ビジネス英語で「それでよろしいですか」を表現する方法:Is it OK? vs Is that OK?【スティーブ・ソレイシィ】

ビジネス英語において、「Is it OK?」や「Is that OK?」といった表現のニュアンスの違いを理解することは非常に重要です。特に「よろしいでしょうか」や「よろしいですか」を英語で正確に伝えたいと思う方は多いでしょう。アルクの書籍『英会話ペラペラビジネス100』から、これらの表現を含むビジネス英語の正確な使い方を紹介します。正確なフレーズの選び方で、相手に適切にメッセージを伝える方法を学びましょう。

  • 記事を読むのにかかる時間:約3分

会話のキャッチボールに欠かせない代名詞「that 」

thatには、学校で習うような、近いものにthis(これ)、遠くならthat(あれ)という感覚ではなく、 会話のキャッチボールに欠かせない重要な役割 があります。会話中のthatは、「今あなたが言ったこと」や、「私たちが今話していること」を指します。

例えば、What’s that mean?(今あなたが言ったこと=それはどういう意味でしょうか)や、Is that already decided?(それはもう決定でしょうか)、That’s right.(それはおっしゃるとおりです)、I'll take care of that.(それはお任せください)などのように使います。

「それでよろしいですか」は、Is that OK?

3時に出なきゃいけないのですが、それでよろしいでしょうか。
I have to leave at 3. Is that OK?

自分が今言ったことを相手が受け入れてくれるかどうかを確認するには、Is that OK?と、thatを主語にして言うことがポイントです。

同じ意味でIs it OK?と言ってしまう人もいますが、Is it OK?は、文脈上、わかりにくいです。相手はthatの直前にあるものが頭の中で関連付けられ、今話していることだと判断できるのです。一方、itはある特定のものを指すことが多いため、「itとは何を指しているのかな?」と相手に考えさせてしまうことが多いです。ですので、自分が伝えた後の確認にはIs that OK?を使いましょう。

前回の記事で紹介した、I’d like that in writing.(それを文書でお願いします)のように、thatは主語だけでなく、重要な目的語にもなります。聞き返すときに「もう一度お願いします」と言いたいときは、Would you say it again?ではなく、次のように言いましょう。

Would you say that again?
もう一度それ(今あなたがおっしゃったこと)を言っていただけますか。

2文構成の発言ができるようにしよう

赤ちゃんの言語の発達を例にとると、「パパ」「見て」「ブーブー」「ちょうだい」などのような1語だけの発話能力が、「パパ、見て!」と、2語を組み合わせた発言ができるようになるのは、飛躍的な成長ですね。

多くのビジネスパーンの英語力も、最初は1文でしか表現できないかもしれませんが、関連した2文を連続して言えるようになることは飛躍的な成長です。いち早くその目標に到達するために、Is that OK?の技を以下のように組み合わせたらいかがでしょうか。

ポイントは、1つ目の英文を短文で言って、2つ目に「それでよろしいですか」と確認することです。例えば、

この件を最初に話し合いたいのですが、それでよろしいですか。
I think we should discuss this first. Is that OK?

※ discussの後にはaboutが入らないように注意しましょう。

この技に慣れたら、応用として以下のような事後報告にも使えます

1回目の支払いを振込みましたが、それでよろしかったでしょうか
I transferred the first payment. I hope that was OK.

英語2文で伝えるメリットは3つあります。

  1. 言い間違いがあっても、もう1つの文があるから致命的な間違いにならない。
  2. 相手に通じる確率が高くなる
  3. 文を分けることによって、自分も間違えにくく、文を作りやすくなる。

なお、Is that OK?は、相手に許可をもらったり、あるいは物事を決めてもらうときも使いますが、May I ~, please?や、Is it OK ~?は使いません。親子関係で子どもが親に許可を求めるようなイメージを与えてしまうからです。

Is that OK?というフレーズを使うことによって、業務上それで差し支えないか、相手と同等の立場や責任を持った発言になるのです。

また、Are you OK?というフレーズもビジネスでは使いません。丁寧に言い換えるなら、OKをall rightに換えてAre you all right?としましょう。同僚にはOKを、取引先にはall rightのように使い分けるとよいでしょう。

今日の英会話

A: Tom, I'd like to re-schedule today's meeting. Is that OK?
B: Sure. When is good for you?
A: I’d like to meet at 1:45. Is that OK?
B: Well, I have an appointment at 4. I have to leave around 3. Is that OK?
A: Sure.

A: トムさん、ミーティングの再設定をお願いしたいのですが。よろしいですか。
B: いいですよ。いつならご都合がいいですか。
A: 1時45分にお願いします。それでよろしいでしょうか。
B: そうですね・・・。4時に約束があるのですが。3時には出ないといけませんが、それでよろしいですか。
A: 大丈夫です。

EXERCISES

次の日本語を英文にしてみましょう。

  1. 注文の変更をお願いしたいのですが、よろしいですか。
  2. 5パーセント引きなら可能ですが、それでよろしいですか。

解答例は記事の最後をご覧ください。

※ 本記事は『英会話ペラペラビジネス100』の内容をもとに構成しています。

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EXERCISESの解答例

  1. I’d like to change my order. Is that OK?
  2. We can give you a 5% discount. Is that OK?
Steve Soresi
スティーブ・ソレイシィ(Steve Soresi)

アメリカ・フロリダ州出身。1990年英語指導助として岐阜県に初来日。1998年早稲田大学大学院政治経済学部でマスコミュニケーション理論を学び同大学院修士課程を修了。2009年青山学院大学大学院国際政治学研究科博士課程を修了。拓殖大学、東洋英和女学院大学の専任講師を経て、2011年ソレイシィ研究所(株)を設立。現在、同研究所の代表として日本の「英語が使える国の仲間入り」を目指した英語教材の企画開発、英語教授法の研究と人材育成、英会話コーチ、セミナー、公演などを行っている。BBT大学教授。NHKラジオ第2放送「英会話タイムトライアル」講師(2012年4月~現在)。

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