連載「オンラインで英語観光」では、通訳案内士で気象予報士でもある鹿目雅子さんが、家にいながら英語で観光を楽しめるサービスを紹介します。第2回は、京都の「金地院」を巡りながら禅を学ぶAirbnbのオンライン体験です。
京都の禅庭園を英語で巡る
連載2回目は、Airbnbが提供しているオンライン体験から、「京都の禅庭園、禅の心」をご紹介します。
京都にある南禅寺の塔頭「金地院」を巡りながら、禅を感じ、禅を学ぶツアーです。

感想を先に述べますと、What an AMAZING TOUR! とにかく素晴らしい体験でした。
ホストは京都在住10年のアンドリュー・ウィリアムさん。日本の禅庭園に魅せられてアメリカから来日。外国人でただ一人、京都府造園共同組合の訓練校を修了し、京都御所や伏見稲荷大社など数多くの庭園の手入れをしています。現地での庭園ツアーも手掛けており、この春に始めたオンライン体験には世界各地の参加者から感動の声が寄せられています。
では、その感動の体験を一部ご紹介していきます。
バーチャルを超えた、美しい映像
当日のその時間帯は、参加者が私一人。ぜいたくなプライベートツアーとなりました。聞いたところによると、前の回はアメリカ人のグループが誕生日祝いとして参加していたそうです。誕生日祝いに「禅」とはなかなか渋いですね。
それはさておき、京都について簡単な説明を受けた後、早速、南禅寺「金地院」へバーチャルトリップ!この「金地院」は、徳川家康を支えた僧、以心崇伝が住んでいたことで知られています。アンドリューさんいわく、庭園や茶室、寺社、襖(ふすま)絵など、日本の文化や歴史を紹介する要素がすべてそろっているそうです。
中に入ると、美しい池泉回遊式庭園 “a strolling pond garden” が出迎えてくれます。
池泉回遊式庭園とは日本庭園の様式の一つで、文字通り、池の周りを歩きながら鑑賞する庭園です。

まずは、池にかかっている橋などの写真を見ながら日本庭園の特徴を教わります。
In Japanese gardens, natural landscapes are miniaturized and re-created.
日本庭園では、自然の景色が凝縮されて、再現されています。
その後、アンドリューさんが撮影した映像の中で庭園を歩きます。この映像が実に素晴らしく、バーチャルであることを感じさせません。例えば、飛び石(stepping stones)では、実際に下を向いて飛び石の上をゆっくりと歩いているような感覚になります。
ここでの飛び石は、地面のコケをじっくりと鑑賞するために置かれているそうなので、鑑賞しているというリアル感を出すよう、映像の細部までこだわっているようです。

禅庭園への情熱と造詣の深さ
ツアーでは東照宮や茶室八窓席といった金地院の見どころを余すところなく訪れますが、ハイライトはツアーのタイトルにもなっている禅庭園、「鶴亀の庭」。茶人としても有名な小堀遠州が作庭した枯山水庭園です。

枯山水庭園は水を使わずに主に石と砂で山水を表現する、先ほどの「池泉回遊式庭園」とは別の様式の日本庭園です。英語にすると “dry landscape garden” や “rock garden”。瞑想(めいそう)や座禅(sitting meditation)にふさわしい場として禅寺に多く造られていることから、“zen garden” とも言われます。
まずアンドリューさんが、「鶴亀の庭」の「見立て」を説明してくれます。

例えば、左の丸みを帯びた石組はa turtle(亀)に見立てた亀島、右の巨石を使った石組はa crane flapping its wings(羽ばたきしている鶴)に見立てた鶴島、背後の刈り込みは不老不死の仙人が住んでいるとされる蓬莱山、手前に広がる白い砂は海で、砂紋は水の流れを表しています。

Look at the garden with your mind’s eye.
心の目で庭園を見てください。
水のない枯山水庭園では、心の目で水を見て、水を感じます。見る人の心によって、映し出される景色は千差万別。その数は無限です。
“Emptiness” has unlimited potential.
「空」は無限の可能性を秘めています。
禅では心が「空(くう)」や「無」になることが重要であるといいます。それは、どういうことなのでしょうか?ここで、ツアーのもう一つのタイトルである「禅の心」についてアンドリューさんが分かりやすく解説してくれます。その造詣の深さには驚くばかりですが、日々禅庭園に携わっているからこそ身をもって感じることができるのかもしれません。
禅庭園の魅力を伺ったところ、次のように答えてくださいました。

私の見解では、禅庭園は単なる草木や水、石ではありません。無言の先生のようなものです。禅庭園にいると、人生や自然、自分自身について学ぶことができるのです。
禅の世界に触れた1時間半のオンライン体験は、自分を見つめ直すよい機会にもなり、穏やかな気持ちで終了しました。
積極的に発言しよう
体験に参加するのに禅や庭園の知識はなくても大丈夫です。ただ、自分の感じたことを伝えられる英語力が求められます。というのも、ツアーの途中で感じたことや疑問に思ったことを聞かれるからです。
その分、より理解を深めることができますので積極的に発言してみてください。なお、アンドリューさんは今、新しいオンライン体験を開発中だということです。そちらも今から楽しみです!
最後にzenを使った便利な表現をご紹介します。
覚えておくと便利な単語
みなさんも金地院をバーチャル散策して、日本の自然と文化に触れてみませんか。きっと癒やされるはずです。
今回のオンライン体験
▼ アンドリューさんのウェブサイト「An Design」。金地院の写真や映像が一部見られます。
▼ Airbnbの「京都の禅庭園、禅の心」ツアー予約(レビューもご参照ください)
▼ Airbnbのオンライン体験はこちらから
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