女性同士のパワフルなコラボソングSaweetieの「Best Friend (feat. Doja Cat)」

「今聴いてほしいアーティスト」と関連楽曲を、音楽が伝えるメッセージや社会的・音楽的文脈などと併せて渡辺志保さんが解説します。

今月の一曲

Saweetieの「Best Friend (feat. Doja Cat)」を紹介します。

アメリカ、カリフォルニア出身の女性ラッパー、スウィーティーは2018年に「 ICY GRL」でデビュー。2019年の「My Type」で一躍トップアーティストの仲間入りを果たし、YouTubeでのMV再生回数が4億8200万回を数え、これまでの累積ストリーム数は20億回を超えるという実績を残している。

女性が手を取り合って立ち上がるパワフルなコラボソング

『ピッチフォーク』や『ローリング・ストーン』といった有名音楽誌がこぞって「2020年のベスト・ソング」と評した楽曲をご存じだろうか。「WAP」というタイトルで、歌っているのは女性ラッパーのカーディ・B とミーガン・ザ・スタリオン。自身のセクシーな魅力を存分に歌い上げ、過激なMV は「やり過ぎ」だと各方面からも非難を浴びたほど。それでも音楽チャートを総ナメにし、自由を求める女性たちにとってのエンパワーメント・ソングとしての役割も果たした。

そもそも 、これまで女性のラッパーが並んで立てば、対立の構図を勝手に作られることが少なくなかった。それは、「女性の敵は女性」だとメディア側がセンセーショナルな絵を描きたかったからにほかならない。しかし、今は分断ではなく「融合」が求められる時代。女性はシスターフッド *1 を求め、相手の欠点をあげつらうのではなく、互いに手を取り、よりパワフルに立ち上がる道を選ぶのだ。

そして2021年に入ってもう一曲、女性ラッパーたちが手を取り合い、お互いを賛美するアンセムがリリースされた。その名も「Best Friend」。若手女性ラッパーのスウィーティーと、ポップなヒット曲を連発して2021年のグラミー賞の新人賞部門にもノミネートされているドージャ・キャットの2人による楽曲だ。サビでは「私の親友は超イケてる。男に頼らず、自分でガッツリ稼いでるんだから」と歌い、インディペンデントな女性であることを誇る歌詞が堂々と放たれる。

アメリカでは、史上初の女性であり有色人種である副大統領が誕生したばかり。2021年も、強く立ち上がる女性たちが呼応し合い、さまざまな名曲を生み出してくれるのではないかと今から楽しみだ。

女性同士の力強いコラボ曲4選

今回の記事で紹介している音楽のプレイリストをご紹介します。時に刺激的で、強く美しい女性たちのコラボ曲は、話題を呼んだMVも必見です!

  1. WAP by Cardi B & Megan Thee Stallion
  2. Rain On Me by Lady Gaga, Ariana Grande
  3. PYNK by Janelle Monae & Grimes
  4. Girls (feat. Cardi B, Bebe Rexha & Charli XCX) by Rita Ora

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「EJ’s Playlist」では、これまで『ENGLISH JOURNAL』の連載「EJ Culture Music」で取り上げてきた楽曲を音楽配信サービスで公開中です。こちらのプレイリストは、Apple Musicでもお楽しみいただけます。次のURLからご利用ください。 https://umj.lnk.to/EJplaylist

※本記事は『ENGLISH JOURNAL』2021年4月号に掲載した記事を再編集したものです。

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*1 :シスターフッド:女性たちが権利獲得のために起こした「ウーマンリブ運動」の中で生まれた言葉で、女性解放という大きな目標に従った女性同士の連帯。
渡辺志保 音楽ライター。主にヒップホップ関連の文筆や歌詞対訳に携わる。これまでにケンドリック・ラマー、A$AP・ロッキー、ニッキー・ミナージュ、ジェイデン・スミスらへのインタビュー経験もあり。block.fm『INSIDE OUT』をはじめ、ラジオMCとしても活躍中。

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