を英語力アップに活用するコツについても、本書の中で触れています。また撮影秘話などのトリビアも少し取り上げていますので、そのあたりもぜひ楽しんでくださいね。

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松丸さとみ

松丸さとみフリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。訳書に『限界を乗り超える最強の心身』( CCC メディアハウス)、『 FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』(サンマーク出版)などがある。
Blog:https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp