Versantスピーキング・テスト対策に効果的な勉強法、リプロダクションをおすすめする理由

リプロダクションのすすめ

英語を聞いたり話したりする力をまとめて強化できたらいいな、と思ったことはありませんか? そんな効率のいい勉強法、実は本当にあるんです。それが「リプロダクション」。「天駆せよ法勝寺」で第9回創元SF短編賞受賞の著者、バイリンガル小説家の八島游舷(やしまゆうげん)さんが実践しているその方法をわかりやすく丁寧に解説します!

スピーキング・テストVersant(ヴァーサント)を体験!

Versantは、英語技能のテストです。アルクでは先日、日経と協力してスピーキング・テストのキャンペーンを行いました。私も先日、9年ぶりにVersantスピーキング・テストを受験してみました。

参考までに「えっ! アルクユーザーの皆さん、スピーキング力高すぎ!?」の記事で英語スピーキングチャレンジの結果が出ています。

ej.alc.co.jp

今回はリプロダクションとVersantスピーキング・テストとの関係についてご説明します。

以下がVersantスピーキング・テストの問題の種類と質問の数です。なお個人が受験する場合、パートFは採点されません。

Part Task Number of questions
A Reading(音読) 8
B Repeat(復唱) 16
C Questions(質問) 24
D Sentence Builds(文の構築) 10
E Story Retellings(話の要約) 3
F Open Questions(自由回答) 2

Versantスピーキング・テストの特徴は、比較的安価で、テストにかかる時間も20分程度と短く、結果も数分で出ることです(パートFを含まない場合)。

テスト内容はサンプルも聞けるので、動画も含めて必ずチェックしておくことをお勧めします。

一般に、スピーキング・テストの対策は難しいものですが、Versantスピーキング・テストでは音読、復唱、「文の構築」はある程度対策を立てられます。特に、復唱問題はリプロダクションそのものです。また、「文の構築」もリプロダクションと大きく関係しています

Versant(ヴァーサント)受験前の注意点

受験前の注意点としては、オンラインで申し込みをしても、受験できるまでには数日かかるということです。また受験の際に使用する機器も重要です。今回はスマートフォンを使用しました。スマートフォンを使う場合、衣服などで雑音が入るためヘッドセットの使用は推奨されていません。公式情報によるとスマートフォンは机の上に置くのがよいとされています。今回、私はマイクの付いていないヘッドフォンを使用しました。ただこれがベストかはまだわかりません。

今回、リプロダクション練習も特別な対策もしていない状態で受けてみて、いくつか気付いたことがあります。

まずは音読。一番簡単なのでリラックスしてできるはずです。

焦って早く読もうとすると言い間違えることもあります。少し余裕を持った速度で読むと数語前まで自然に目に入ってくるはずです。特に文の切れ目、コンマなどに注意することで、つまずくことを防げます。子音は弱くなりがちなので、語尾の複数形のsは意識して発音するといいですね。第3回でご紹介した、英語で音声入力する練習をしてみるのもよいでしょう。

▼Google翻訳の英語音声入力を利用したトレーニング方法

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もう一つは、一度文を黙読した後に音読する方法です。つまり内言を事前に行うということです。慣れないと注意がそれるので、このやり方をする場合は事前によく練習してほうがよいです。

余談ですが、SFファンの世界大会CoNZealandで、自作の短編小説を英語で朗読することになりました。日英翻訳も自分でしたのですが、何度も音読すると黙読では気付かなかった問題が見えてきます。

「話の要約」問題では、視覚的なイメージを使うのもいいでしょう。つまり耳で聞いた内容を目に見える形にしてイメージにして思い浮かべます。ただ視覚的イメージにとらわれて内言に影響しないように注意が必要です。

Versantスピーキング・テストの場合は、復唱と「文の構築」の問題のうち、数問は十数語に達する文まで出てきます。このコラムでは直接的な目標でありませんが、高得点を狙うなら十数語のリプロダクションを目指してもよいかもしれません。

Versantスピーキング・テストでは、文章構文、語彙、流暢さ、発音の4部門と総合のスコアが出ます。前回と比較して、語彙は大幅に改善し、発音は同程度だったのですが、文章構文と流暢さが落ちてしまいました。総合では2点落ちています。

落ちているのかよ!と思われたかもしれませんが、反省してみると、ここのところリプロダクションそのものはさぼっていました。音読とリプロダクション練習をしっかりしたあとで、もう一度Versantスピーキング・テストに挑戦してみたいと思います。

今回のリプロダクション練習

今回も、島崎秀定『指名が途切れない通訳ガイドの英語で日本紹介アイデアブック』のコンテンツを利用させていただいています(速度を20%遅くしています)。

内言がしっかり脳内で形成されていれば、十数秒経った後でも発話することができます。

余裕のある人は、脳内で内言を繰り返した後、十秒ほど時間をおいてから発話してみてください

リプロダクションがうまくいかない場合は、どのような点でつまずいているか具体的にお知らせください。次回のこのコラムでアドバイスできるかもしれません(お名前は出しませんのでご安心を)。

本記事へのご感想はこちらからお送りください。

次回は、リプロダクション練習に役立つアプリとその活用法をご紹介します。

今回のまとめ

  • Versantスピーキング・テストの復唱問題はリプロダクションそのもの。文の構築もリプロダクションを応用できる。
  • Versantスピーキング・テストで高得点を狙うなら、十数語のリプロダクションを目指してもよい。
  • 余裕のある人は、脳内で内言を繰り返した後、十秒ほど時間をおいてから発話してみよう。

八島游舷さんの本

Final Anchors (早川書房)

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  • 作者:八島 游舷
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文:八島游舷(やしまゆうげん)
小説家。英語での小説出版を目指している。「天駆せよ法勝寺」(東京創元社。九重塔が宇宙船となり彼方の星にある大仏を訪れる仏飛びSF)で第9回創元SF短編賞受賞。ダウンロード回数は1万を超える。『Final Anchors』(早川書房。2台のAI自動運転車が衝突寸前の0.5秒で対話する)で第5回日経「星新一賞」グランプリ、『蓮食い人』で同優秀賞をダブル受賞。https://yashimayugen.com