TOEICは就職に有利?スコアの目安とは

TOEICとは「 Test Of English for International Communication 」 の略で「国際コミュニケーションのための英語力測定試験」と日本語表記されています。

つまり英語による実践的なコミュニケーション能力が評価されるテストです。

同じような英語能力を 判断する テストとしてTOEFLというものがあります。
これは「 Test Of English as a Foreign Language」の略で、英語を母国語としない国の人たちを対象にした海外留学のための試験で、アメリカやイギリス、オーストラリアなどの教育機関において入学・卒業の 基準 とされているテストです。

一言で区別するとTOEICは「ビジネスに活かしたい」「日常でビジネス会話を使いたい」という人のための英語能力を測るテストであり、TOEFLは海外で不自由なく留学ライフを送るための能力を証明するテストと捉えて良いでしょう。

今回はTOEICと就職の関係について考えてみましょう。

TOEICの特徴

TOEICのテストは「リスニング」と「リーディング」の2種類のテストが連続してあり、日常会話やビジネス会話が問題としてよく利用され、出題されています。そしてトータル200問を2時間で回答していく、かなりハードなテストであることをまずお伝えします。

まずリスニングセクションで100問、回答時間は45分です。

そのまま休憩時間無しに続けてリーディングセクションで100問、こちらは75分で回答していきます。

かなり集中力を必要とする2時間です。

問題用紙はすべて英語で印刷され、解答用紙の表記も英語です。そのうえ回答方法の 指示 をくれる放送もすべて英語で 指示 されます。日本語が聞こえるのは独り言だけかもしれませんね。

テスト結果は合格・不合格ではありません。正解した得点(慣れた人は「スコア」と言います)で評価されます。

最近の印刷された履歴書にはTOEICの得点を書く欄があり、企業としても英語力を期待している感が良く見えます。

問題の英語文章はビジネスや日常の会話を題材にしたものが多く、特にビジネス上使われる語彙や表現を多く取り入れて作られています。また、2016年5月の公開テストのときに問題の構成と形式が変更になる旨発表されました。

変更の特徴として以下のような特徴があります。

リスニングテスト

Part 3会話問題で、短い発言でやりとりの多いものが増えます。
Part 3会話問題で、3人での会話に関する問題が増えます。
会話や説明文の中で、聞いたことと問題用紙に印刷された図などの情報を関連付けて回答する問題が増えます。
会話や説明文で、話し手が暗示している意図を問う問題が加わります。

リーディングテスト

Part 6長文穴埋め問題で、文書の空欄に最も適切な1文を選ぶというような、文書全体の構成を理解しているかを問う問題が加わります。
Part 7読解問題で、文書の中に新たな1文を挿入する上で最も適切な箇所を選ぶというような、文書全体の構成を理解しているかを問う問題が加わります。
Part 7読解問題に、ショートメッセージやインスタントメッセージ、オンラインチャットの形式で複数人がやりとりする問題が加わります。
Part 7読解問題で、3つの関連する文書を読んで回答する問題が加わります。

TOEICと英語検定はどちらが就職に有利か

TOEICと実用英語検定(英検と略します)はどちらが就職に有利なのでしょう。
結論としてはTOEICをおすすめします。

それはTOEICの得点が企業において一つの 判断 基準 としてもグローバルスタンダードになりつつあるからです。

英検はあくまで日本国内で通用する英語能力の検定資格ですが、TOEICはすでに日本生まれながら世界120か国で 実施 されている知名度の高い英語能力の評価 基準 になっています。

ただし 実際のところ、TOEICは本当に「テストを受ける」という感覚で、受動的な筆記問題とリスニング問題しかないので、TOEICで高得点を獲得できたとしても話すことは苦手という方が多いようです。

またある程度勉強のテクニックでスコアを稼げるところがあるため、テストのための勉強となっている 傾向 は認めざるを得ません。

それに対して英検(準1級以上)は作文問題と面接試験があるため、英語での表現力という能力が必要になります。

作文 に関して は社会的な問題に極めて正確で簡単なセンテンスで回答しなくてはなりませんし、面接に至っては4コマ漫画をその場で渡されて、2分間それ に関して スピーチをしなくてはなりません。

実は作文と面接の採点はかなり甘いらしいのですが、英検の試験勉強という過程が英語能力向上に役に立つことは間違いありません。検定資格が 取得 できたころにはかなりの英語力が身についているものと考えます。

企業への就職をメインに考えるならば、まずTOEICで英語に慣れ親しんでいるところをアピールしましょう。

あなたが本当に英語力を高めたいのならば両方の試験にチャレンジすることをおすすめします。

影響する か">TOEICは就職活動にどう 影響する

2013年のデータですが、実際にTOEICテストを主催している一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の調査結果では、上場企業の約70パーセントがTOEICのスコアを採用の 判断 基準 にしているということです。

ただし 、一言申し上げておきますが、TOEICは何点取りましたという入社資格ではありません。

「今は〇〇点ですが、将来的に●●点を目指し、~~の努力を続けています」という姿勢を企業は評価します。

入社試験の面接官は履歴書に書かれているスコアを評価するためにいるわけではないのです。

TOEICに限らず、何種類もの資格 取得 に情熱を燃やしているようでは評価されません。資格を 取得 するにも目的意識をもって臨んでほしいと面接官は思っています。

苦手な分野に対しても、逃げ出したり諦めたりすることもなく、しっかり目標を掲げて、毎日努力を怠らず継続的に行っていく、この姿勢と 取り組み 方は入社した後の仕事への 取り組み 方と評価されます。

目的意識をもって 取り組む 人こそ、仕事に対しても途中で投げ出さず、コツコツと継続して取り組んでくれるだろうと評価されるものです。

やみくもに資格 取得 マニアになるよりも、TOEICにしろ何にしろ目的意識をもってそのことを伝えられるようにしていけば、スコアは及第点でも高得点者に引けは取らないでしょう。

就職活動においてTOEICでは何点を目指すか?

