大坂選手とクビトバ選手、全豪オープン決勝で交わされたやりとりとは?【英語多読ニュース】

「英語多読ニュース」(1月30日号)。今回お届けするのは、全豪オープン女子シングルスの決勝に進んだ大坂選手とクビトバ選手の話題です。

テニスの全豪オープン女子シングルスでは、大坂なおみ選手の躍進に歓喜しましたね。4大大会2連勝に加え、女子テニスWTAランキング1位の奪取。本当に素晴らしいことです。

ところで、今回の決勝では、大坂選手が勝っても、対戦相手のペトラ・クビトバ選手(チェコ共和国)が勝っても、そこにはドラマティックなストーリーがありました。その理由はテニスに詳しい方ならご存じでしょう。

The Czech two-time Wimbledon champion overcame incredible odds to even play tennis again after an unthinkable knife attack rendered her racquet hand useless in late 2016.

Doctors gave her only a 10 per cent chance of returning to the sport, making her incredible rise to the final at Melbourne Park all the more astonishing .

チェコ出身、ウィンブルドン優勝経験2回のクビトバは、2016年末、ナイフで襲われるという思いもしない事件により、ラケットを握る手が使えなくなった。しかし彼女は、そんな信じがたい逆境を乗り越え、再びテニスを開始した。

テニスに復帰できる 可能性 はほんの10パーセントと医者に告げられていたのだから、彼女が驚異的な回復を遂げ、メルボルンパークでの決勝にたどり着いたことは、驚嘆する以外に術がない。 

(下記ページは閲覧注意:生々しいけがの画像あり) www.news.com.au

クビトバ選手はリハビリに4カ月半を費やしたそうです。試合に復帰するまでの努力は想像を絶するものだったに違いありません。また、実際に復帰するまでは不安でいっぱいだったはずです。

そんな彼女は、決勝で大坂選手に破れたのちに、次のようなコメントを残しました。

I think it’s just probably more special after everything that I’ve been through . There were kind of moments and days when I didn’t really think positively that I could be in the finals of a Grand Slam anymore. I didn’t give up and that’s been the best part of this.

多くのことを経験してきたことを考えると、今回の成績はきっと、単に特別という以上のものなのだと思います。もう一度グランドスラムの決勝に立てると前向きに考えられない日々もありました。あきらめずにやってこれた。それが今回の経験で、最も良かったことです。

前向きなコメントに感動します…。 lastwordontennis.com

決勝戦では大坂選手が第1セットを奪取。続く第2セットでは、途中から試合の流れがクビトバ選手に傾きます。しかし、第3セットで流れを取り戻した大坂選手が最終的に勝利を手にします。

 クビトバ選手は大坂選手に次のような賛辞を送りました。

“Amazing achievement,” two-time Wimbledon champion Kvitova said. “ Definitely she is a great one. We’ll see what the future will bring .”

「素晴らしいことを成し遂げました」とウィンブルドン優勝経験2回のクビトバは述べた。「間違いなく彼女は卓越した選手。この先が楽しみですね」

www.syracuse.com

一方、大坂選手はクビトバ選手にこんな言葉をかけたと伝えられています。

“You’ve been through so much,” Osaka told Kvitova during the trophy ceremony. “I’m really honored to have played you in the final of a Grand Slam .”

授賞式で大坂は「あなたは多くの困難を乗り越えてきた」とクビトバに話しかけた。「グランドスラムの決勝であなたと対戦することができて、本当に光栄に感じています」。

スポーツは結果がすべて。しかし、その裏にある悲喜こもごもの人生に、私たちが学ぶことはたくさんある――。強くそう思わされるメルボルンの一幕でした。

文:山本高裕(GOTCHA! 編集部)

高校の英語教師を経て、今は編集者として、ときに写真家として活動中。7年前に脚に大けがを負い、2カ月入院していたことがあります。だから、けがから復帰して活躍する人を見ると無性に応援したくなります。

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