地元の名産でも、芸能人でも「有名な」は famous でいいの?

英語上達のためには、間違いを気にせず話してみることが重要。そう分かっていても、できれば間違えたくない!と思うことはありませんか?日本人にありがちな「英語の落とし穴」を知れば、あなたの英語はレベルアップし、より自然になるかもしれません。アルクの書籍『 英語じょうずになる事典 』より、落とし穴の例をご紹介します。

英語じょうずになる事典[下] (アルク・ライブラリー)
 

日本人に共通する英語の間違い

英語じょうずになる事典 』では、著者のデビッド・バーカーさんが日本人に英語を教えてきた中で繰り返し目にしてきた、「英語にしようとすると間違ってしまいがちな日本語の日常表現」をリストアップ。どうしたらその間違いを避けられるのかを解説しています。

この記事では、本書に出てくる典型的な間違い例文、間違ってしまう理由と対策、間違いやすいポイント、そしてそれを正しい英語、あるいは、より自然な英語に直した例文を紹介します。落とし穴はどこか考えながら読んでみてください。

次の文の落とし穴はどこ?

私の地元はイモで有名です。

△ My hometown is famous for potatoes.

日本語の「有名な」は漢字が表す通り、「名前を持っている」、要するに「知られている」という意味ですね。

それと英語のfamousは少し違うような気がします。

famous は本当に 誰でも知っている という意味なので、Kyoto is famous for its temples.(京都はお寺で有名です)なら問題はないのですが、ほとんどの人が聞いたこともないような町に住んでいる人が、My hometown is famous for potatoes.(私の地元はイモで有名です)と言ってしまうと、ちょっと変な顔をされるかもしれません。「本当にfamousなの?」と聞きたくなるからです。

このようなときは、My hometown is known locally for its potatoes. (私の地元はこのあたりではイモの産地として知られています)や、My hometown’s specialty is potatoes.(私の地元の名物はイモです)のように言いましょう。

相手の故郷の名物などを聞きたいならIs your hometown known for anything?(あなたの地元には何か名物はある?)のように聞きます(ただ、英語のネイティブスピーカーはあまりこのようなことを聞かないので、少し不自然には聞こえるかもしれません)。

ちなみに 、BBC(イギリスの国営放送)のあるプロデューサーは昔、Picasso, the famous painter(有名な画家のピカソ)のような表現を禁止したそうです。理由は、本当にその人が有名ならわざわざfamousと言う必要もないし、その人を知らない人がいればfamousと言っているのが嘘になるからです。

 

今日のポイント

?famous は「誰でも知っているほど有名」でなければ使えない!

正しくはコレ!

私の地元はイモで有名です。

○ My hometown is known locally for its potatoes. / My hometown’s specialty is potatoes.

いかがでしたか?間違い自体は単純なようでも、英語の中・上級者でも気付きにくい英語と日本語の根本的な違いが隠れていることがあります。その違いを意識することが「英語じょうず」になるための第一歩です。

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英語じょうずになる事典[上] (アルク・ライブラリー)

文:末次志帆
ビール大好き高知県生まれのGOTCHA!エディター・ライター/ Webディレクター

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