目的意識をもってTOEICに臨むことは大切ですが、それでは何点を目指して努力していけば良いのでしょう。

前述の一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会の調査結果では2011年では「入社時に期待するTOEICスコア」は550点、それが2013年には565点と上昇しています。

また、募集要項に明確に要求するTOEICスコアを記載する企業も増えています。企業側も「グローバル化」を将来の目標に置いていることは自明です。

あくまでも目安ですが、就職活動で目標となるTOEICスコアをまとめました。

・600点~ 一般企業
・700点~ 人気企業
・800点~ 人気上場企業
・900点~ トップ外資系企業

英語でのやり取りなど、英語力が必要とされる会社・部署では要求はさらに上がるのは容易に想像できます。

TOEICスコアの目安を知るためにOB訪問を活用してみるのもよいでしょう。

これから就職を 希望 する企業に在籍されている学校のOBの方を訪問して、その企業についてお話を伺うと、「学生時代のうちに英語は勉強しておいた方が良い」と言われることが多いでしょう。失礼のない範囲で周囲のTOEICスコアや英語の重視度について聞いてみるとよいでしょう。

以前は「英語が話せるとかっこいい」と謳っていた数々の英会話教室や語学学校も、近年では「TOEIC高得点 取得 」を入学の目標にしています。すでに英語に親しむことは社会人として当たり前の素養になったと言っても過言ではないでしょう。

公然と「TOEICのスコアは選考の対象と見ていない」と言い切る企業でも、それはあくまで「建て前」で、企業はどんどんグローバル化していく中で外国企業と意思の疎通ができない社員をあえて採用する理由はほとんどと言って良いくらい無いでしょう。その現象は、企業が入社 希望 者に書かせている「エントリーシート」にTOEICの得点欄がすでに存在していることに如実に表れているということです。

理系の就活にはTOEICは必要ない?

理系の学生の就活には英語は必要ないと思われるかもしれませんが、実務上英語の論文を参照する機会もありますので、英語力は必須と言わざるを得ません。

また、現在の企業事情からも英語の重要性がうかがえます。例えば「楽天」や「ユニクロ」など社内での公用語を英語に統一した企業も登場してきました。また幹部 候補 への昇進の条件にTOEICの得点 取得 を条件にしている企業も存在しています。

理系学生の人気企業である本田技研工業も、2020年をめどに社内公用語を英語にする予定であると発表しています。

これからも「英語でコミュニケーションする」企業は増えていくことでしょう。

ご理解 いただきたいことは、日本はすでに少子化社会に突入しているということです。
優秀な人材を確保したい企業にとっては、社員の獲得を世界に求めていかなければならなくなったわけです。

そのような時代に「理系の勉強に英語は必要ない」では済まされません。

専門職に就くことが多いとされる理系学生だとしても、その仕事の成果を発表する、成果を商材に世界と 取引 していく時代に、専門家としてのコメントを求められるということは簡単に 予想 できます。

そんなシチュエーションを想定している企業側は、TOEICで高得点を 取得 している学生は好印象に見えるでしょう。そういう意味では就活においてTOEICを目指して勉強し、高得点を 取得 しておくことは無意味ではないのです。

TOEICのスコアは一生ついて回る、異動と昇進

ちょっと古くなりますが、ビジネス誌『プレジデント』では2011年にすべての上場企業を対象として「英語テスト(TOEIC等)およびその結果を社内で活用していますか」という アンケート を行い、結果として366社から回答を得ました。

その結果「活用している」と回答した企業は366社のうち33.6%に上りました。実に3社に1社は社内での評価に英語力は必要と考えています。

企業のグローバル化と囁かれ始めて20年以上が経ちますが、経営者は会社の3年後、5年後を 予測 して経営 方針 を立てます。

しかし社員は日々の業務で忙しく、海外進出を 前提 にしてはいられない現状がありました。

その社会が成熟して 改めて 今、海外 展開前提 にして生き残らねば、企業はこの先立ち行かないと社会全体が理解し始めたのでしょう。

現実に海外との協業が盛んな製造業は海外生産 拠点 とのコミュニケーションに英語は不可欠と考えているようで、より高位の経営陣には現地の文化やその国民性も理解してマネジメントできることが重要とされています。

このように一昔前の、英語は「偉くなったら必要」から「偉くなるために必要」とポジションを変えたことを理解しておく必要がありそうです。

自分の願うキャリアを進むために、英語が求められる機会は 今後も 増えていくと言えるでしょう。

まとめ

就活していく上でTOEICは必要不可欠な資格になりつつあります。

それは資格 取得 を評価されるものではなく、求職者の物事に対する意欲の 有無 を測るツールであり、資格 取得 をスタートに人物評価のツールとして重要な要素になっています。

TOEICで満足する点を取り攻めの姿勢に出るか、低い点ならば取っていないとリスクを潰すか、TOEICという困難から、英語という壁を避けて楽をとるか、人生の課題と言っても良いでしょう。

いずれにしても就職後も英語の必要性はついて回るため、早いうちから取り組んでおくに越したことはないでしょう。

執筆:Arks(アークス)
本名、村田武雄。根っからの江戸っ子を自認するすでにおっさん。高校生時代の英語劣等生を跳ね返すため「わからないならしゃべっちまえ」をテーマに英会話を受験勉強代わりに猛特訓。本人曰く「許されるレベル」の大学を経て社会人に。

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