イギリスの大学講義をオンラインで受講したり、街をオンライン観光したり。「おうちでUK留学する方法」を3回にわたってご紹介します。第1回は、イギリス発のMOOC「FutureLearn」を使って、自宅にいながらイギリスの大学講義を体験します。
目次
自宅でイギリスの大学講義を体験する
世界の一流大学の授業がオンラインで、しかも無料で受けられるMOOC(Massive Open Online Course)。10年ほど前から本格的に開始し、参加大学・受講生ともに年々増えています。すでに体験した読者もいらっしゃるのでは?
連載1回目では、「イギリス」に特化したMOOCを利用した、おうちでできるUK留学方法をご紹介します。特にイギリス留学を目指している方、イギリス英語に慣れたい方におすすめです!
イギリス発のMOOC「FutureLearn」でUK留学
MOOCのプラットフォームは「Coursera」や「edX」などいくつかありますが、UK留学するならやはりイギリス発の「FutureLearn」。イギリスの通信制大学であるThe Open Universityが2012年に設立しました。世界の名門大学とも提携していますが、ほかのMOOCよりもイギリスの大学が圧倒的に多いのが特徴的。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)やエジンバラ大学、マンチェスター大学など、ラッセル・グループ(※1)に属する多くの大学の授業を受けることができます。
また、日本でもおなじみのブリティッシュ・カウンシルや大英博物館、大英図書館といった公的機関とも連携しているので、より専門的かつ実践的な講座がそろっています。
多種多様なコースが勢ぞろい
では早速、「FutureLearn」をのぞいてみましょう。ほかのMOOCよりもカラフルなサイトで、ワクワク度が増すような気がします。登録はいたって簡単です。トップページ右上のRegister(下記画像赤枠部分)をクリックして、FacebookやGoogleのアカウントを使用するか、名前とメールアドレスを入力すればOK(コースを選んでから登録することもできます)。

続いてコース選びです。「FutureLearn」が提供しているコース数は全部で3000以上。毎月のように新しい講座が作られ、受講生を飽きさせません。ほかのMOOCと同様、大学の単位取得や専門技術の習得を証明できるコースもありますが、単発かつ無料で参加できるのがショートコース。先ほどのトップページにあるExplore courses(上記画像赤枠部分)をクリックしてショートコースの一覧に進みます。
ショートコースは、ビジネス、芸術、文学、法律、歴史、科学、教育、語学・・・など14個のSubjectに分かれています。興味のあるSubjectを選択して、どんなコースがあるのかを見てみましょう。コースごとの概要、学習期間、1週間の学習目安時間、レビュー評価が一目で分かるようになっています。とても見やすく、ユーザーフレンドリーだと感じました。

なお、コースを無料で受講できる期間は、実際には、記載されている学習期間+2週間です。万が一カリキュラムどおりに進められなくても2週間の猶予があります。さらに2週間を超えて延長したい場合は有料になります。
▼料金プラン

気になるコースがあればFind out moreで詳細を確認しましょう。コースの紹介動画、教授の紹介、対象となる受講生、レビューコメントなどが詳しく記載されています。
参加するコースを決めたら、Join course for free(下記画像赤枠部分)をクリックし、その後表示されるGo to course、Save and go to courseの順にクリックすればすぐに受講できるようになります。無料なので、気になるコースがあれば、取りあえず参加してみるのもいいと思います。

