英語3語でどう言う?「新しい情報が手に入ったら都度連絡してね」【省エネ英単語】

言いたいことを日本語から英語にすると、冗長な英文になってしまう……。そんな悩みはありませんか?新連載「その英語、一言で言えます!省エネ英単語」では、日英翻訳を多数手掛ける翻訳者の遠田和子さんに、簡単な英単語を使って簡潔に的確に表現する方法を紹介していただきます。第1回のテーマは「keep」です。

今回の単語は「keep」

新シリーズにようこそ!英語を書いていてなんだかもどかしく、「もっと簡単に言えないの?」と思うことはありますか?スマートな英語表現に憧れる皆さんに、シンプルなのに多くを語れる「省エネ英単語」を紹介します。おなじみの英単語にも意外な使い方がたくさんあるのです。

今回は、誰でも知っている「keep」をフィーチャーします。

「新情報を逐次知らせる」を英語3語で言うと?

まず、次の文を取り上げます。ビジネスの現場でしばしば使う表現ですね。どんな英語にしますか?

何か新しい情報が手に入りましたら、その都度、連絡してください。

「新しい情報」は new informationだし、「連絡する」は和英辞書を引くと contactと書いてある。こんなふうに考えると、次の英文が思い付くかもしれません。

△ Contact me each time you get new information.

この英文も間違いではありませんが、実は、同じことをたった3語で言えます。

Keep me posted.

postという単語を見ると、「ポストに投函する、郵送する」を連想してしまいますか?実は、keep somebody postedは「人に新情報を逐次知らせる」という意味を表し、ビジネスのみならず友達同士で「何かあったら知らせてね」と言いたいときに使えます。逆に自分が知らせる立場なら、次のように言えます。

I’ll keep you posted.

keep somebody postedは短いのに多くを表す便利フレーズなので、ぜひ使ってみてください。

さらに情報の詳細を述べるときは、aboutやonの後に内容を続けます。

あなたの販売実績を逐一知らせてください。
Keep me posted about your sales results.

新しい発見があり次第、逐次ご連絡いたします。
We’ll keep you posted on our new findings.

また、posted の代わりにupdatedinformedを使っても構いません。

Keep me updated.

Keep me informed.

「keep+A+B」のいろいろな表現

このような「keep+人+受け身の動詞/形容詞」を使いこなすと、伝えたい内容を簡潔に表現できるようになります。こんな感じです。

上司がサポートしてくれたので、私はやる気を持続できた。
△ My boss gave me support, so I was able to keep my motivation up.
  ↓
○ My boss’s support kept me motivated.

このように keep me motivated にすると、単純な構文で語数を半分以下に減らせます。

外の音がうるさかったので、昨夜は寝られなかった。
△ Because it was so noisy outside, I couldn’t sleep last night.
  ↓
○ The noise outside kept me awake last night.

「~のせいで寝られなかった」は、発想を逆転すると「~が自分を起きたままにさせる」と同じなので、kept me awakeで表現できます。

keep を使った慣用表現

次に、keepを含む便利な慣用表現を紹介します。

取り決めで約束したことに対して責任を果たしなさい。
△ Carry out your responsibility by doing what you promised to do.
  ↓
Keep your end of the deal.

keep one’s end of the dealのendは「(2者がいる場合)一方の側」なので、keep your endは「あなたの側の責任を果たす」ということ。「deal=ディール」は、アメリカのトランプ大統領が外交の場面で「取り引き・交渉」を表すのによく使う単語です。同義語にbargainがあり(ここでは安売りの「バーゲン」ではありません)、keep one’s end of the bargainも同じ意味の慣用句です。

また、似た表現のkeep one’s end upは「受け持ちの仕事をきちんと果たす、最後までやり遂げる」を表します。

レースドライバーは全力を尽くし、メカニックもピットの早業で責任を果たした。
The race driver did his best, and the mechanics also kept their end up, performing fast pit work.

名詞 keep の意外な意味

次は名詞です。名詞の keep には「生活の糧、生活費」の意味があるのをご存じですか?earn one’s keepは「生活費(家賃や食費)の分だけ働き、その支払いを免除してもらう」を表します。

大学に在学中は、食費や住居費を払う代わりに住宅のペンキ塗りをした。
△ At college, I painted houses in return for food and a place to live.
  ↓
○ At college, I earned my keep by painting houses.

