外国人の同僚をランチや飲みに誘うときの注意点と仲よくなれる英語表現

外国人の同僚と仕事上の付き合いはあるけれど、もっと仲よくなって、業務にも好影響を与えるような、より良い関係を築きたい!でも、どうやって?日本人の同僚と同じようにランチや飲みに誘ってもいいの?そんな悩み、疑問に、異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタント、ロッシェル・カップさんが答えます。

外国人の同僚と仲よくなる方法やNGなことを知りたい

外国(英語圏)出身の 同僚がいます
どうしたらその同僚たちと友達のように仲よくなれますか?また、仕事仲間として付き合う上
で、一般的に、やると「良くない(NG)事例」と、やると「相手に喜ばれる事例」が知りたいです。

カップさんからの回答

一緒に働いている人と仲よく働きたいというのはとても素晴らしいことです。きっと、彼らも同じ望みを持っているけれど、自分たちの方から何をすればいいか分からなくて、戸惑っている可能性があります。

まず自分の方から手を伸ばしましょう

相手も仲よくなる方法が分からないかもしれないので、自分の方から会話を始めることをおすすめします。 休憩中などに声掛けをして、ちょっとしたことから会話を始めてみる といいでしょう。

次のような英語表現を使って、「一緒にランチに行きませんか」と積極的に誘ってみましょう。

Would you like to have lunch together sometime?
いつか一緒にランチをしませんか?

I’m going to the sushi restaurant for lunch. Would you like to join me?
お昼に寿司屋さんに行きます。一緒に行きませんか?

外国人を食事や飲みに誘うときの注意点

外国人の多くは、夜の食事や飲み会に参加することが好きです 。日本で働く外国人のためのセミナーを行う際に、外国人に「日本人と一緒に働く上で好きなこと」を聞くと、そのような社交的な場で交流することがいつも答えの一つとして返ってきます。

外国人も参加する夜のイベントを計画するときに、いくつか注意しておかなければいけない点があります。

例えば、イスラム教徒やモルモン教徒は酒を飲まないので、 飲酒しなくても快適に参加できるような場にする ことを心掛けましょう。そういった教徒ではなくても、あまりお酒を飲まない外国人も多いので、たくさん酒を飲むべきというプレッシャーがかからないように気を付けた方がいいでしょう。

食事についても気を付けておかなければいけない点があります。例えば、 宗教や道徳の面 から、豚を食べてはいけない、肉を食べない、動物由来のものは全て駄目、など、食事の制限がある人もいます。

また、 健康の面 では、グルテンフリーの食事を取る人や食事アレルギーがある人が日本人より多いようです。そのため、 事前に本人たちに次のように聞いておく のがいいでしょう。もし制限があれば、選んだ 飲食店に事前に連絡し、対応してもらえるかどうかを確認 しましょう。

Do you have any food restrictions?
何か食事の制限がありますか?

臨機応変に楽しみましょう

私の顧客の、ある日本企業では、さまざまな国の外国人が働いていて、アルコールや食事の制限がある従業員が多くいます。普通の飲食店ではそのような制限に対応するのが難しいため、 会社の食堂を使って、自分たちで買った食べ物や飲み物でパーティーをしている そうです。確かに、その方がやりやすい場合もあります。

花見、花火、お祭りなど 季節のイベント も外国人従業員が楽しめるものです。ぜひそのような機会も積極的につくっていきましょう。

とはいえ、事前に計画したものや大規模なものでなくても構いません。例えば、次のような カジュアルな誘いも歓迎されます

Tanaka-san and I are going out for a drink after work tonight. Would you like to join us?
私と田中さんは今晩、仕事の後に飲みに行きます。一緒に来ませんか?

社員同士の趣味の活動に誘うのも喜ばれる

規模が比較的大きい日本企業の多くには、 従業員が参加するスポーツチームや趣味のクラブ があります。もしあれば、外国人社員にそれらを紹介してあげましょう。

私は日本企業で働いていたときに、生け花のクラブに参加していて楽しかった思い出があります。サッカーのクラブに参加していたイギリス人男性の同僚も、さまざまな部署の友達ができて、とても素晴らしい経験ができたそうです。

会話で歓迎されるトピックと歓迎されないトピック

社交的な場では、もちろん世間話をします。それはとても大切なことです。ただし、テーマ選びには注意しましょう。

日本人がしがちなのは、 個人的過ぎる質問 をすることです。「彼氏がいますか?」「いつ結婚しますか?」「どうして結婚しないのですか?」「どんな人がタイプ(好き)ですか?」「日本の男性のことをどう思いますか?」「子どもの予定は?」「人種は何ですか?」などは全て避けた方がいい質問です。しかし、残念ながらこういうことを尋ねてしまう人がいます。

職場では真面目な話をしなければならないが、酒の席ならそのような質問でも許されると思うかもしれませんが、それは全くもって違います。 食事会などでも、職場にいるときと同じくらい、不適切な質問にならないように気を付けるべき です。

では、プライベート過ぎる質問を避けなくてはいけないのであれば、どんな質問がいいのでしょうか? 趣味、スポーツ、映画や本、レストラン、旅行など、中立的な(あまりパーソナルではない)トピックが適切 です。また、相手に質問するだけではなく、 自分のことについても話しましょう 。例えば次のような言い方で会話を始めることができます。

I’m a big fan of Ray Charles. Do you like his music?
私はレイ・チャールズの熱心なファンです。彼の音楽はお好きですか?

I thought the latest Spider-Man movie was terrific. Did you see it? Have you seen it?
スパイダーマンの最新作(映画)は素晴らしいと思いました。ご覧になりましたか?

リラックスした空間で外国人の同僚とたくさん会話することによって、良い人間関係を築くことができます。ぜひ積極的なお付き合いを心掛けましょう!

ロッシェル・カップさんの本

執筆:ロッシェル・カップ

ロッシェル・カップ
ロッシェル・カップ

異文化コミュニケーションと人事管理を専門とする経営コンサルタントとして、日本の多国籍企業の海外進出とグローバル人材育成を支援している。イェール大学歴史学部卒業、シガゴ大学経営学院卒業。日本語が堪能で、『 反省しないアメリカ人をあつかう方法34 』(アルク)、 『英語の品格』 (集英社) をはじめ、著書は多数。朝日新聞等にコラムも連載している。

編集:GOTCHA!編集部

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