イギリスを感じられるコースを選択!ワーズワースの世界へ
さて私も早速、体験留学。せっかくだからイギリス文化に浸りたいと思い、真っ先に頭に浮かんだのがシェイクスピア。SubjectからLiteratureを選択すると20コース近く出てきました。
中には慶應義塾大学の「The Art of Washi Paper in Japanese Rare Books」というコースもあって、これはこれで面白そう。でも、今回はUK留学なのでまたの機会に。さらに見ていくと、面白そうなコースを発見。ランカスター大学が提供している「William Wordsworth: Poetry, People and Place」。シェイクスピアではないけれど、イギリスの有名な詩人、ウィリアム・ワーズワースに関する4週間のコースです。レビュー評価も4.9と高く、期待が膨らみます。
コースの詳細を見てみると、ワーズワースが生前過ごした湖水地方から授業が届けられるようです。リアルの授業では最後にフィールドトリップをするそうですが、オンラインでもそのフィールドトリップを味わえてしまうわけですね!受講対象者の欄には、「ワーズワースの詩を読んだことがない人でも楽しめる」と書いてあるので、ほとんど知識のない私でも大丈夫そう。ということで、ワーズワースの世界に入ってみることにしました。
▼コースの詳細(動画付き)
英語学習とバーチャルトリップを同時に体験できる!
コースは各週15ステップずつに区切られています。動画や記事、クイズ、コメント欄を使用したディスカッションなど、さまざまなステップがあります。これらのステップは、スキップしたければ次に進むこともできます。
このコースで特に魅力なのが動画です。湖水地方から届けられるレクチャーやインタビューは、まるでテレビのドキュメンタリー番組を見ているかのよう。途中に挟まれるキース・ハンリー教授の詩の朗読がこれまた美しい。ほかの受講生たちもbeautifully readと大絶賛です。キース・ハンリー教授は日本の大学にも講演にいらっしゃったことがあるそうです。
これらの動画はすべて英語の字幕付きで見ることができます。リスニングやシャドーイングの練習にもなるし、教授の朗読をオーバーラッピングするのもよいと思います。動画のスクリプトはすべてダウンロードできるので、コース修了後に復習することもできます。
また各ステップのページにはコメント欄があり、自分の意見や感想を自由に発信できるようになっています。ほかの受講生のコメントに対して「like(いいね)」やコメントをしてコミュニケーションを取ることもできます。このようなコメント機能があるのはMOOCの共通点ですね。
さらに、こちらのワーズワースのコースでは”Padlet”というコミュニケーションツールを使用しています。そこに受講生たちが写真やイラスト、動画、自作の詩などを自由に投稿します。さすが詩のクラスです。投稿がクリエイティブで、見ているだけでも面白いです。ほかにも、課題に対する解答を受講生が1対1でフィードバックし合うアサインメント・アクティビティなどがあります。
こうしたコメントやアクティビティに参加するかどうかは受講生の自由です。ほかの受講生とコミュニケーションを取りたい、クラスに参加していることをより実感したいという方にはよい機会ですね。もちろん聴講するだけでも、問題ありません。
また、各週の初めには「Welcome to 2nd week」といったお知らせメールが届き、受講し忘れないようにフォローしてくれます。
軽い気持ちで受け始めたのですが、ブリティッシュ・イングリッシュに触れ、ワーズワースや詩について学び、バーチャルフィールドトリップまでできてしまう、なんとも贅沢(ぜいたく)なショートコースでした。これで無料なんてありがた過ぎる!イギリス文学や湖水地方に興味のある方にはおすすめのコースです。
というわけで、今回はイギリスのMOOC「FutureLearn」を体験してみました。心はすでにイギリスに飛んでいますので、次回も引き続きUK留学を体験し、紹介していきたいと思います。
「FutureLearn」が提供するほかのコース
イギリスならではのコース
- Shakespeare: Context and Stagecraft(キングス・カレッジ・ロンドン)
- Football: More than a Game(エジンバラ大学)

翻訳・通訳に興味のある人向けコース
- Working with Translation: Theory and Practice(カーディフ大学)
英語教員向けコース
- Introduction to Applied Linguistics and TESOL(レスター大学)
- TESOL Strategies: Supporting ESL Students in Mainstream(グラスゴー大学)
ライティングを伸ばしたい人向けコース
- A Beginner's Guide to Writing in English for University Study(レディング大学)
イギリスに興味がある人におすすめの本
※1 ラッセル・グループ:イギリスのトップクラスの研究型大学24校で構成されている。
SERIES連載
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