面白いことに、earn one’s keepは物が主語でも使えて、その場合は「(物を持っている・利用すると)元が取れる、損しない」の意味になります。

このパン焼き器は元が取れている。
This bread machine earns its keep.

bread machineを買ったら、ちゃんとパンを焼いてくれるので、支払った金額の元は取れているというわけです。

ブルーベリーの木を植えると、おいしい実を付けるので、損はないですよ。
Plant a blueberry, and it will earn its keep by producing delicious blueberries.

ブルーベリーの木を植えると、水や肥料をやる必要はあるけれど、たくさんの実を付けてお返ししてくれる。だから損はしないということです。

keep を使った励まし表現

最後におまけです。keepを使った励ましの言葉を挙げます。ぜひ覚えて使ってみましょう。

最後まで続けて!やり切れ!
Keep going!

これからも努力し続けて。(※何か困難な課題に取り組んでいる人に)
Keep at it.

続けて頑張って。
Keep it up.

いい調子。そのまま続けて頑張って。
Good work. Keep it up.
Keep up your good work.

おなじみの英単語にはしばしば日常生活に根差した使い方があり、3、4語の組み合わせで状況をシンプルに描写する力があります。次回もそんな「省エネ英単語」を紹介します。お楽しみに!

連載に書き下ろしを加えた電子書籍『日英翻訳のプロが使う ラクラク!省エネ英単語』

この人気連載に書き下ろしを加えた電子書籍が登場!遠田さんが、簡潔な表現を好むアクション(動詞)指向の英語を言ったり書いたりできるようになる方法を、日英翻訳の確かな経験から伝えます。日本語の原文からは想像もつかない魔法のような英訳術に触れて、英語の自在な使い手になりましょう!

遠田和子さんの著書・翻訳書

最新刊『究極の英語ライティング』(研究社)では、明快で簡潔な英語を書くコツを遠田さんが解説しています。

遠田和子(えんだ かずこ)
遠田和子(えんだ かずこ)

日英翻訳者、ライター。著書に『究極の英語ライティング』(研究社)、『Google 英文ライティング』『英語「なるほど!」ライティング』(共に講談社インターナショナル)、『あいさつ・あいづち・あいきょうで3倍話せる英会話』(講談社、共著)などがある。訳書は『Love from the Depths ― The Story of Tomihiro Hoshino』(立風書房)、『Rudolf and Ippai Attena』(講談社、共訳)など。 https://www.wordsmyth.jp

編集:GOTCHA!編集部

語彙力&フレーズ力を磨く、おすすめの本

ネイティブと渡り合える、知的で洗練された英単語力。

本書は、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたネイティブスピーカーの生のインタビューやスピーチ、約300万語のビッグデータから、使用頻度の高い英単語300個を厳選し、一冊に編んだものです。

すべての英単語は日本語訳、英英定義、例文と共に掲載、無料ダウンロード音声付きで、読んでも聞いても学べる英単語帳です。また、難易度の高い単語をしっかり定着させるため、穴埋め問題やマッチング問題、さらに構文や使用の際に気を付けるべきポイント解説も充実しています。伝えたいことが明確に伝えられる、上級者の英単語力をこの一冊で身に付けましょう!

英語中級者と上級者の違いは、的確で、気の利いたフレーズ力!

50余年の歴史を持つ、アルクの『月刊ENGLISH JOURNAL』(1971年創刊~2023年休刊)に掲載されたインタビューやスピーチ約300万語というビッグデータの中から、頻出する英語フレーズ300個を厳選。日常会話やemail、SNSではよく使われているのに、日本人が言えそうで言えない、こなれたフレーズを例文と英英定義と共に収載しました(全音声付き)。

厳選した300種類の穴埋め問題&マッチング問題を通して、「見てわかる」のレベルから「自分でも使える」ようになるまで、しっかり定着させます。上級者への壁をこの一冊で打ち破りましょう!

難関大を目指す受験生が英単語を「極限まで覚える」ための単語集

大学入試などの語彙の問題は、「知っていれば解ける、知らなければ解けない」ものがほとんど。昨今の大学入試に登場する単語は難化していると言われており、文脈からの推測や消去法では太刀打ちできない「難単語の意味を問う問題」が多数出題されています。こうした問題をモノにして、周囲に差をつけるには、「難単語を知っていること」が何よりのアドバンテージです。

SERIES連載

2024 04
NEW BOOK
おすすめ新刊
英会話は直訳をやめるとうまくいく!
詳しく見る
メルマガ登録