
今回、「ニュースな英語」が取り上げるのは、今、世界中を騒がせている新型コロナウイルスの話題。 outbreak とpandemicの違いを説明できますか?
今回のニュースな英語
pandemic outbreak新型コロナウイルスによる肺炎が猛威を奮っています。世界保健機関(WHO)は1月30日、新型コロナウイルスについて緊急事態宣言を発表しました。この緊急事態宣言は、正式には「国際的に 懸念 される公衆衛生上の緊急事態」(Public Health Emergency of International Concern 、略してPHEIC)と言います。
とはいえWHOは2月4日、記者会見で「新型コロナウイルスはパンデミック(pandemic)ではない」との見解を示しました。つまりWHOによると、新型コロナウイルスは緊急事態ではあるものの、パンデミックにまではなっていない、ということになります。新型コロナウイルスの流行は、英語で一般的に「 outbreak 」という単語で表現されています。では、pandemicと outbreak の違いは何でしょうか?
outbreak の違い">pandemicと outbreak の違い

まず、それぞれの言葉を辞書で見てみると、pandemicは「全国(世界)的流行病」、 outbreak は「急激な増加」となっています。イメージ的には、前者が広がりを示し、後者は強度(強さや速さ)を示すような感じですね。
WHOの公式ホームページによると、pandemicとは「新たな疾病の世界的な蔓延」とのこと。また、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はpandemicについて、「複数の国や大陸に広まり、通常は大人数に 影響 を及ぼす伝染病」だと説明しています。
これらの組織がパンデミックか否かを 判断する 際には、その病気の重度や死亡者数は考慮せず、地理的な広がりを重視するようです。なお、新型コロナウイルスは2月10日現在、アフリカ大陸および中南米には広まっていません。
一方でWHOは、 outbreak について「ある病気が、通常 予測 される件数より多く発生すること」と説明しています。
どんなふうに使われている?
USAトゥデイは、pandemicという言葉の定義が曖昧であるために、人々に誤解を与え、不安を掻き立てていると 指摘 しています。その記事ではこんな見出しを付けています。
The new coronavirus could become a pandemic新型コロナウイルス、パンデミックとなる 可能性 もwww.usatoday.com
この記事の中ではまた、pandemicと似た単語のepidemicを挙げ、“Is a pandemic different than an epidemic?”(パンデミックはエピデミックとは違うのか?)という項目で、この両者が明確に異なることを説明しています。
記事によると、「epidemic」は一定の地域のみで流行している病気であり、 今のところ 新型コロナウイルスは中国で「epidemic」である状態だとしています。
ただし 、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のアントニー・ファウチ所長はUSAトゥデイに対し、このウイルスの感染の速さから、 今後 「pandemic」となっても驚きではない、との考えを示しています。
まとめ
病気の流行状態を示す言葉には、pandemic、epidemic、 outbreak などがあります。WHOとCDCによるpandemicの定義は若干異なりますが、概して「病気の世界的な流行」を指します。そしてepidemicは地域的な流行を、 outbreak は通常 予想 される件数より多く発生することをそれぞれ意味するようです。
今現在は、新型コロナウイルスによる肺炎はパンデミックと 判断 されていませんが、 今後 変わる 可能性 もゼロではありません。うがいや手指の洗浄などをしっかりして、予防に努めましょう。

文:松丸さとみ
フリーランス翻訳者・ライター。学生や日系企業駐在員としてイギリスで計6年強を過ごす。現在は、フリーランスにて時事ネタを中心に翻訳・ライティング(・ときどき通訳)を行っている。
Blog: https://sat-mat.blogspot.jp/
Twitter: https://twitter.com/sugarbeat_jp
【1000時間ヒアリングマラソン】 ネイティブの生音声を聞き取る実践トレーニング!
大人気通信講座が、アプリで復活!
1982年に通信講座が開講されて以来、約120万人が利用したヒアリングマラソン。
「外国人と自由に話せるようになりたい」「仕事で困ることなく英語を使いたい」「資格を取って留学したい」など、これまで受講生のさまざまな夢を支えてきました。
アプリ版「1000時間ヒアリングマラソン」は、アウトプット練習や学習時間の計測などの機能を盛り込み、よりパワーアップして復活しました。
「本物の英語力」を目指す人に贈る、最強のリスニング練習
・学校では習わない生きた英語
実際にネイティブスピーカーと話すときや海外映画を見るとき、教科書の英語と「生の英語」のギャップに驚いた経験はありませんか? 1000時間ヒアリングマラソンには、オリジナルドラマやラジオ番組、各国の英語話者のリアルな会話など、学校では触れる機会の少ない本場の英語を届けるコーナーが多数用意されています。
・こだわりの学習トレーニング
音声を聞いてすぐにスクリプトを確認する、一般的なリスニング教材とは異なり、英文や日本語訳をあえて後半で確認する構成にすることで、英語を文字ではなく音から理解できるようにしています。英文の書き取りやシャドーイングなど、各トレーニングを一つずつこなすことで、最初は聞き取りが難しかった英文も深く理解できるようになります。
・あらゆる角度から耳を鍛える豊富なコンテンツ
なぜ英語が聞き取れないのか? には理由があります。全15種類のシリーズは、文法や音の規則、ニュース英語など、それぞれ異なるテーマでリスニング力強化にアプローチしており、自分の弱点を知るきっかけになります。月に一度、TOEIC 形式のリスニング問題を解いたり、書き取りのコンテストに参加したりすることもできるため、成長を定期的に確認することも可能です。
1000時間ヒアリングマラソンは、現在7日間の無料トライアルを実施中です。さあ、あなたも一緒にランナーになりませんか?